1967年南アフリカグランプリ
レース詳細 | |||
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1967年F1世界選手権全11戦の第1戦 | |||
キャラミ (1967-1985) | |||
日程 | 1967年1月2日 | ||
正式名称 | 1st AA Grand Prix of South Africa | ||
開催地 |
キャラミ 南アフリカ共和国 トランスヴァール州 | ||
コース | 恒久的レース施設 | ||
コース長 | 4.094 km (2.543 mi) | ||
レース距離 | 80周 327.52 km (203.44 mi) | ||
決勝日天候 | 晴(ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | ブラバム-レプコ | ||
タイム | 1:28.3 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | デニス・ハルム | ブラバム-レプコ | |
タイム | 1:29.9 (3[1]周目) | ||
決勝順位 | |||
優勝 | クーパー-マセラティ | ||
2位 | クーパー-クライマックス | ||
3位 | ホンダ |
1967年南アフリカグランプリ (1967 South African Grand Prix、正式名称: 1st AA Grand Prix of South Africa(アフリカーンス語: Eerste AA Suid-Afrikaanse Grand Prix[2])) は、1967年のF1世界選手権の開幕戦として、1967年1月2日にキャラミで開催された。
レースは80周で行われ、クーパーのペドロ・ロドリゲスが予選4番手から優勝、プライベーターのジョン・ラブがクーパーで2位、ホンダのジョン・サーティースが3位となった。
レース概要
[編集]3リッター規定2年目の開幕戦として、ヨハネスブルグ郊外のキャラミで初めてF1世界選手権が開催された。
ドライバーラインナップにいくつかの変更があった。ホンダは活動拠点をイギリスに移してチーム体制を一新。中村良夫監督の下、ジョン・サーティースを迎えて1台体制とした[3]。クーパーはヨッヘン・リントがエースに昇格し、ペドロ・ロドリゲスがスポット起用された[4]。ロータスは長年ライバルとしてチャンピオンを争ったジム・クラークとグラハム・ヒルのジョイントナンバー1体制を敷いた[3]。BRMはジャッキー・スチュワートがエースに昇格し、マイク・スペンスが新たなチームメイトとなった[4]。なお、フェラーリは本レースを欠場した[5]。
デニス・ハルムはスタートでジャック・ブラバムからリードを奪う。ブラバムはすぐにスピンしてサーティースに2位を明け渡すも、21周目に2位へ返り咲いた。サーティースはレース中盤に入ると燃料温度が上昇して加速が鈍りだし[6]、ローデシアのプライベーターのジョン・ラブが古いクライマックスの直列4気筒エンジンを搭載したクーパーで3位に順位を上げた。41周目にブラバムは上位争いから脱落し、続いて44周目にはダン・ガーニーがリタイアした。レースも終盤に入るとオーバーヒートで脱落するマシンが増え[6]、ハルムは59周目にブレーキフルードの補充のためにラブへ首位の座を明け渡し、燃料補給を行うためピットインしなければならなかった。残り7周でクーパーのロドリゲスがラブから首位の座を奪い、F1初勝利を挙げた。クーパーにとってはこれがF1最後の勝利となった。サーティースは右リアタイヤから空気漏れが始まり、ステアリングと格闘しながらタイヤを労って走り抜き、ホンダの新体制初戦で3位表彰台を獲得した。ピットに戻ったサーティースはオイルタンクからの熱で左足が火傷のように腫れ上がり、右リアタイヤはパンク寸前であるだけでなく、トレッドラバーが剥離を起こしてペシャンコの状態になっていた[6]。
エントリーリスト
[編集]チーム | No. | ドライバー | コンストラクター | シャシー | エンジン | タイヤ |
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ブラバム・レーシング・オーガニゼーション | 1 | ジャック・ブラバム | ブラバム | BT20 | レプコ 620 3.0L V8 | G |
2 | デニス・ハルム | |||||
クーパー・カー・カンパニー | 3 | ヨッヘン・リント | クーパー | T81 | マセラティ 9/F1 3.0L V12 | F |
4 | ペドロ・ロドリゲス | |||||
オーウェン・レーシング・オーガニゼーション | 5 | ジャッキー・スチュワート | BRM | P83 | BRM P75 3.0L H16 | G |
6 | マイク・スペンス | |||||
チーム・ロータス | 7 | ジム・クラーク | ロータス | 43 | BRM P75 3.0L H16 | F |
8 | グラハム・ヒル | |||||
