2020年アイフェルグランプリ
レース詳細 | |||
---|---|---|---|
日程 | 2020年シーズン第11戦 | ||
決勝開催日 | 10月11日 | ||
開催地 |
ニュルブルクリンク ドイツ ラインラント=プファルツ州 ニュルブルク | ||
コース長 | 5.148km | ||
レース距離 | 60周 (308.617km) | ||
決勝日天候 | 曇 (ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | |||
タイム | 1:25.269 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | マックス・フェルスタッペン | ||
タイム | 1:28.139 (60周目) | ||
決勝順位 | |||
優勝 |
| ||
2位 | |||
3位 |
2020年アイフェルグランプリ(英語: 2020 Eifel Grand Prix)は、2020年のF1世界選手権第11戦として、2020年10月11日にニュルブルクリンクで開催された。
正式名称は「Formula 1 Aramco Grosser Preis Der Eifel 2020」[1]。
背景
[編集]- 開催に至る経緯
- 本年はドイツでF1の開催は行われない予定であったが[2]、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、本来この週末に開催予定であった日本GPを含め多数のレースが開催中止や延期に追い込まれ[3][4]、その代替としてホッケンハイムリンクでのドイツGP開催の可能性が浮上した[5]。しかし、同サーキットは観客を入れて開催することを望んだが、所在地であるバーデン=ヴュルテンベルク州が同感染症の拡大防止策として大人数が集まるイベントを10月まで禁止したため開催を断念した。代わってニュルブルクリンクでの開催が検討され[6]、7月24日の追加日程発表にて第11戦「アイフェルGP」として開催されることになった。レース名の「アイフェル」はニュルブルクリンクが位置する地方の名から取られた。ニュルブルクリンクでのF1開催は2013年以来7年ぶりである[7]。なお、同サーキットは2万人の観客を入れることを決めている[8]。
エントリー
[編集]当初、レギュラードライバーは前戦ロシアGPから変更なかったが、ランス・ストロールが体調不良によりFP3の走行を見合わせ[10]、予選からニコ・ヒュルケンベルグに交代した[11]。フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)所属ドライバーでFIA F2に参戦中のミック・シューマッハがアルファロメオ、カラム・アイロットがハースでFP1を走行する予定[12]であったが、後述の通り天候不良のため走行できなかった。
チーム | No. | ドライバー | コンストラクター | シャシー | パワーユニット |
---|---|---|---|---|---|
メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | W11 | メルセデスAMG F1 M11 EQ Performance |
77 | バルテリ・ボッタス | ||||
スクーデリア・フェラーリ | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | SF1000 | フェラーリ 065 |
16 | シャルル・ルクレール | ||||
アストンマーティン・レッドブル・レーシング | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | RB16 | ホンダ RA620H |
23 | アレクサンダー・アルボン | ||||
マクラーレンF1チーム | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン | MCL35 | ルノー E-Tech 20 |
4 | ランド・ノリス | ||||
ルノー・DPワールド・F1チーム | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | R.S.20 | ルノー E-Tech 20 |
31 | エステバン・オコン | ||||
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ | 26 | ダニール・クビアト | アルファタウリ | AT01 | ホンダ RA620H |
10 | ピエール・ガスリー | ||||
BWT・レーシング・ポイント・F1チーム | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント | RP20 | BWTメルセデス (メルセデスAMG F1 M11 EQ Performance) |
18 | ランス・ストロール 1 | ||||
27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ||||
アルファロメオ・レーシング・オーレン | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ | C39 | フェラーリ 065 |
99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | ||||
37 | ミック・シューマッハ 2 | ||||
ハースF1チーム | 8 | ロマン・グロージャン | ハース | VF-20 | フェラーリ 065 |
20 | ケビン・マグヌッセン | ||||
50 | カラム・アイロット 2 | ||||
ウィリアムズ・レーシング | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ | FW43 | メルセデスAMG F1 M11 EQ Performance |
6 | ニコラス・ラティフィ | ||||
ソース:[13] |
- 追記
フリー走行
[編集]金曜日は雨と濃霧による視界不良でメディカルヘリを飛ばすことができなかったため、同日開催予定のFP1とFP2は走行許可が降りず1台も走れなかった[14][15][16][注 1]。この日FP1を走行する予定であったミック・シューマッハとカラム・アイロットは初の公式セッションを走ることなく終えた[14]。土曜午前のFP3は晴れて視界も回復したことから各車走行を行えたが[17]、ランス・ストロール(レーシング・ポイント)は体調不良のため参加できなかった[10]。気温8度、路面温度14度と寒い中で行われたFP3はバルテリ・ボッタス(メルセデス)が1分26秒225でトップタイムを記録し、不振を極めるフェラーリ勢が健闘を見せシャルル・ルクレールが3番手、セバスチャン・ベッテルは5番手をマークした[17]。レーシング・ポイントは予選を前に、テレビの仕事でニュルブルクリンクを訪れていたニコ・ヒュルケンベルグを急遽代走に起用した[11]。
予選
[編集]バルテリ・ボッタス(メルセデス)が今季3度目のポールポジションを獲得した。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はルイス・ハミルトン(メルセデス)に0.037秒差と肉薄したが、メルセデス勢のフロントロー独占を阻止することはできなかった。フェラーリ勢はシャルル・ルクレールが4番手とレッドブル勢に割って入ったが、セバスチャン・ベッテルはQ2で敗退し11番手に終わった。予選から急遽参加したニコ・ヒュルケンベルグ(レーシング・ポイント)は最下位で予選を終えた。
予選結果
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | Q1 | Q2 | Q3 | Grid |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1:26.573 | 1:25.971 | 1:25.269 | 1 |
2 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1:26.620 | 1:25.390 | 1:25.525 | 2 |
3 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 1:26.319 | 1:25.467 | 1:25.562 | 3 |
