コンテンツにスキップ

ザ・ベスト・バンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ザ・ベスト・バンド』
フランク・ザッパライブ・アルバム
リリース
録音 1988年2月 - 6月
ジャンル ハードロックプログレッシブ・ロックジャズ・ロック、実験音楽
時間
レーベル バーキング・パンプキン・レコード
プロデュース フランク・ザッパ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 30位(スイス[1]
  • 64位(オランダ[2]
  • フランク・ザッパ アルバム 年表
    オン・ステージ Vol.3
    (1989年)
    ザ・ベスト・バンド
    (1991年)
    メイク・ア・ジャズ・ノイズ
    (1991年)
    テンプレートを表示

    ザ・ベスト・バンド』(原題:The Best Band You Never Heard in Your Life)は、フランク・ザッパ1991年に発表したライブ・アルバム。ザッパは1988年2月から6月にかけてアメリカ東部とヨーロッパでツアーを行い[3]、その時のライブ音源が収録されている。

    内容

    [編集]

    本作に先行してリリースされた『ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ』(1988年)や次作『メイク・ア・ジャズ・ノイズ』(1991年)と共に、1988年のツアーのライブ音源を収録した作品で、本作は主にザッパの古い曲を中心とした内容である[4]。また、カントリーロッククラシック音楽、テレビや映画のテーマ曲のカヴァーも含まれており、レッド・ツェッペリンのカヴァー「天国への階段」はレゲエにアレンジされている[4]

    本作は28曲入りの2枚組CDとして発売されたが、一部のヴァージョンは「ボレロ」が外されて27曲入りとなった。例として1992年にMSIから発売された日本盤CD(MSI-80052/80053)[5]、1995年のヨーロッパ盤再発CD(RCD 10653/54)が挙げられる[6]

    ジャケット

    [編集]

    アメリカやヨーロッパで発売された初回盤CDのジャケットには、バンドのステージ写真が使われていたが、撮影者の許諾が得られないまま使用されていたため、後にステージ写真のあった部分を黒くしたデザインに変更された[7]。2012年のリマスターCDにも、この黒く塗られたジャケットが使用されている[8]。また、カル・シェンケルによるイラスト(「フランク・ザッパ」の当て字で「不乱苦雑派」と書かれている)が使用されたヴァージョンもあり[6]、日本盤は1992年盤(MSI-80052/80053)、1995年盤(VACK 5228/9)ともにシェンケルの描いたジャケットが使用された。

    評価

    [編集]

    François Coutureはオールミュージックにおいて「この時のバンドはとても有能でプロフェッショナルであり、選曲はザッパのキャリアの全範囲にわたっている。簡単に言えば、これはザッパのライブ・アルバムの中でも特に優れた作品の一つである」と評している[4]。また、和久井光司はザッパの後期の最高傑作として本作を挙げている[9]

    収録曲

    [編集]

    特記なき楽曲はフランク・ザッパ作。

    ディスク1

    [編集]
    1. ヘヴィー・デューティー・ジュディー ("Heavy Duty Judy ") - 6:04
    2. リング・オブ・ファイア ("Ring of Fire") (Merle Kilgore, June Carter) - 2:01
      • 公演地:ヴュルツブルク
    3. コズミック・デブリス ("Cosmik Debris") - 4:33
      • 公演地:ヴュルツブルク
    4. ファインド・ハー・ファイナー ("Find Her Finer") - 2:42
    5. フー・ニーズ・ザ・ピース・コープス? ("Who Needs the Peace Corps?") - 2:40
      • 公演地:ミュンヘン、ヴュルツブルク
    6. 想い出のサンフランシスコ ("I Left My Heart in San Francisco ") (George C. Cory, Jr., Douglas Cross) - 0:37
      • 公演地:ヴュルツブルク
    7. ゾンビー・ウーフ ("Zomby Woof ") - 5:42
    8. ボレロ ("Bolero") (Maurice Ravel) - 5:19
      • 公演地:ロッテルダム
    9. ズート・アリュアーズ ("Zoot Allures") - 7:07
    10. ミスター・グリーン・ジーンズ ("Mr. Green Genes") - 3:41
    11. フロレンティン・ポーゲン ("Florentine Pogen") - 7:11
    12. アンディ ("Andy") - 5:52
      • 公演地:ペンシルベニア州アレンタウン、ニューヨーク州ビンガムトン
    13. インカ・ローズ ("Inca Roads") - 8:19
    14. ソファ#1 ("Sofa #1") - 2:50
      • 公演地:ミュンヘン

    ディスク2

    [編集]
    1. 紫の煙 ("Purple Haze") (Jimi Hendrix) - 2:27
      • 公演地:リンツ(サウンドチェック)
    2. サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ ("Sunshine of Your Love") (Pete Brown, Jack Bruce, Eric Clapton) - 2:31
      • 公演地:リンツ(サウンドチェック)
    3. レッツ・ムーヴ・トゥー・クリーヴランド ("Let's Move to Cleveland") - 5:52
    4. ウェン・アイリッシュ・アイズ・アー・スマイリング ("When Irish Eyes Are Smiling") - 0:46
      • 公演地:ニューヨーク州ビンガムトン
    5. "ゴッド・ファーザーパートII"のテーマ ("Godfather Part II" Theme") (Nino Rota) - 0:30
      • 公演地:ニューヨーク州ビンガムトン
    6. ア・フュー・モーメンツ・ウィズ・ブラザーA.ウエスト ("A Few Moments with Brother A. West") (Brother A. West, Frank Zappa) - 4:01
    7. 拷問は果てしなく パート1 ("The Torture Never Stops Part One") - 5:20
    8. "ボナンザ"のテーマ ("Theme from "Bonanza"") (Ray Evans, Jay Livingston) - 0:29
      • 公演地:ロンドン
    9. ロンサム・カウボーイ・バート ("Lonesome Cowboy Burt") - 4:55
    10. 拷問は果てしなく パート2 ("The Torture Never Stops Part Two") - 10:47
    11. モア・トラブル・エヴリィ・デイ ("More Trouble Every Day") - 5:29
    12. ペンギン・イン・ボンディッジ ("Penguin in Bondage") - 5:05
      • ニューヨーク州ポキプシー
    13. エリック・ドルフィー・メモリアル・バーベキュー ("The Eric Dolphy Memorial Barbecue") - 9:19
    14. 天国への階段 ("Stairway to Heaven") (Jimmy Page, Robert Plant) - 9:20

    参加ミュージシャン

    [編集]

    脚注

    [編集]