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酢酸カルシウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酢酸カルシウム
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酢酸カルシウム結晶
識別情報
略称 Ca(OAc)2
CAS登録番号 62-54-4 チェック, 5743-26-0 (monohydrate) チェック
PubChem 6116
ChemSpider 5890 チェック
UNII Y882YXF34X チェック, 7ZA48GIM5H (monohydrate) チェック
EC番号 269-613-0
E番号 E263 (防腐剤)
DrugBank DB00258
KEGG D00931 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL1200800 ×
RTECS番号 AF7525000
バイルシュタイン 3692527
Gmelin参照 22320
特性
化学式 C4H6CaO4
モル質量 158.17 g mol−1
外観 白色の固体
吸湿性
匂い わずかな酢酸臭
密度 1.509 g/cm3
融点

160 °C, 433 K, 320 °F [2](decomposition to CaCO3 + acetone)

への溶解度 37.4 g/100 mL (0 °C)
34.7 g/100 mL (20 °C)
29.7 g/100 mL (100 °C)
溶解度 メタノールにやや溶けにくい、
アセトン、エタノール、ベンゼン、ヒドラジンに溶けない
酸解離定数 pKa ca. 0.7
磁化率 -70.7·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.55
危険性
NFPA 704
1
1
0
発火点 680 - 730 °C (1,256 - 1,346 °F; 953 - 1,003 K)
半数致死量 LD50 4280 mg/kg (経口、ラット)
関連する物質
その他の陽イオン 酢酸マグネシウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酢酸カルシウム(さくさんカルシウム、: calcium acetate)は、酢酸カルシウムCAS登録番号は [5743-26-0]。無水物と一水和物がよく知られるが、無水物は吸湿性が強いため、通常取り扱われるのは一水和物である。一水和物はわずかに吸湿性がある白色の結晶あるいは結晶性粉末で、無臭またはわずかな酢酸臭がある。水に易溶、エタノールに難溶。

製造法

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酢酸カルシウムは、炭酸カルシウム(卵殻、または石灰岩や大理石などの一般的な炭酸塩岩に含まれる)または水酸化カルシウム酢酸を入れると出来る、この性質を利用して木酢液から酢酸を分離する為の中間物質として作られる場合もある。

両方の試薬が先史時代に利用可能だったので結晶は古くから観察されていた。

性質

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水溶液は加水分解して微アルカリ性を示す。[3][4][5]

160℃で分解し、アセトン炭酸カルシウム[4][5][3]になる。

実験室的方法としてこの方法で酢酸カルシウムを乾留することでアセトンが得られる。 また、さらに強熱し続けると生じた炭酸カルシウムが分解し、酸化カルシウム二酸化炭素になる。[4][3][5]

利用

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酢酸カルシウムは国際的に食品添加物として安定剤、増粘剤等に汎用されている。日本厚生労働省2013年に本物質を認可した。[6]

参考文献

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  1. ^ International Union of Pure and Applied Chemistry (2014). Nomenclature of Organic Chemistry: IUPAC Recommendations and Preferred Names 2013. The Royal Society of Chemistry. pp. 801. doi:10.1039/9781849733069. ISBN 978-0-85404-182-4 
  2. ^ Dale L. Perry (May 19, 2011). Handbook of Inorganic Compounds (Second ed.). Taylor & Francis. p. 84. ISBN 978-1-4398-1461-1. https://books.google.com/books?id=SFD30BvPBhoC&pg=PA84 
  3. ^ a b c 『スクエア最新図説化学七訂版』第一学習社、2019.1.10.。 
  4. ^ a b c 『化学事典』旺文社、2010年。 
  5. ^ a b c 『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館、2014年。 
  6. ^ 酢酸カルシウムの食品添加物の指定に関する部会報告書”. 厚生労働省. 2023年3月22日閲覧。