4 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1:26.857 | 1:26.240 | 1:26.035 | 4 |
5 | 23 | アレクサンダー・アルボン | レッドブル-ホンダ | 1:27.126 | 1:26.285 | 1:26.047 | 5 |
6 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 1:26.836 | 1:26.096 | 1:26.223 | 6 |
7 | 31 | エステバン・オコン | ルノー | 1:27.086 | 1:26.364 | 1:26.242 | 7 |
8 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン-ルノー | 1:26.829 | 1:26.316 | 1:26.458 | 8 |
9 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 1:27.120 | 1:26.330 | 1:26.704 | 9 |
10 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン-ルノー | 1:27.378 | 1:26.361 | 1:26.709 | 10 |
11 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1:27.107 | 1:26.738 | 11 | |
12 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ-ホンダ | 1:27.072 | 1:26.776 | 12 | |
13 | 26 | ダニール・クビアト | アルファタウリ-ホンダ | 1:27.285 | 1:26.848 | 13 | |
14 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | アルファロメオ-フェラーリ | 1:27.532 | 1:26.936 | 14 | |
15 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 1:27.231 | 1:27.125 | 15 | |
16 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース-フェラーリ | 1:27.552 | 16 | ||
17 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ-メルセデス | 1:27.564 | 17 | ||
18 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウィリアムズ-メルセデス | 1:27.812 | 18 | ||
19 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ-フェラーリ | 1:27.817 | 19 | ||
20 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 1:28.021 | 20 | ||
107% time: 1:32.361 | |||||||
ソース:[19][20] |
決勝
[編集]展開
[編集]レース結果
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | Grid | Pts. |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 60 | 1:35:49.641 | 2 | 25 |
2 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 60 | +4.470 | 3 | 19 FL |
3 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 60 | +14.613 | 6 | 15 |
4 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 60 | +16.070 | 9 | 12 |
5 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン-ルノー | 60 | +21.905 | 10 | 10 |
6 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ-ホンダ | 60 | +22.766 | 12 | 8 |
7 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 60 | +30.814 | 4 | 6 |
8 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 60 | +32.596 | 20 | 4 |
9 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース-フェラーリ | 60 | +39.081 | 16 | 2 |
10 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | アルファロメオ-フェラーリ | 60 | +40.035 | 14 | 1 |
11 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 60 | +40.810 | 11 | |
12 | 7 | キミ・ライコネン 1 | アルファロメオ-フェラーリ | 60 | +41.476 | 19 | |
13 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 60 | +49.585 | 15 | |
14 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウィリアムズ-メルセデス | 60 | +54.449 | 18 | |
15 | 26 | ダニール・クビアト | アルファタウリ-ホンダ | 60 | +55.588 | 13 | |
Ret | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン-ルノー | 42 | パワーユニット[21] | 8 | |
Ret | 23 | アレクサンダー・アルボン | レッドブル-ホンダ | 23 | ラジエーター[22] 2 | 5 | |
Ret | 31 | エステバン・オコン | ルノー | 22 | 油圧システム[23] | 7 | |
Ret | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 18 | パワーユニット[21] | 1 | |
Ret | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ-メルセデス | 12 | 接触[21] | 17 | |
WD | 18 | ランス・ストロール | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 体調不良(ヒュルケンベルグに交代) | |||
ソース:[24] |
- 追記
- ^FL - ファステストラップの1点を含む
- ^1 - ライコネンはターン1でラッセルと接触した件の責任を問われ、10秒ペナルティ(ピットインで消化)とペナルティポイント2点(合計4点)が科された[25][21]
- ^2 - アルボンはターン14でクビアトと接触した件の責任を問われ、5秒ペナルティ(未消化のままリタイア)とペナルティポイント2点(合計7点)が科された[26][22]
- マックス・フェルスタッペン- 1:28.139 (60周目)
第11戦終了時点のランキング
[編集]
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- 注:ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “Eifel Grand Prix 2020 - German F1 Race”. The Official F1 Website. 2020年10月4日閲覧。
