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Intel Core 2

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Intel Core 2 Duoから転送)
Core 2
Core 2 Duo E6300
生産時期 2006年7月から
生産者 インテル
プロセスルール 65nm から 45nm
アーキテクチャ x86
マイクロアーキテクチャ Core
命令セット Intel 64
コア数 1から4
(スレッド数:1から4)
ソケット LGA771
LGA775
コードネーム Merom
Allendale
Conroe
Kentsfield
Penryn
Wolfdale
Yorkfield
前世代プロセッサ Core
次世代プロセッサ Core i7
Core i5
Core i3
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Intel Core 2(インテル コア ツー)は、インテルが製造するx86_64互換のマイクロプロセッサ。2006年7月27日に発表された。製品の位置づけは、インテル Core プロセッサー・ファミリーに属する。

概要

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元々はモバイル向けとして開発され、そこからデスクトップワークステーションサーバ向けの製品が派生的に開発されている。そのため、Coreマイクロアーキテクチャ内での世代を表す開発コードネームは、モバイル向けの標準ダイのものが用いられる。しかしそれぞれの用途向けであっても内容的にはほぼ同じであり、先行して開発が進んでいたモバイル向けにそれぞれの用途向けの機能が追加されていったり、組み込まれた機能を無効化することでそれぞれの用途向けに作り分けられている。

同世代の下位製品には、Pentium Dual-CoreCeleronCeleron Mが、サーバー向けにはXeonがある。

ブランド

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コア数や機能に応じて4種類のブランドが存在する。

Core 2 Extreme
ハイエンドデスクトップ/ワークステーション向けCPU「Pentium Extreme Editionシリーズ」の後継製品。コアユーザー、ゲーマー向けのハイパフォーマンスCPUとして発表された。Extremeは、その他の製品と違い内部コアクロックの倍率が固定されておらず、変更が可能となっている。
2007年Q3以降、モバイル向けにもCore 2 Extremeがラインナップされる。モバイル向けとしては消費電力は高いが、さらにオーバークロックやNVIDIA SLIとの組み合わせを前提としている。
Core 2 Quad
Core 2 Duoの上位製品。2つのCore 2 Duoコアを一つのパッケージに収めて高性能化を図った[1]。合計4つのコアを利用するので、4を意味する「Quad」のブランド名になっている。
Core 2 Duo
デュアルコア・プロセッサであり、CoreにおけるCore DuoまたはNetBurstにおけるPentium Dに相当し、加えてPentium 4を置き換える位置付けの製品である。
Core 2 Solo
モバイル向けにのみ存在するシングルコア・プロセッサである。Core Soloとは異なり、超低電圧版のみが展開された。

デスクトップ向けラインナップ

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個々の製品は概ね、コアの数、キャッシュの容量、FSBの速度、そして消費電力で差別化が行われている。これら差別化を反映して、熱設計電力 (TDP) に製品差異が生まれた。

Core 世代

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Kentsfield XE

2006年11月14日に発表されたCore 2 Extremeの新製品。2個のConroeの半導体ダイを1個のパッケージに封入したMulti-Chip Module (MCM)方式のクアッドコアプロセッサ。複数のダイを一つにパッケージングするMulti Chip Package(MCP)は、開発期間短縮と歩留まりの向上に効果がある。しかしダイ間の通信はFSBを介して行うので、ダイ間の通信速度は同ダイ上のコア間より遅くなってしまう。また同ダイおよび別ダイでコア同士の関係が同一ではないので、状況により処理能力に違いが発生する場合がある。この問題はWindows 2000までのWindowsで顕著であった。Windows XPにおいてHyper-Threading Technologyのサポートが行われた際に、この不均質な関係を持つCPUのサポートが追加され、System BIOSから各CPUの情報を得てタスク割り当ての参考とするようになった。これにより処理内容によっては処理効率が大きく向上した。

