Pentium Dual-Core
Pentium Dual-Core E2140 | |
生産時期 | 2007年1月から |
---|---|
生産者 | インテル |
プロセスルール | 65nm から 45nm |
アーキテクチャ | x86 |
マイクロアーキテクチャ |
Pentium M Core |
命令セット | IA-32, Intel 64 |
コア数 |
1から2 (スレッド数:1から2) |
ソケット | LGA775 |
コードネーム |
Yonah Merom Allendale Penryn Wolfdale |
前世代プロセッサ |
Pentium 4 Pentium M |
次世代プロセッサ | Pentium (2010) |
Pentium Dual-Core(ペンティアム・デュアルコア)は、インテルが2007年6月に発表した、x86アーキテクチャのマイクロプロセッサである。
概要
[編集]PentiumブランドでCoreマイクロアーキテクチャを採用した最初の製品となる。
Coreマイクロアーキテクチャとそれを採用した製品Intel Core 2の発表に併せ、Intelは全社的な改編を行い、それまでのIntelのイメージリーダーであったPentiumブランドの廃止も発表した。しかし、日本においてはCore 2ブランドへの移行が成功したものの、日本以外の地域ではPentiumブランドの人気が根強かったことから、Core 2ブランドの下位製品としてPentiumブランドを位置づけることで移行を促す計画に変更、Intelは関係各社にPentiumブランドの存続を打診し、当シリーズの発表に至った[1]。
略称としてPentium DCと呼ばれることがあり、同じくPentiumブランドのデュアルコア製品であるPentium Dと混同されることがある。Pentium DはNetBurstマイクロアーキテクチャを採用した製品であり、Coreマイクロアーキテクチャを採用したPentium Dual-Coreとは別物である。また、Coreマイクロアーキテクチャを採用したCore 2ブランドの下位製品がPentiumブランドで発売されると公表された際、当製品群のプロセッサナンバーのパワークラスが"E"と予告されていたことから便宜的にPentium Eとも呼ばれ[2]、現在でも使用されることがある。
当初はデスクトップ向けのパワークラスEの製品のみだったが、モバイル向けのパワークラスTの製品も発売された。
2010年1月8日に発表・発売されたWestmereマイクロアーキテクチャ(32nmプロセス)の Pentium G6950 に合わせ、従来の E/T シリーズから Dual-Core の表記が外れ、商品群としては単に「Pentium」となった。
特徴
[編集]Pentium Dual-CoreはCore 2 Duoの廉価版であるため、基本的な機能は同等だが、L2キャッシュの容量が抑えられているほか、仮想化支援などハイエンドのCore 2 Duoが持っているストリーミングSIMD拡張命令はラインナップの大部分において無効化されていた[3]。しかし、E6300以降のプロセッサでは仮想化支援機能であるIntel VTが有効になった。
また、同じマイクロアーキテクチャのデュアルコアで、下位製品に当たるCeleron Dual-Coreとも、L2キャッシュ容量により差別化が行われている。デスクトップ向けCeleron Dual-Core E1000系のL2キャッシュ容量は、Pentium Dual-Core E2000系の半分の512KBとなっており、モバイル向けCeleron Dual-Coreは、省電力機能であるEISTが無効化されている。
以前のPentiumブランドは、コンシューマ向けのハイエンドからメインストリームまでをカバーしていたが、現在ではCoreブランドがその地位にあり、Coreブランドより下、ローエンドのCeleronブランドより上という位置付けがなされている[4]。
デスクトップ向けラインナップ
[編集]- Allendale
65nmプロセス・ルールで製造される、第一世代Pentium Dual-Core。Core 2 Duo E4000系のL2キャッシュ容量を半分の1MBに抑えたものに相当する。
- 対応ソケット: LGA775
型番 | CPU | TDP (W) |
FSB (MHz) | ||
---|---|---|---|---|---|
コア数 (スレッド数) |
クロック (GHz) |
L2キャッシュ (MB) | |||
E2220 | 2 (2) | 2.4 | 1 | 65 | 800 |
E2200 | 2.2 | ||||
E2180 | 2.0 | ||||
E2160 | 1.8 | ||||
E2140 | 1.6 |
- Wolfdale
45nmプロセス・ルールで製造される第二世代Pentium Dual-Core。L2キャッシュ容量がE2000系の2倍の2MBになっている。45nm世代のCore 2 Duoと同じWolfdaleコアだが、SSE4命令セットはサポートされていない。なお、E5300とE5400の一部とE5500以上の全てのプロセッサでは仮想化支援機能であるIntel VTが有効になっている。