アングロ・アメリカン・レーサーズ | 9 | ダン・ガーニー | イーグル | T1F | クライマックス FPF 2.8L L4 | G |
10 | リッチー・ギンサー 1 | T1G | ウェスレイク 58 3.0L V12 | |||
ホンダ・レーシング | 11 | ジョン・サーティース | ホンダ | RA273 | ホンダ RA273E 3.0L V12 | F |
ロブ・ウォーカー/ジャック・ダーラッシャー・レーシングチーム | 12 | ジョー・シフェール | クーパー | T81 | マセラティ 9/F1 3.0L V12 | F |
DWレーシング・エンタープライゼス | 14 | ボブ・アンダーソン | ブラバム | BT11 | クライマックス FPF 2.8L L4 | F |
ヨアキム・ボニエ・レーシングチーム | 15 | ヨアキム・ボニエ | クーパー | T81 | マセラティ 9/F1 3.0L V12 | F |
レグ・パーネル・レーシング | 16 | ピアス・カレッジ | ロータス | 25 | BRM P56 2.0L V8 | F |
ジョン・ラヴ | 17 | ジョン・ラヴ | クーパー | T79 | クライマックス FPF 2.8L L4 | F |
サム・ティングル | 18 | サム・ティングル | LDS | Mk3 | クライマックス FPF 2.8L L4 | F |
スクーデリア・スクリバンテ | 19 | デイヴ・チャールトン | ブラバム | BT11 | クライマックス FPF 2.8L L4 | ? |
ルーキ・ボータ | 20 | ルーキ・ボータ | ブラバム | BT11 | クライマックス FPF 2.8L L4 | ? |
ソース:[7] |
- 追記
結果
[編集]予選
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | タイム | 差 | グリッド |
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1 | 1 | ジャック・ブラバム | ブラバム-レプコ | 1:28.3 | - | 1 |
2 | 2 | デニス・ハルム | ブラバム-レプコ | 1:28.9 | +0.6 | 2 |
3 | 7 | ジム・クラーク | ロータス-BRM | 1:29.0 | +0.7 | 3 |
4 | 4 | ペドロ・ロドリゲス | クーパー-マセラティ | 1:29.1 | +0.8 | 4 |
5 | 17 | ジョン・ラブ | クーパー-クライマックス | 1:29.5 | +1.2 | 5 |
6 | 11 | ジョン・サーティース | ホンダ | 1:29.6 | +1.3 | 6 |
7 | 3 | ヨッヘン・リント | クーパー-マセラティ | 1:30.2 | +1.9 | 7 |
8 | 19 | デイヴ・チャールトン | ブラバム-クライマックス | 1:30.2 | +1.9 | 8 |
9 | 5 | ジャッキー・スチュワート | BRM | 1:30.3 | +2.0 | 9 |
10 | 14 | ボブ・アンダーソン | ブラバム-クライマックス | 1:30.6 | +2.3 | 10 |
11 | 9 | ダン・ガーニー | イーグル-クライマックス | 1:30.7 | +2.4 | 11 |
12 | 15 | ヨアキム・ボニエ | クーパー-マセラティ | 1:31.8 | +3.5 | 12 |
13 | 6 | マイク・スペンス | BRM | 1:32.1 | +3.8 | 13 |
14 | 18 | サム・ティングル | LDS-クライマックス | 1:32.4 | +4.1 | 14 |
15 | 8 | グラハム・ヒル | ロータス-BRM | 1:32.6 | +4.3 | 15 |
16 | 12 | ジョー・シフェール | クーパー-マセラティ | 1:32.8 | +4.5 | 16 |
17 | 20 | ルーキ・ボータ | ブラバム-クライマックス | 1:33.1 | +4.8 | 17 |
18 | 16 | ピアス・カレッジ | ロータス-BRM | 1:33.8 | +5.5 | 18 |
ソース:[9]
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決勝
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | グリッド | ポイント |
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1 | 4 | ペドロ・ロドリゲス | クーパー-マセラティ | 80 | 2:05:45.9 | 4 | 9 |
2 | 17 | ジョン・ラブ | クーパー-クライマックス | 80 | +26.4 | 5 | 6 |
3 | 11 | ジョン・サーティース | ホンダ | 79 | +1 Lap | 6 | 4 |
