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国道279号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般国道
国道279号標識
国道279号
地図
地図
総延長 172.6 km
実延長 153.5 km
現道 098.5 km
陸上区間 153.6 km
海上区間 019.0 km(津軽海峡
制定年 1970年昭和45年)
起点 北海道函館市
函館駅前交差点(北緯41度46分21.70秒 東経140度43分41.01秒 / 北緯41.7726944度 東経140.7280583度 / 41.7726944; 140.7280583 (函館駅前交差点)
主な
経由都市
青森県むつ市
終点 青森県上北郡野辺地町
松ノ木平交差点(北緯40度50分48.24秒 東経141度7分33.72秒 / 北緯40.8467333度 東経141.1260333度 / 40.8467333; 141.1260333 (松ノ木平交差点)
接続する
主な道路
記法
国道5号標識 国道5号
国道278号標識 国道278号
国道338号標識 国道338号
国道4号標識 国道4号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
上北郡横浜町吹越付近(2015年9月

国道279号(こくどう279ごう)は、北海道函館市から青森県上北郡野辺地町に至る一般国道である。函館市から青森県下北郡大間町海上国道区間になっている。別名はまなすライン(青森県内)、海峡通(函館市内)。

概要

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本道路は北海道本州を結ぶ海上国道・3路線[注釈 1]のうちの1つ[1]。海上区間(函館 - 大間間)はフェリー航路で結ばれ、国道338号とも重複する[1][2]

むつ市 - 上北郡野辺地町間はJR東日本大湊線、また、上北郡野辺地町内では下北半島縦貫道路と並走している。青森県内では下北半島を縦貫するメインルートとなっており、同じ下北半島を走る国道338号にあるような狭路、急なカーブ・アップダウンは少ない。交通量は国道338号三沢 - 平沼間が3.3千台/日、平沼 - むつ市間が1.8千台/日に対し、国道279号(横浜 - むつ市)が5.1千台/日あり、下北半島内の移動は本路線に比重があることが分かる[3]。ただし、当路線は西側に陸奥湾があるため、冬には陸奥湾からの強い西風により猛吹雪になることがある。

本路線のうち、上北郡野辺地町から上北郡横浜町の区間は、国土交通省の日本風景街道『黄花紅(おうかくれない)の東むつ湾ルート』として登録され、道路管理者およびその他組織が「訪れる人を感動させる景観づくりを推進する」としている[4][5]

路線データ

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一般国道の路線を指定する政令[6][注釈 2]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

歴史

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かつては田名部街道と呼ばれ、盛岡藩の巡察路、函館へ渡る経路、また恐山の参詣路として利用された。

1871年明治4年)、当時公事師であった上原和兵衛が、貸金の取り立てのため、東京神田から北海道の函館まで旅行した様子を記した旅行記『陸奥紀行』[8][9]には、「野辺地有戸の出はずれより横浜まで海辺を通り、メノウを拾いながら歩いた」との記述がある。当時は車馬を通す街道と言っても、実際には砂浜の上を歩いていたのであって、実体としての道路は存在しなかったのである。

年表

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路線状況

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函館市末広町にある海上区間の北海道側端点付近(2017年5月)。奥に見えるのは八幡坂。

函館市内は街中を走る路面電車(函館市電)の軌道に沿って道が始まる[2]十字街交差点-旧・東浜町間は明治18年函館大火の復興時の道路改正で作られた区間である[16]。北海道の函館市と本州側の下北半島北端に位置する大間町を結ぶ津軽海峡の海上区間は、津軽海峡フェリーの航路(函館港 - 大間港)で結ばれる[注釈 4]。函館港のフェリー乗り場は、函館市末広町にある海上区間の端点ではなく、国道227号沿いにある同市港町の津軽海峡フェリー函館ターミナルからになる[2]

下北半島周辺の道路網は脆弱と指摘されており、2021年令和3年)8月の大雨による国道279号の通行止めでは4つのルートが迂回路とされたが、いずれも所要時間が2倍以上かかる峠道でそのうち3ルートは冬期閉鎖となるルートである[17]

別名

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  • 海峡通(函館市内)
  • はまなすライン(青森県内)

重複区間

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  • 国道338号(北海道函館市若松町・函館駅前(起点) - 青森県下北郡大間町大間細間)
  • 国道338号(青森県むつ市本町 - 青森県むつ市小川町2丁目・小川町交点)

