ガリウムは原子番号31の元素で、元素記号は
Ga である。ホウ素、アルミニウムなどと同じ第13族元素に属する。圧力、温度によっていくつかの安定な結晶構造がある。常温、常圧では斜方晶系が安定(比重 5.9)で、青みがかった金属光沢がある金属結晶である。融点は 29.8 °C と低いが、一方、沸点は 2403 °C と非常に高い。酸やアルカリに溶ける両性である。価電子は3個 (4s, 4p) だが、3d 軌道も比較的浅いところにある。
水と同じように、液体の方が固体よりも体積が小さい異常液体である。ガリウムは固体から液体になると、その体積が約3.4%減少する。そのため金属のガリウムをガラス容器に保管すると相転移に伴う体積変化によって容器が破損するため、通常はポリ容器に保管される。
メンデレーエフが1870年に周期表を発表した際、「エカ=アルミニウム」として予言した元素であり、彼はこの元素の原子量や比重などを予測した。
長井長義(1845年–1929年)は日本の薬学者。エフェドリンを発見した。日本薬学会初代会頭で、日本の近代薬学の開祖である。
明治時代における日本薬学の進展に寄与した。漢方薬の研究と成分抽出は特筆すべき業績である。マオウからのエフェドリン抽出に成功し、のちに大量合成が可能であることを証明した。これは、多くの喘息患者の苦痛を取り除くことになった。エフェドリンは、現在でも誘導体 dl-塩酸メチルエフェドリンという成分名で、気管支拡張剤として市販の感冒薬にも配合されている。
日本薬学会の初代会頭に推挙され就任し、終身、心血を注いだ。