Kentsfield XE
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Extreme
QX6850 4 (4) 3.0 8 130 1333
QX6800 2.93 1066
QX6700 2.66
Kentsfield

2007年1月9日に発表された。プロセッサ・ナンバにはクアッドコアを示すQが付くだけで、消費電力を表すアルファベット(Power Class)は付かない。

2008年2月AMDの新製品Phenomに対抗するために、インテルは恒例とも言えるディスカウント攻勢にQ6600を起用した。日本での市価は高クロックのデュアルコア製品よりも低めに設定され、あわせてIntel2 チップセットマザーボードに対するリベートを加えることでQ6600を2万円前後で入手できるようにした結果、日本の自作パソコンユーザーにクアッドコアブームが起こった。

Kentsfield
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Quad
Q6700 4 (4) 2.66 8 105 1066
Q6600 2.4
Q6400 2.13
Conroe XE

Intel Core 2 Extremeの第一世代の製品。Core 2の最上位製品であるが、Core 2 Duoとの差はほとんどない。相違点は動作周波数が1段上回り、コアの動作クロックの倍率が固定されていない点のみである。行き詰まっていたPentium Extreme EditionPentium Dの速やかな更新が必要で、Core 2 Duoと差別化をする余裕がなかったためと考えられる。

Conroe XE
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Extreme
X6900 2 (2) 3.2 4 75 1066
X6800 2.93
Conroe

第一世代のデスクトップパソコン向けCore 2 Duoの開発コードネーム。概ね2次キャッシュが4MBのものをConroe、2次キャッシュが2MBのものをAllendaleとしている。厳密には、E6400, E6300は物理的に4MBの2次キャッシュが搭載されている内の2MBが無効にされており、コアが同じであるため資料に4MB同様Conroeと表記されている。Allendaleは、E4300など2次キャッシュを元来2MBしか作り込んでいないコアの開発コードネームである。

消費電力や発熱で行き詰っていたPentium 4Pentium Dを置き換える製品。絶対性能でPentium Dを超え、かつ消費電力もより低くなっているため、消費電力あたりの性能は非常に高い。しかし動作温度の上限値であるTcaseがやや低下しており、性能をフルに発揮させるためにはそれなりに冷却に気を遣う必要がある。Pentium 4やPentium Dなどと同じくLGA775ソケットを採用するものの、その高度な省電力機能の代償としてマザーボード上のVRD部がVRD11.0以降に規格準拠している必要がある。そのため、Pentium 4やPentium D向けに製造されていた当初の945チップセットなどを使用したLGA775ソケットマザーボードではCore 2 Duo は動作しない。マザーボードベンダーは、再設計により945チップセットのマザーボードをCore 2 Duoに対応させた。

Conroe
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Duo
E6850 2 (2) 3.0 4 65 1333
E6750 2.66
E6550 2.33
E6540
E6700 2.66 1066
E6600 2.4
E6420 2.13
E6320 1.86
E6400 2.13 2
E6300 1.86
Conroe-CL(サーバー向け)
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Duo
E6405 2 (2) 2.13 2 65 1066
E6305 1.86
Allendale
Allendale
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Duo
E4700 2 (2) 2.6 2 65 800
E4600 2.4
E4500 2.2
E4400 2.0
E4300 1.8
Yorkfield XE

第二世代(最終世代)であるPenrynファミリーで最初に発表された製品の一つ。2007年11月11日に発表された。この時点ではQX9650のみ。デュアルコアの2個ダイをKentsfield XEと同じくMCM実装している。プロセッサー・ナンバーはQX9000番台で、QX6000シリーズの上位モデル。

Yorkfield XE
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Extreme
QX9770 4 (4) 3.2 12 136 1600
QX9750 3.16 130 1333
QX9650 3.0
Yorkfield XE(サーバー向け)
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Extreme
QX9775 4 (4) 3.2 12 150 1600
Yorkfield