- 対応ソケット: LGA775
型番 | CPU | TDP (W) |
FSB (MHz) | ||
---|---|---|---|---|---|
コア数 (スレッド数) |
クロック (GHz) |
L2キャッシュ (MB) | |||
E6800 | 2 (2) | 3.33 | 2 | 65 | 1066 |
E6700 | 3.2 | ||||
E6600 | 3.06 | ||||
E6500K | 2.93 | ||||
E6500 | |||||
E6300 | 2.8 | ||||
E5800 | 3.2 | 800 | |||
E5700 | 3.0 | ||||
E5500 | 2.8 | ||||
E5400 | 2.7 | ||||
E5300 | 2.6 | ||||
E5200 | 2.5 | ||||
E2210 | 2.2 | 1 |
モバイル向けラインナップ
[編集]製品名はPentium Dual-Core Mobile Processor。コアクロックは、省電力モードでは800MHzで動作する。
- Yonah
- プロセスルール: 65 nm
- プロセシング・ダイ・サイズ: 90 mm2
- トランジスタ数: 1億5100万個
- MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, XD bit
- 拡張版 Intel SpeedStep テクノロジー
- ソケット: Socket M
型番 | CPU | TDP (W) |
FSB (MHz) | ||
---|---|---|---|---|---|
コア数 (スレッド数) |
クロック (GHz) |
L2キャッシュ (MB) | |||
T2130 | 2 (2) | 1.86 | 1 | 31 | 533 |
T2080 | 1.73 | ||||
T2060 | 1.6 |
トランジスタ数とダイサイズが増大し、TDPが若干上がっている。ソケットも変更された。製品名からDual-Core が外れ、「Intel Pentium」となった。
- Merom
- プロセスルール: 65 nm
- プロセシング・ダイ・サイズ: 143 mm2
- トランジスタ数: 2億9100万個
- MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, Intel 64, XD bit
- ソケット: Socket P(PPGA 478)
型番 | CPU | TDP (W) |
FSB (MHz) | ||
---|---|---|---|---|---|
コア数 (スレッド数) |
クロック (GHz) |
L2キャッシュ (MB) | |||
T3400 | 2 (2) | 2.16 | 1 | 35 | 667 |
T3200 | 2.0 | ||||
T2410 | 533 | ||||
T2390 | 1.86 | ||||
T2370 | 1.73 | ||||
T2330 | 1.6 | ||||
T2310 | 1.46 |
- Penryn
リソグラフィは45nm、FSBは800 MHzになった。この世代まではインテル トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー (Intel TXT) に対応していない。
- プロセスルール: 45 nm
- プロセシング・ダイ・サイズ: 107 mm2
- トランジスタ数: 4億1000万個
- MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, Intel 64, XD bit
- ソケット: Socket P(µFC-BGA 956 はオンボード)
型番 | CPU | TDP (W) |
FSB (MHz) | ||
---|---|---|---|---|---|
コア数 (スレッド数) |
クロック (GHz) |
L2キャッシュ (MB) | |||
T4500 | 2 (2) | 2.3 | 1 | 35 | 800 |
T4400 | 2.2 | ||||
T4300 | 2.1 | ||||
T4200 | 2.0 | ||||
SU4100 | 1.3 | 2 | 10 |
型番 | CPU | TDP (W) |
FSB (MHz) | ||
---|---|---|---|---|---|
コア数 (スレッド数) |
クロック (GHz) |
L2キャッシュ (MB) | |||
SU2700 | 1 (1) | 1.3 | 2 | 10 | 800 |
脚注
[編集]- ^ “CPU比較 | Intel Pentium Dual-Core”. cpu.pc-users.net. 2024年5月15日閲覧。
- ^ “インテル“Pentium”ブランド復活!E2140/E2160と新型Celeronの販売がスタート!”. 2025年1月1日閲覧。
- ^ “新型Pentium、中身はCore 2 Duo”. 2025年1月1日閲覧。
- ^ “Pentium 20年の系譜 価格性能比を重視したPentium Dual-Core”. 2025年1月1日閲覧。