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1962年フランスグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フランス 1962年フランスグランプリ
レース詳細
1962年F1世界選手権全9戦の第4戦
ルーアン・レゼサール (1955-1970)
ルーアン・レゼサール (1955-1970)
日程 1962年7月8日
正式名称 XLVIII Grand Prix de l'A.C.F.
開催地 ルーアン・レゼサール
フランスの旗 フランス ルーアン
コース 恒久的レース施設
コース長 6.542 km (4.065 mi)
レース距離 54周 353.268 km (219.511 mi)
決勝日天候 晴 (ドライ)
ポールポジション
ドライバー ロータス-クライマックス
タイム 2:14.8
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM
タイム 2:16.9 (32周目)
決勝順位
優勝 ポルシェ
2位 クーパー-クライマックス
3位 BRM

1962年フランスグランプリ (1962 French Grand Prix) は、1962年のF1世界選手権第4戦として、1962年7月8日ルーアン・レゼサールで開催された。

ポルシェをドライブするダン・ガーニーが初優勝を挙げ、ポルシェにとってはF1における唯一の優勝となった。ルーアンでフランスGPが開催されたのは1957年以来3回目である[1]

レース概要

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ポルシェ・804

フェラーリはイタリアでの労働ストライキの影響で本レースを欠場したため、ドライバーズランキング2位のフィル・ヒルはスタンドで観戦せざるを得なかった[1]。前戦ベルギーGPを欠場したポルシェが復帰した。

レースはグラハム・ヒルがリードし、ポールポジションジム・クラークジョン・サーティースブルース・マクラーレンと2位争いを繰り広げ、ジャック・ブラバムダン・ガーニーが続いた。マクラーレンは4速を失いコースアウトで後退する。ブラバムはリアサスペンションが壊れてリタイアとなった。サーティースはイグニッションの問題で8位に後退した。グラハム・ヒルはクラークに22秒差を付けていたが、30周目にジャッキー・ルイスと接触してクラークが首位に立った。グラハム・ヒルは32周目にファステストラップを記録し、33周目にクラークを抜いて首位を奪い返す。クラークは次の周でフロントサスペンションを壊してリタイアとなり、グラハム・ヒルは再び首位を独走していく。しかし、42周目にインジェクションとスロットルリンケージのトラブルでヘアピンでストップしてしまう[1]。これでガーニーが首位に立って優勝し、ガーニーとポルシェにとってはF1初勝利となった。

ポルシェにとっては唯一の勝利であり、空冷エンジン搭載車においても唯一の勝利となった。ドイツのコンストラクターが勝ったのは1955年イタリアGPでのメルセデスファン・マヌエル・ファンジオ以来7年ぶりで、2008年カナダGPBMWザウバーロバート・クビサが優勝するまで、ドイツのコンストラクターは46年間勝利から遠ざかることになる。クーパークライマックスV8エンジン搭載車に乗るのは2回目のトニー・マグスが2位、序盤に大きく出遅れたリッチー・ギンサーが3位まで追い上げて表彰台を獲得した。サーティースはグラハム・ヒルが脱落した43周目には2位まで順位を戻していたがマシントラブルが立て続けに発生し、最後はマクラーレンにも抜かれて5位に終わった[2][3]

エントリーリスト

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フェラーリはエントリーしていたが欠場したため、カーナンバー2、4、6は使用されなかった。

チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー エンジン
イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC 2 アメリカ合衆国の旗 フィル・ヒル 1 フェラーリ 156 フェラーリ Tipo178 1.5L V6
4 メキシコの旗 リカルド・ロドリゲス 1
6 イタリアの旗 ロレンツォ・バンディーニ 1
イタリアの旗 スクーデリア・レパブリカ・ディ・ヴェネツィア 4 イタリアの旗 ニーノ・ヴァッカレッラ 1 ポルシェ 718 ポルシェ 547/3 1.5L F4
6 イタリアの旗 カルロ・マリア・アバーテ 1 ロータス 18 クライマックス FWMV 1.5L V8
イギリスの旗 オーウェン・レーシング・オーガニゼーション 8 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM P57 BRM P56 1.5L V8
10 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー
イギリスの旗 チーム・ロータス 12 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス 25 クライマックス FWMV 1.5L V8
14 イギリスの旗 トレバー・テイラー
16 イギリスの旗 ピーター・アランデル 2 BRM P56 1.5L V8
イギリスの旗 ヨーマン・クレジット・レーシングチーム 18 イギリスの旗 ジョン・サーティース ローラ Mk4 クライマックス FWMV 1.5L V8
20 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ
イギリスの旗 クーパー・カー・カンパニー 22 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー T60 クライマックス FWMV 1.5L V8
24 南アフリカの旗 トニー・マグス
イギリスの旗 ブラバム・レーシング・オーガニゼーション 26 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ロータス 24 クライマックス FWMV 1.5L V8
イギリスの旗 ロブ・ウォーカー・レーシングチーム 28 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ロータス 24 クライマックス FWMV 1.5L V8
西ドイツの旗 ポルシェ・システム・エンジニアリング 30 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー ポルシェ 804 ポルシェ 753 1.5L F8
32 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ
イギリスの旗 UDT・レイストール・レーシングチーム 34 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー ロータス 24 BRM P56 1.5L V8
36 イギリスの旗 イネス・アイルランド クライマックス FWMV 1.5L V8
オランダの旗 エキュリー・マールスベルゲン 38 オランダの旗 カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 718 ポルシェ 547/3 1.5L F4
スイスの旗 エキュリー・フィリピネッティ 40 スイスの旗 ジョー・シフェール ロータス 24 BRM P56 1.5L V8
イギリスの旗 エキュリー・ギャロワーズ 42 イギリスの旗 ジャッキー・ルイス クーパー T53 クライマックス FPF 1.5L L4
イギリスの旗 アングロ=アメリカン・エキップ 44 イギリスの旗 イアン・バージェス 1 クーパー T59 クライマックス FPF 1.5L L4
ソース:[4]
追記
  • タイヤは全車ダンロップ
  • ^1 - エントリーしたが出場せず
  • ^2 - マシンが準備できず