- ^ “2020年F1暫定カレンダーが発表。史上最多22戦の過密スケジュール、日本GPは10月11日の第18戦に”. autosport web (2019年8月29日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “鈴鹿サーキット、2020年のF1日本GP開催中止を発表。1987年からの国内F1開催が途絶える”. autosport web (2019年6月12日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “F1が公式サイトから2020年カレンダーを取り下げ「調整がつき次第、修正版を発表」夏開幕を目指すと改めて表明”. autosport web (2020年4月17日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “ホッケンハイムでのドイツGPが2020年に復活の可能性。主催者がF1側との協議を認める”. autosport web (2020年4月17日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “ホッケンハイムが2020年F1開催を断念。ニュルブルクリンクでのドイツGPが復活か”. autosport web (2020年7月24日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “F1、ニュルブルクリンク/ポルティマオ/イモラでの開催を発表。アメリカ大陸でのグランプリは断念”. autosport web (2020年7月25日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “ニュルブルクリンクでのアイフェルGP、約2万人の観客を招き実施へ”. motorsport.com (2020年9月22日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “ピレリ、2020年F1後半7戦のコンパウンドを発表…イモラ・アルガルベ・イスタンブールは変則セット供給”. Formula1-Data (2020年9月10日). 2020年10月4日閲覧。
- ^ a b “ストロール体調不良でFP3欠場、予選出走は改めて判断。ヒュルケンベルグも代役スタンバイか”. motorsport.com (2020年10月10日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ a b “ヒュルケンベルグ、体調不良のストロールに代わりアイフェルGP出走へ。予選から参加”. motorsport.com (2020年10月10日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “3人の育成ドライバーをF1フリー走行デビューさせるフェラーリ「2021年昇格をかけた戦いではない」”. autosport web (2020年10月6日). 2020年10月9日閲覧。
- ^ “Entry List”. FIA (2020年10月8日). 2020年10月9日閲覧。
- ^ a b “F1アイフェルFP1:悪天候でセッション開始できず。シューマッハー&アイロット走れず”. motorsport.com (2020年10月9日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “F1アイフェルFP2:視界不良の影響続き、またも走行できず。各車1周も走れず初日が終了”. motorsport.com (2020年10月9日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “金曜”一切”走行できずの緊急事態。F1アイフェルGP残りの週末に向けFIAが対策を策定?”. motorsport.com (2020年10月10日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ a b “F1アイフェルFP3:ついに“走行開始”。ボッタス首位、フェラーリがトップ5に2台”. motorsport.com (2020年10月10日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ 特記のない出典は、“F1アイフェルGP予選:ボッタス完璧ラップでPP。フェルスタッペン惜しくも3番手”. motorsport.com (2020年10月11日). 2020年10月11日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 ARAMCO GROSSER PREIS DER EIFEL 2020 - QUALIFYING” (2020年10月10日). 2020年10月11日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 ARAMCO GROSSER PREIS DER EIFEL 2020 - STARTING GRID”. The Official F1 Website (2020年10月10日). 2020年10月11日閲覧。
- ^ a b c d “ハミルトン、皇帝に並ぶ史上最多91勝…5台消失の波乱戦で2位にホンダ 3位にリカルド / F1アイフェルGP《決勝》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2020年10月12日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ a b “アルボン、ペナルティの後トラブルでリタイア「悔しい結果。自分のミスも残念」レッドブル・ホンダ【F1第11戦】”. autosport web (2020年10月12日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ “F1 2020 アイフェルGP - レース”. motorsport.com (2020年10月11日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 ARAMCO GROSSER PREIS DER EIFEL 2020 - RACE RESULT”. The Official F1 Website (2020年10月11日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ “DOC 32 - 2020 Eifel Grand Prix - Offence - Car 7 - causing a collision with car 63”. FIA (2020年10月11日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ “DOC 33 - 2020 Eifel Grand Prix - Offence - Car 23 - causing a collision with car 26”. FIA (2020年10月11日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ “2020 Formula One Eifel Grand Prix - Classification - Race”. Motorsport Stats (2020年10月11日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 ARAMCO GROSSER PREIS DER EIFEL 2020 - FASTEST LAPS”. The Official F1 Website (2020年10月11日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ “Lap Chart”. FIA (2020年10月11日). 2020年10月12日閲覧。
- ^ “2020 Formula One Eifel Grand Prix - Driver Standings”. Motorsport Stats (2020年10月11日). 2020年10月11日閲覧。
- ^ “2020 Formula One Eifel Grand Prix - Team Standings”. Motorsport Stats (2020年10月11日). 2020年10月11日閲覧。
前戦 2020年ロシアグランプリ |
FIA F1世界選手権 2020年シーズン |
次戦 2020年ポルトガルグランプリ |
アイフェルグランプリ |