4 | 2 | デニス・ハルム | ブラバム-レプコ | 78 | +2 Laps | 2 | 3 |
5 | 14 | ボブ・アンダーソン | ブラバム-クライマックス | 78 | +2 Laps | 10 | 2 |
6 | 1 | ジャック・ブラバム | ブラバム-レプコ | 76 | +4 Laps | 1 | 1 |
NC | 19 | デイヴ・チャールトン | ブラバム-クライマックス | 63 | +17 Laps | 8 | |
NC | 20 | ルーキ・ボータ | ブラバム-クライマックス | 60 | +20 Laps | 17 | |
Ret | 18 | サム・ティングル | LDS-クライマックス | 56 | アクシデント | 14 | |
Ret | 16 | ピアス・カレッジ | ロータス-BRM | 51 | 燃料システム | 18 | |
Ret | 9 | ダン・ガーニー | イーグル-クライマックス | 44 | サスペンション | 11 | |
Ret | 12 | ジョー・シフェール | クーパー-マセラティ | 41 | エンジン | 16 | |
Ret | 3 | ヨッヘン・リント | クーパー-マセラティ | 38 | エンジン | 7 | |
Ret | 6 | マイク・スペンス | BRM | 31 | オイル漏れ | 13 | |
Ret | 15 | ヨアキム・ボニエ | クーパー-マセラティ | 30 | エンジン | 12 | |
Ret | 7 | ジム・クラーク | ロータス-BRM | 22 | エンジン | 3 | |
Ret | 8 | グラハム・ヒル | ロータス-BRM | 6 | アクシデント | 15 | |
Ret | 5 | ジャッキー・スチュワート | BRM | 2 | エンジン | 9 | |
ソース:[10]
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- デニス・ハルム - 1:29.9(3周目)
- ラップリーダー[11]
第1戦終了時点のランキング
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- 注: トップ5のみ表示。前半6戦のうちベスト5戦及び後半5戦のうちベスト4戦がカウントされる。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b “South Africa 1967 - Best laps”. STATS F1. 2019年5月29日閲覧。
- ^ “Motor Racing Programme Covers: 1967”. The Programme Covers Project. 6 July 2017閲覧。
- ^ a b (林信次 1995, p. 50)
- ^ a b (林信次 1995, p. 49)
- ^ (アラン・ヘンリー 1989, p. 222)
- ^ a b c (中村良夫 1998, p. 207)
- ^ “South Africa 1967 - Race entrants”. STATS F1. 2019年6月1日閲覧。
- ^ “South Africa 1967 - Result”. STATS F1. 2019年6月1日閲覧。
- ^ “South Africa 1967 - Qualifications”. STATS F1. 2019年5月31日閲覧。
- ^ “1967 South African Grand Prix”. Formula One. 19 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。26 September 2015閲覧。
- ^ “South Africa 1967 - Laps led”. STATS F1. 2019年5月31日閲覧。
- ^ a b “South Africa 1967 - Championship”. STATS F1. 20 March 2019閲覧。
参照文献
[編集]- en:1967 South African Grand Prix(2019年3月20日 16:47:05(UTC))より翻訳
- 林信次『F1全史 1966-1970 [3リッターF1の開幕/ホンダ挑戦期の終わり]』ニューズ出版、1995年。ISBN 4-938495-06-6。
- アラン・ヘンリー『チーム・フェラーリの全て』早川麻百合+島江政弘(訳)、CBS・ソニー出版、1989年12月。ISBN 4-7897-0491-2。
- 中村良夫『F-1グランプリ ホンダF-1と共に 1963-1968 (愛蔵版)』三樹書房、1998年。ISBN 4-89522-233-0。
外部リンク
[編集]FIA F1世界選手権 1967年シーズン |
次戦 1967年モナコグランプリ | |
前回開催 1965年南アフリカグランプリ |
南アフリカグランプリ | 次回開催 1968年南アフリカグランプリ |