結果

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予選

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順位 No. ドライバー コンストラクター タイム グリッド
1 12 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス 2:14.8 1
2 8 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM 2:15.0 +0.2 2
3 22 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 2:15.4 +0.6 3
4 26 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ロータス-クライマックス 2:16.1 +1.3 4
5 18 イギリスの旗 ジョン・サーティース ローラ-クライマックス 2:16.3 +1.5 5
6 30 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー ポルシェ 2:16.5 +1.7 6
7 34 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー ロータス-BRM 2:17.3 +2.5 7
8 36 イギリスの旗 イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 2:17.5 +2.7 8
9 32 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ ポルシェ 2:17.9 +3.1 9
10 10 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー BRM 2:18.2 +3.4 10
11 24 南アフリカの旗 トニー・マグス クーパー-クライマックス 2:18.6 +3.8 11
12 14 イギリスの旗 トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 2:19.1 +4.3 12
13 28 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ロータス-クライマックス 2:20.8 +6.0 13
14 20 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ ローラ-クライマックス 2:21.3 +6.5 14
15 40 スイスの旗 ジョー・シフェール ロータス-BRM 2:23.4 +8.6 15
16 42 イギリスの旗 ジャッキー・ルイス クーパー-クライマックス 2:25.5 +10.7 16
17 38 オランダの旗 カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 2:26.5 +11.7 17
ソース:[5]

決勝

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順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 30 アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー ポルシェ 54 2:07:05.5 6 9
2 24 南アフリカの旗 トニー・マグス クーパー-クライマックス 53 +1 Lap 11 6
3 10 アメリカ合衆国の旗 リッチー・ギンサー BRM 52 +2 Laps 10 4
4 22 ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 51 +3 Laps 3 3
5 18 イギリスの旗 ジョン・サーティース ローラ-クライマックス 51 +3 Laps 5 2
6 38 オランダの旗 カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 51 +3 Laps 17 1
7 28 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ロータス-クライマックス 50 +4 Laps 13
8 14 イギリスの旗 トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 48 +6 Laps 12
9 8 イギリスの旗 グラハム・ヒル BRM 44 +10 Laps 2
10 32 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ ポルシェ 43 ギアボックス 9
Ret 12 イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス 34 サスペンション 1
Ret 42 イギリスの旗 ジャッキー・ルイス クーパー-クライマックス 28 アクシデント 16
Ret 20 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ ローラ-クライマックス 21 油圧 14
Ret 34 アメリカ合衆国の旗 マステン・グレゴリー ロータス-BRM 15 オーバーヒート 7
Ret 26 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム ロータス-クライマックス 11 サスペンション 4
Ret 40 スイスの旗 ジョー・シフェール ロータス-BRM 6 クラッチ 15
Ret 36 イギリスの旗 イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 1 パンクチャー 8
ソース:[6]
ラップリーダー[7]

第4戦終了時点のランキング

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  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。

脚注

[編集]
  1. ^ a b c Blunsden, John (September 1962). "Porsche-sensation i Frankrikes G.P." [Porsche Sensation in French G.P.]. Illustrerad Motor Sport (Swedish). No. 9. Lerum, Sweden. p. 15.
  2. ^ Blunsden, p. 16
  3. ^ Blunsden, p. 14
  4. ^ France 1962 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年5月23日閲覧。
  5. ^ France 1962 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年5月23日閲覧。
  6. ^ 1962 French Grand Prix”. formula1.com. 2 December 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。20 September 2015閲覧。
  7. ^ France 1962 - Laps led”. statsf1.com. 2018年5月22日閲覧。

外部リンク

[編集]
前戦
1962年ベルギーグランプリ
FIA F1世界選手権
1962年シーズン
次戦
1962年イギリスグランプリ
前回開催
1961年フランスグランプリ
フランスの旗 フランスグランプリ 次回開催
1963年フランスグランプリ