バイパス

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  • 二枚橋バイパス[18] - むつ市大畑町
  • 大畑バイパス - むつ市関根 - むつ市大畑町八幡湯坂
  • むつバイパス - むつ市金曲 - むつ市田名部槌川目
  • 横浜バイパス - 横浜町内、旧道:青森県道179号泊陸奥横浜停車場線
  • 下北半島縦貫道路
    • 野辺地バイパス - 野辺地町内
    • 有戸バイパス - 野辺地町内
    • 有戸北バイパス - 野辺地町 - 六ヶ所村
    • 吹越バイパス - 六ヶ所村 - 横浜町
    • むつ市南バイパス(暫定開通) - むつ市内

道の駅

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所管

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  • 北海道開発局 函館開発建設部
    • 函館道路事務所
  • 青森県 県土整備部
    • 下北地域県民局地域整備部
    • 上北地域県民局地域整備部

地理

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むつ市金曲付近(2015年9月

通過する自治体

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交差する道路

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現道

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北海道

渡島総合振興局

函館市
(この間海上国道)

青森県

下北郡大間町
  • 国道338号 : 大間細間
  • 国道338号 : 大間奥戸下道
むつ市
上北郡横浜町
上北郡野辺地町

大畑バイパス

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青森県

むつ市

むつバイパス

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  • 国道279号(現道) : 田名部槌川目(起点)
  • 国道338号(大湊バイパス)・下北半島縦貫道路(むつ南バイパス) : 田名部前田
  • 青森県道6号むつ尻屋崎線 : 上川町(上川町交点)
  • 国道338号(現道) : 横迎町2丁目(横迎二交点)
  • 国道279号(現道) : 金曲1丁目(終点)

脚注

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注釈

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  1. ^ 津軽海峡を国道279号・国道280号国道338号の3路線が渡る。
  2. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  3. ^ a b c d e f g h i 2022年3月31日現在
  4. ^ 当初は東日本フェリーが就航していたが、同社の事業不振により航路継承されている。

出典

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  1. ^ a b 浅井建爾 2015, pp. 20–21.
  2. ^ a b c 松波成行 2008, p. 87.
  3. ^ 建設省東北地方建設局青森工事事務所『七十年史』平成元年p.658
  4. ^ 国土交通省 日本風景街道公式ウェブサイト
  5. ^ 黄花紅(おうかくれない)の東むつ湾ルート”. 2014年8月24日閲覧。
  6. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2022年1月24日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月16日閲覧。
  8. ^ 上原和兵衛著 『陸奥紀行』 1980年(昭和55年)3月20日 山崎栄作発行
  9. ^ 広島修道大学「明治期の法と裁判」研究会「「明治初年のある公事師の貸金取立旅日記 : 上原和兵衛『陸奥紀行』(明治四年十月十四日~明治五年五月九日)の紹介」」『修道法学』第26巻第2号、広島修道大学法学会、2004年2月、117-143頁、CRID 1050845762672469376ISSN 03866467NAID 110004533743 
  10. ^ 『大間町史』952頁「大間町年表 大間町および下北・青森地方の史実」1997年(平成9年)3月31日 大間町発行
  11. ^ a b 市のあゆみ (略年表) - むつ市
  12. ^ 東奥日報 2012年2月2日
  13. ^ 国道279号二枚橋バイパス【むつ市大畑町】開通のお知らせ 開通日時:令和2年12月15日(火)15時00分” (PDF). 青森県下北地域県民局地域整備部 (2020年12月10日). 2020年12月15日閲覧。
  14. ^ 国道279号二枚橋バイパスが開通しました”. 青森県下北地域県民局地域整備部 (2020年12月15日). 2021年6月27日閲覧。
  15. ^ 青森 むつ 国道279号線の橋の一部崩れる 大雨影響”. NHK (2021年8月10日). 2021年8月12日閲覧。
  16. ^ 函館市史 通説編第2巻 pp.523-525
  17. ^ 大雨で国道寸断の下北半島、道路網脆弱”. 東奥日報. 2021年9月13日閲覧。
  18. ^ 道路施設課(道路整備)”. 青森県道路施設課 (2008年7月1日). 2018年3月1日閲覧。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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