パーデーク
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パーデーク(ラーオ語: ປາແດກ, Padaek)は、ラオスおよびタイ王国イーサーンの塩辛。
概要
[編集]ラオスでは一般家庭で作られ、魚を漬けこんで揚げるなど様々なラオス料理に使われる[1]。また、近年は外国にも持ち運べるよう乾燥品も販売されている[1]。ラーオ族の多いイーサーンでは成人1人当たり500gを毎月消費する重要な調味料であり、同地域の市場では必ず販売されている[2][3]。鉢に水と一緒に入れて骨を除き、その汁で野菜や魚を煮る事が多い[3]。
製法
[編集]様々な淡水魚を原料とし、ナマズ目のワラゴレーリーやミストゥス属、コイ科のOsteochilusなどが特によく用いられる[4]。体長10cm以下の小型のものは内臓を取り、大型のものは頭部や鱗を除去して切り身にし、魚に対して重量比25%ほどの塩と、米ぬかを加えて甕に入れて重石をかけ、半年から1年ほどかけて発酵させる[5][2]。
なお、ペースト状のパーデークを作る場合は、頭部や内臓を除いた小さな切り身を竹籠に入れて重石をし、3日ほどかけて水分を抜いてから塩などを加える[6]。また、固形部分を除いた液体は魚醤のナンパーデークとなる[7]。
脚注
[編集]- ^ a b “メコンの魚醤”. 外務省. 2015年11月14日閲覧。
- ^ a b 石毛直道 & ラドル・ケネス 1987, p. 258.
- ^ a b 石毛直道 & ラドル・ケネス 1987, p. 260.
- ^ 石毛直道 & ラドル・ケネス 1987, p. 257.
- ^ 石毛直道 & ラドル・ケネス 1987, p. 255.
- ^ 石毛直道 & ラドル・ケネス 1987, p. 273.
- ^ 石毛直道 & ラドル・ケネス 1987, p. 270.
参考文献
[編集]- 石毛直道、ラドル・ケネス「東南アジアの魚醤 : 魚の発酵製品の研究 (5)」『国立民族学博物館研究報告』第12巻第2号、国立民族学博物館、1987年、235-314頁、doi:10.15021/00004346、hdl:10502/2947、NAID 110004728178。