国鉄タキ5000形貨車
国鉄タキ5000形貨車 | |
---|---|
タキ5000形コタキ5030タンク車 1992年9月19日能町駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
製造所 | 新三菱重工業、川崎車輛、汽車製造、造機車輌、新潟鐵工所、日本車輌製造、富士重工業、日立製作所 |
製造年 | 1955年(昭和30年) - 1971年(昭和46年) |
製造数 | 59両 |
種車 | タサ1700形 |
改造所 | 日本車輌製造 |
改造年 | 1966年(昭和41年) |
改造数 | 3両 |
消滅 | 2009年(平成21年) |
常備駅 | 酒田港駅、能町駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 塩酸、アミノ酸 |
化成品分類番号 | 侵82 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 10,450 mm |
全幅 | 2,438 mm |
全高 | 3,878 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 30 t |
実容積 | 25.5 m3 - 27.0 m3 |
自重 | 15.5 t - 17.5 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 1.8 |
台車 | TR41C、TR41D |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 6,350 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タキ5000形貨車(こくてつタキ5000がたかしゃ)は、1955年(昭和30年)から製作された、塩酸、アミノ酸専用の 30 t 積 貨車(タンク車)である。
私有貨車として製作され、日本国有鉄道(国鉄)に車籍編入された。1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に車籍を承継された。
概要
[編集]本形式は1955年(昭和30年)3月23日から1971年(昭和46年)3月10日にかけて新三菱重工業、川崎車輛、汽車製造、造機車輌、新潟鐵工所、日本車輌製造、富士重工業、日立製作所の8社にて59両(コタキ5000 - コタキ5049、コタキ5160 - コタキ5171)が製作された。また1966年(昭和41年)5月13日にはタサ1700形3両(タサ4713、タサ4737、タサ4729→コタキ5032 - コタキ5034)の専用種別変更工事が日本車輌製造にて行われ、本形式に編入された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵82」(腐食性物質、危険性度合1(大))が標記された。
落成当時の所有者は鉄興社、日本曹達、旭化成工業、東亜合成化学工業、三谷産業、新日化産業、日新興業、日本トレーディング、宇津商店、旭硝子、岩田商店、大阪曹達、日東フロロケミカル、住友商事、日本石油輸送、ソーダ商事、十全化学、丸正産業、東洋曹達工業、北海道曹達、日新電化であった。
多数の製造メーカー、所有者また多年に渡る製造期間により、形態変化の多い形式である。荷役方式は上入れ、上出し式である。
塗色は、黒であり、全長は10,450mm、全幅は2,438mm、全高は3,878mm、台車中心間距離は6,350mm、自重は15.5 - 17.5t、換算両数は積車5.0、空車1.8、最高運転速度は75km/h、台車は12t車軸を使用したベッテンドルフ台車のTR41C又はTR41Dである。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には27両の車籍がJR貨物に継承され、2009年(平成21年)度に最後まで在籍した3両が廃車となり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和29年度 - 2両
- 新三菱重工業 2両 鉄興社(コタキ5000 - コタキ5001)
- 昭和30年度 - 1両
- 新三菱重工業 1両 鉄興社(コタキ5002)
- 昭和32年度 - 1両
- 川崎車輛 1両 日本曹達(コタキ5003)
- 昭和33年度 - 2両
- 汽車製造 2両 旭化成工業(コタキ5004 - コタキ5005)
- 昭和34年度 - 1両
- 汽車製造 1両 東亜合成化学工業(コタキ5006)
- 昭和36年度 - 9両
- 造機車輌 1両 三谷産業(コタキ5007)
- 新潟鐵工所 2両 新日化産業(コタキ5008 - コタキ5009)
- 汽車製造 1両 日新興業(コタキ5010)
- 新潟鐵工所 3両 日本トレーディング(コタキ5011 - コタキ5013)
- 汽車製造 2両 宇津商店(コタキ5014 - コタキ5015)
- 昭和37年度 - 5両
- 造機車輌 1両 三谷産業(コタキ5016)
- 日本車輌製造 2両 旭硝子(コタキ5017 - コタキ5018)
- 日本車輌製造 1両 岩田商店(コタキ5019)
- 新三菱重工業 1両 大阪曹達(コタキ5020)
- 昭和38年度 - 1両
- 新潟鐵工所 1両 新日化産業(コタキ5021)
- 昭和39年度 - 2両
- 造機車輌 1両 三谷産業(コタキ5022)
- 日本車輌製造 1両 旭硝子(コタキ5023)
- 昭和40年度 - 7両
- 富士重工業 2両 日東フロロケミカル(コタキ5024 - コタキ5025)
- 日本車輌製造 1両 日東フロロケミカル(コタキ5026)
- 三菱重工業 1両 新日化産業(コタキ5027)
- 富士重工業 3両 住友商事(コタキ5028 - コタキ5030)
- 昭和41年度 - 4両
- 新潟鐵工所 1両 日本トレーディング(コタキ5031)
- 日本車輌製造(改造所) 3両 日本石油輸送(コタキ5032 - コタキ5034、タサ4713、タサ4737、タサ4729よりの改造年度、種車は昭和31年度 - 昭和32年度日本車輌製造製)
- 昭和42年度 - 9両
- 富士重工業 3両 三井フロロケミカル(コタキ5035)
- 造機車輌 1両 ソーダ商事(コタキ5036)
- 富士重工業 3両 十全化学(コタキ5037 - コタキ5039)
- 汽車製造 2両 三谷産業(コタキ5040 - コタキ5041)
- 昭和43年度 - 10両
- 富士重工業 1両 十全化学(コタキ5042)
- 日本車輌製造 1両 日本曹達(コタキ5043)
- 日本車輌製造 2両 丸正産業(コタキ5044 - コタキ5045)
- 日立製作所 1両 東洋曹達工業(コタキ5046)
- 汽車製造 2両 三谷産業(コタキ5047 - コタキ5048)
- 日本車輌製造 1両 北海道曹達(コタキ5049)
- 日本車輌製造 2両 日新電化(コタキ5161 - コタキ5162)
- 昭和44年度 - 8両
- 日本車輌製造 2両 ソーダ商事(コタキ5160、コタキ5166)
- 汽車製造 1両 三谷産業(コタキ5163)
- 富士重工業 2両 十全化学(コタキ5164 - コタキ5165)
- 汽車製造 3両 三谷産業(コタキ5167 - コタキ5169)
- 昭和45年度 - 2両
- 日本車輌製造 1両 北海道曹達(コタキ5170)
- 日本車輌製造 1両 ソーダ商事(コタキ5171)
参考文献
[編集]- 鉄道公報
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)