45nmプロセスで製造される第二世代(最終世代)のCore 2 Quad。

下表においてプロセッサー・ナンバー末尾にsがついたものは省電力版 (TDP65W) である。当初はセットメーカーへのみ出荷されていたが、2009年2月にリテール品も発売された[2]

Yorkfield
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Quad
Q9650 4 (4) 3.0 12 95 1333
Q9550 2.83
Q9550S 65
Q9450 2.66 95
Q9505 2.83 6
Q9500
Q9505S 65
Q9400 2.66 95
Q9400S 65
Q9300 2.5 95
Q8400 2.66 4
Q8400S 65
Q8300 2.5 95
Q8200 2.33
Q8200S 65
Wolfdale

45nmプロセスで製造される第二世代(最終世代)のCore 2 Duo。TDPはConroeと変わらず65Wであるが、2次キャッシュの増量 (4MB → 6MB) が行われ、最高クロックも更新されている。E8000シリーズ/E7000シリーズには、SSE4.1が実装されている。チップセットはConroe (FSB 1333MHz) と同じくIntel 3 Seriesと一部のP965 Expressが対応している。初期の製品にはコアの温度計測を正常に行なえないものが含まれている。

E7000シリーズは、E4000シリーズの後継で2次キャッシュは3MB。

Wolfdale
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Duo
E8700 2 (2) 3.5 6 65 1333
E8600 3.33
E8500 3.16
E8400 3.0
E8300 2.83
E8290
E8200 2.66
E8190
E7600 3.06 3 1066
E7500 2.93
E7400 2.8
E7300 2.66
E7200 2.53

モバイル向けラインナップ

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Core 世代

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Merom XE

最初のモバイル向けCore 2 Extreme。

Merom XE
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Extreme
X7900 2 (2) 2.8 4 44 800
X7800 2.6
Merom

2006年8月29日に発売されたモバイル向けCore 2 Duoの第一世代の製品である。Conroeよりさらに消費電力を引き下げるために厳密な電源管理機能を必要とするものの大きく分けて3つの機能を搭載しており、TDPを引き下げている。

FSB 533 MHz と 667 MHz の製品は前世代のモバイルプロセッサであるIntel Coreと同じSocket M (Socket 479M) を引き続き採用しており、BIOSがCPUに対応していれば、基本的にはそのまま載せ替えて動作させることが可能である。組み込み向けの一部、低電圧版、超低電圧版は、端子がはんだボールの µFC-BGA 479 パッケージとなる。Centrinoブランドの第3世代にあたり、プラットフォームコードネームは「Napa64」「Napa Refresh」である。

2007年から出荷された、チップセット「Crestline(クレストライン)」、無線LAN「Kedron(ケドロン)」と共に第4世代プラットフォーム「Santa Rosa」を構成するFSB800MHz版では、新たにSocket Pを採用している。超低電圧版は、端子がはんだでマザーボードに直接貼り付ける、 µFC-BGA 956 パッケージとなる。

消費電力が大きいPentium 4Pentium Dを置き換えることで大幅な省電力化に成功したデスクトップ向けと異なり、モバイル向けでは消費電力が前世代のCore Duoを上回っている(より消費電力の低減が求められる製品はCore Soloがベースとなっている)。

Merom
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック (GHz) L2キャッシュ
(MB)
定格 ターボ
Core 2
Duo
T7800 2 (2) 2.6 2.8 4 35 800
T7700 2.4 2.6
T7500 2.2 2.4
T7300 2.0 2.2
T7250 2
T7100 1.8 2.0
T7600 2.33 4 34 667
T7400 2.16
T7200 2.0
T5900 2.2 2 35 800
T5870 2.0
T5800
T5670 1.8
T5470 1.6
T5270 1.4
T5850 2.16 667
T5750 2.0
T5550 1.83
T5450 1.66
T5250 1.5
T5600 1.83 34
T5500 1.66
T5300 1.73 533
T5200 1.6
L7700 1.8 2.0 4 17 800
L7500 1.6 1.8
L7300 1.4 1.6
L7400 1.5 667
L7200 1.33
SL7100 1.2 12 800
U7700 1.33 1.46 2 10 533
U7600 1.2 1.33
U7500 1.06 1.2
Merom-L

