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トヨタ・1GZ-FE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1GZ-FE

トヨタ・1GZ-FEは、トヨタ自動車1997年平成9年)から2017年(平成29年)まで製造していたV型12気筒DOHCガソリンエンジンである。 日本における乗用車用エンジンとして、唯一V型12気筒レイアウトを持つエンジンである。

概要

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排気量は5,000 ccである。最高出力は発売当時馬力に関するメーカー自主規制があったため、280馬力となっている。基本構造はトヨタ自動車で長い実績のある既存の直列6気筒エンジンをベースにしている。片バンクの6気筒にトラブルが生じても、残りの6気筒が機能して走行できるようになっている。ブレーキを含むその他の走行機器の多くにバックアップのための2重系統化が施されている。また、エンジンの組み立ては熟練工が一人で1機のエンジンを組み立てたのちに、全数抜き取りで検査を行い、合格しなければ出荷が不可能であった。[1]

センチュリーが2018年の2代目から3代目へのフルモデルチェンジに伴いV8の2UR-FSEを使用したハイブリッド仕様に変更され、派生車で御料車専用のGZG51型センチュリーロイヤルのみの採用となっていたが、2019年から御料車のベース車も3代目に変更となり、同年で本エンジンを採用する車種が消滅した。

また、全日本GT選手権を戦っていたスープラのエンジンの変更を検討した際当機の使用も検討され、机上でシミュレーションを行ったが、セルシオソアラに使用されていた3UZ-FEベースの方が有利と判断したことから採用されずに終わった。[2]

圧縮天然ガス (CNG) 仕様は1GZ-FNE型で、最高出力と最大トルクがやや低下している。2003年(平成15年)に登場したが、2005年(平成17年)にカタログから姿を消している。

バリエーション

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1GZ-FE

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  • タイプ:V型12気筒 DOHC 48バルブ VVT-i
  • 排気量:4.996 L
  • 内径×行程(mm):81.0×80.8
  • 圧縮比:10.5
  • 出力:206 kW(280 ps)/5,200 rpm 481 Nm(49.0 kgm)/4,000 rpm (1997年 - 2005年)
  • 出力:206 kW(280 ps)/5,200 rpm 460 Nm(46.9 kgm)/4,000 rpm (2005年 - )

1GZ-FNE

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  • タイプ:V型12気筒 DOHC 48バルブ VVT-i(CNG仕様)
  • 排気量:4.996 L
  • 内径×行程(mm):81.0×80.8
  • 圧縮比:10.5
  • 出力:190 kW(258 ps)/5,200 rpm 405 Nm(41.3 kgm)/4,000 rpm

脚注

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  1. ^ 福野礼一郎『超 車はかくして作られる』二玄社。 
  2. ^ 『Racing on No.494 レーシングスープラ』三栄。 

関連項目

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