国鉄タサ2000形貨車 (初代)
国鉄タサ2000形貨車 (初代) | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 鉄道省 |
所有者 | 大日本人造肥料 |
製造所 | 雨宮製作所、日本車輌製造 |
製造年 | 1930年(昭和5年) |
製造数 | 6両 |
消滅 | 1931年(昭和6年) |
常備駅 | 速星駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 濃硫酸 |
化成品分類番号 | 制定以前に形式消滅 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,600 mm、8,400 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 24 t |
換算両数 積車 | 4.0 |
換算両数 空車 | 1.4 |
走り装置 | 一段リンク式(三軸車) |
車輪径 | 860 mm |
軸距 |
2,400 mm+2,400 mm 2,500 mm+2,500 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タサ2000形貨車(こくてつタサ2000がたかしゃ)は、かつて鉄道省に在籍した私有貨車(タンク車)である。
本形式より改造され別形式となったタ1700形についても本項目で解説する。
タサ2000形
[編集]タサ2000形は、濃硫酸専用の24t 積タンク車として1930年(昭和5年)2月1日に4両(タサ2002 - タサ2005)、同年2月17日に2両(タサ2000 - タサ2001)が日本車輌製造、雨宮製作所の2社にて製作された。
本形式の他に「濃硫酸」又は「濃硫酸及び発煙硫酸」を専用種別とする貨車は、タム400形(418両)、タキ300形(483両)、タキ4000形(351両)、タキ5750形(500両)、タキ46000形(71両)等実に21形式が存在した。
所有者は、大日本人造肥料(現・日産化学工業)でありその常備駅は飛越線(現・高山本線)の速星駅であった。
寸法関係は全長は7,600mm、8,400mm、換算両数は積車4.0、空車1.4であり、走り装置は一段リンク式の三軸車である。
1930年(昭和5年)6月6日に2両の専用種別が変更(濃硫酸→希硫酸)されタサ400形(タサ2004 - タサ2005→タサ409 - タサ410)に編入された。同年10月3日には3両の専用種別が変更(濃硫酸→アンモニア水)され形式は新形式であるタ1700形(タサ2000 - タサ2002→タ1700 - タ1702)とされた。最後まで在籍した1両も1931年(昭和6年)2月21日に専用種別変更化(濃硫酸→希硫酸)されタサ400形(タサ2003→タサ411)に編入され同時に形式消滅となった。
タ1700形
[編集]タ1700形は、前述のようにアンモニア水専用の12t 積タンク車として1930年(昭和5年)10月3日に3両がタサ2000形より改造された。
本形式の他にアンモニア水を専用種別とする形式には、タ1450形(2両)、タ1530形(3両)、タ1650形(2両)、タ1800形(2両)、タム4700形(8両)、タキ250形(4両)、タキ21200形(4両)の7形式がありいずれも少数両数形式である。
落成時の所有者は、種車同様大日本人造肥料でありその常備駅は飛越線(現・高山本線)の速星駅であった。
1935年(昭和10年)10月22日に1両、1940年(昭和15年)5月10日に1両の専用種別が変更(濃硫酸→希硫酸)されタサ400形(タ1702 , タ1701→タサ412 , タサ413)に編入された。
1968年(昭和43年)9月30日に最後まで在籍した1両(タ1700)が廃車となり、同時に形式消滅となった。
参考文献
[編集]- 吉岡心平 『3軸貨車の誕生と終焉(戦後編)』RMライブラリー9 2000年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 4-87366-198-6
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)