シングルコアのCore 2。

Merom-L
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Solo
U2200 1 (1) 1.2 1 5.5 533
U2100 1.06
Penryn XE

45nmプロセスで製造されるモバイル向けのCore 2 Extreme。

Penryn-QC XE
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック (GHz) L2キャッシュ
(MB)
定格 ターボ
Core 2
Extreme
QX9300 4 (4) 2.53 2.8 12 45 1066
Penryn XE
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Extreme
X9100 2 (2) 3.06 6 44 1066
X9000 2.8 800
Penryn-QC

モバイル向けのCore 2 QuadはPenryn世代(最終世代)から発売された。Q9000は2008年12月28日発売である。

Penryn-QC
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック (GHz) L2キャッシュ
(MB)
定格 ターボ
Core 2
Quad
Q9100 4 (4) 2.26 2.53 12 45 1066
Q9000 2.0 2.26 6
Penryn

45nmプロセスで製造されるモバイル向けCore 2 Duoの第二世代かつ最終世代の製品である。

Montevina及びSanta Rosa Refreshプラットフォームを構成する。モバイル向けでは初めてSSE4に対応した。

パッケージサイズは35 x 35 mm と 22 x 22 mm(S#で始まるもの)がある。Socket M (Socket 479M)の製品はない。

OEM向けにはTDP55WのE8x35シリーズもある。

Penryn
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック (GHz) L2キャッシュ
(MB)
定格 ターボ
Core 2
Duo
T9900 2 (2) 3.06 3.2 6 35 1066
T9800 2.93 3.06
T9600 2.8 2.93
T9550 2.66 2.8
T9400 2.53 2.66
T9500 2.6 2.8 800
T9300 2.5 2.7
T8300 2.4 2.6 3
T8100 2.1 2.3
T6970 2.5 2
T6900
T6670 2.2
T6600
T6570 2.1
T6500
T6400 2.0
P9700 2.8 2.93 6 28 1066
P9600 2.66 2.8 25
P9500 2.53 2.66
SP9600
SP9400 2.4 2.53
SP9300 2.26 2.4
P8800 2.66 2.8 3
P8700 2.53 2.66
P8600 2.4 2.53
P8400 2.26 2.4
P7570
P7550
P7450 2.13
P7370 2.0
P7350
SL9600 2.13 2.4 6 17
SL9400 1.86 2.13
SL9300 1.6 1.86
SL9380 1.8 800
SU9600 1.6 1.8 3 10
SU9400 1.4 1.6
SU9300 1.2 1.4
SU7300 1.3
Penryn-L

45nmプロセスで製造される、第二世代(最終世代)のCore 2 Solo。

SU9000番台の片コアを無効化した製品。

プロセッサーナンバーのULVの有無に関わらず、VID[注 1]ボルテージレンジは、全て1.050V - 1.150Vである。

Penryn-L
ブランド 型番 CPU TDP
(W)
FSB
(MHz)
コア数
(スレッド数)
クロック
(GHz)
L2キャッシュ
(MB)
Core 2
Solo
ULV SU3500 1 (1) 1.4 3 5.5 800
SU3500 1.3
ULV SU3300 1.2

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ Voltage Identification の略

出典

[編集]
  1. ^ Core 2からCore i7へ 最新インテルCPUロードマップ - ASCII.jp(2009年5月21日). 2013年11月29日閲覧。
  2. ^ 笠原一輝 (2008年12月15日). “笠原一輝のユビキタス情報局”. Impress Watch Corporation. 2009年2月6日閲覧。

外部リンク

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