コンテンツにスキップ

亀山郁夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
亀山 郁夫
(かめやま いくお)
誕生 (1949-02-10) 1949年2月10日(75歳)
日本の旗 日本栃木県宇都宮市
職業 ロシア文学者[1]翻訳家[1]作家
最終学歴 東京外国語大学外国語学部卒業
東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学
ジャンル ロシア文学、ロシア文化
主題 ドストエフスキー[1]マヤコフスキーショスタコーヴィチ
代表作 『破滅のマヤコフスキー』(1998年)
『磔のロシア』(2002年)
『謎とき「悪霊」』(2012年)
主な受賞歴 木村彰一賞(1998年)
大佛次郎賞(2002年)
毎日出版文化賞特別賞(2007年)
プーシキン・メダル(2008年)
読売文学賞研究・翻訳賞(2013年)
テンプレートを表示

亀山 郁夫(かめやま いくお、1949年2月10日 - )は、日本ロシア文学者翻訳家名古屋外国語大学学長[1]東京外国語大学名誉教授日本芸術院会員。

経歴

[編集]
出生から修学期

1949年、栃木県宇都宮市に生まれた。栃木県立宇都宮高等学校を経て[2]東京外国語大学外国語学部ロシア語学科に進学。卒業後は、同大学大学院外国語学研究科に進み、修士課程を修了。東京大学大学院人文科学研究科に進み、博士課程を単位取得退学。

ロシア文学研究者として

1977年、日本学術振興会奨励研究員に採用された。1978年に天理大学外国語学部助手となり、後に講師、助教授に昇格。1984年より1年間、日本学術振興会の派遣でソ連科学アカデミー世界文学研究所で在外研究。1987年、同志社大学法学部助教授に就いた。1990年、東京外国語大学外国語学部助教授に転じ、後に教授昇格。1991年からNHKでテレビ『ロシア語会話』の講師を務めた(2000年まで)。1994年から1995年、国際交流基金の派遣でロシア科学アカデミー世界文学研究所で在外研究。2005年より東京外国語大学附属図書館長。2007年9月、国立大学法人東京外国語大学学長に就いた。2013年3月に東京外国語大学学長を退任し、4月に名古屋外国語大学学長に就いた。

2017年4月1日に日本ドストエフスキー協会を設立し、初代会長に就任[1]。2019年:日本藝術院会員に選出[3]。2021年4月、世田谷文学館第3代館長に就任した。

委員・役員ほか

[編集]

受章

[編集]
  • 1998年:木村彰一賞 を受賞。『破滅のマヤコフスキー』に対して。
  • 2002年:第29回大佛次郎賞を受賞。『磔のロシア スターリンと芸術家たち』に対して。
  • 2007年:毎日出版文化賞特別賞を受賞。ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の翻訳に対して。
  • 2008年:プーシキン・メダル英語版を授与。ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の翻訳に対して。
  • 2013年:2012年度(第64回)読売文学賞研究・翻訳賞を受賞。『謎とき「悪霊」』に対して
  • 2021年:「ドストエフスキーの星」勲章
  • 2024年:第10回日本ロシア文学会大賞を受賞。

研究内容・業績

[編集]

専門はロシア文化・ロシア文学。ソ連時代の芸術や文化、特にドストエフスキーについて論評・訳書を多く著している。

NHKテレビ『ロシア語会話』ほかへの出演

「ロシア語会話」講師退任後も、ハイビジョンスペシャル「知られざるロシア・アバンギャルドの遺産」、ハイビジョン特集「ロシア芸術 自由への道標」、『視点・論点』「ドストエフスキーと現代」、ETV特集「21世紀のドストエフスキー~テロの時代を読み解く~」「ロシア・歴史は繰り返すのか~亀山郁夫“帝国”を読み解く~」、NHK・Eテレ 100分de名著「罪と罰」「ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟」、知るを楽しむ この人この世界「亀山郁夫 悲劇のロシア」、ザ・プロファイラー「~夢と野望の人生~2000万人を死に追いやった男 スターリン」、NHKラジオ カルチャーアワー 文学の世界 「新訳“カラマーゾフの兄弟”を読む」、NHKカルチャーラジオ「ドストエフスキー 現代へのメッセージ」等に番組出演。

著書

[編集]

単著

[編集]

放送テキスト

[編集]
  • 『NHKスタンダード40 ロシア語』日本放送出版協会 2000
    • 普及版CDブック 2008年
  • 『悲劇のロシア』日本放送出版協会(NHK「知るを楽しむ」) 2008[注釈 1]
  • 『新訳「カラマーゾフの兄弟」-「父殺し」の深層 「NHKカルチャーアワー」』(日本放送出版協会) 2008[注釈 2]
  • 『NHK「100分de名著」 罪と罰 ドストエフスキー』NHK出版 2013[注釈 3]
  • 『NHK「100分de名著」 カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー』NHK出版 2019、再版 2021
  • 『別冊NHK「100分de名著」 集中講義ドストエフスキー 五大長編を解読する』NHK出版 2021

編著、共著、共編

[編集]
寄稿「万葉集とわたし」
  • 『ドストエフスキー:表象とカタストロフィ』望月哲男ほか共編、名古屋外国語大学出版会 2021
  • 『総特集ドストエフスキー 生誕二〇〇年』(現代思想 2021年12月臨時増刊号) 責任編集、望月哲男ほか著、青土社 2021
  • 『愛、もしくは別れの夜に』エリス俊子共編、名古屋外国語大学出版会(Artes MUNDI叢書) 2023[8]

訳書

[編集]

外部リンク

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ NHK教育テレビテキスト、2月-3月の月曜日「この人この世界」を担当。
  2. ^ NHKラジオテキスト、10月-12月の木曜日「文学の世界」を担当。
  3. ^ 各・教育テレビテキスト、12月を担当。なお2011年度より日本放送出版協会→NHK出版に社名変更。

出典

[編集]
  1. 2019/11/30下野新聞
  1. ^ a b c d e f g 森若奈 (2017年5月20日). “日本ドストエフスキー協会 名外大学長ら立ち上げ”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 県内版 18 
  2. ^ ぐるっと東日本・母校をたずねる:栃木県立宇都宮高/2 名古屋外国語大学長 亀山郁夫さん”. 毎日新聞. 2023年6月16日閲覧。
  3. ^ 会員候補者略歴・賞歴等
  4. ^ 本書は留学体験記。
  5. ^ 文庫版は巻末に人物の紹介+人名索引が付されている。
  6. ^ 自伝エッセイ
  7. ^ 「謎」の先に見える人生 『新カラマーゾフの兄弟』ロシア文学者・亀山郁夫さん(66)”. 東京新聞. 2022年10月9日閲覧。
  8. ^ 訳詩集
  9. ^ マリインスキー劇場復興の物語
  10. ^ 最終巻はエピローグと作品論・解説