2015年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ シュピールベルク
2015年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ シュピールベルクでは、通算10回目となるレッドブル・エアレース・ワールドシリーズの内、2015年9月5日・6日にオーストリアのシュピールベルクで行われた2015年シーズン第6戦について述べる。会場は、2014年シーズン最終戦の舞台と同じく[1]、F1のオーストリアグランプリが開催されるレッドブル・リンクで、前回アスコットに続く内陸戦となる。
概要
[編集]大会3日前となる9月2日、母国開催となるハンネス・アルヒが、昨シーズンのシュピールベルク覇者のニコラス・イワノフと、最終2戦の母国(アメリカ)開催を前に意気込むカービー・チャンブリスを伴って、世界遺産にもなっているダッハシュタイン山塊上空をフライトした[2]。
山々に囲まれたシュピールベルクは、変わりやすい天候が特徴で、レーストラックは一見シンプルだが65メートルの高低差があり、パイロットは常に三次元の空間認識力を要求される[3]。
4日午後に行われた2度のトレーニング・フライトでは、総合優勝に最も近いポール・ボノムが安定した強さを見せ、キャリア初優勝を目指すマット・ホールとハンネス・アルヒが僅差で追う形となった[4]。レーストラック・アナリストは、高低差から生まれる加速によりオーバーGになりやすく、ウィングレットの有無がタイム差に出ると述べた[5]。
雲が立ち込め、大雨が降る断続的な悪天候により、5日午前に予定されていた予選は中止となり、オフィシャルルールに則って、ラウンド・オブ・14の組み合わせは現在のポイントランキングを元に決められた[6]。ラウンド・オブ・14で1位通過しながらもエンジン・トラブルで8位という受け入れがたい結果に終わったアスコットの雪辱を果たし、母国優勝をもぎ取りたいアルヒは高まるプレッシャーと戦いながら冷静さを保つべく準備を進めたが[7]、ラウンド・オブ・14でスタートゲート通過時にパイロン・ヒット、レーストラック上で自分を見失ってセーフティ・クライム・アウトを選択し[8]、あまりにも早い敗退となった[9]。
ラウンド・オブ・8ではカービー・チャンブリスが今シーズン初、かつ昨シーズン第4戦以来となるファイナル4進出を果たし[10]、ファイナル4では3位となり、レース再開から初めて表彰台を獲得、マット・ホールがキャリア初優勝を果たした[11]。
チャレンジャークラスは、フランスのミカエル・ブラジョーが今シーズン初勝利を挙げた[12]。
マスタークラス
[編集]ラウンド・オブ・14
[編集]
|
|
- ^1 スタートゲート通過時のスピード超過によりDNF判定
- ^2 スモークが出ておらず+1秒のペナルティ[9]
- ^3 パイロン・ヒットにより+3秒のペナルティ、セーフティ・クライム・アウトを選択[8]
- ^4 水平違反により+2秒のペナルティ
- ^5 パイロン・ヒットにより+3秒のペナルティ
- ^6 パイロン・ヒットにより+3秒、水平違反×2により+4秒のペナルティ
- ^7 パイロン・ヒットにより+3秒、観客席上空に進入してしまい失格[13]
ラウンド・オブ・8
[編集]
|
|
ファイナル4[編集]
|
最終結果[編集] |
チャレンジャークラス
[編集]決勝
[編集]順 位 |
No. | パイロット | タイム | ペナルティ |
---|---|---|---|---|
1 | 11 | ミカエル・ブラジョー[12] | 1:05.576 | |
2 | 18 | ペトル・コプシュタイン | 1:05.702 | |
3 | 17 | ダニエル・リファ | 1:07.080 | |
4 | 37 | ピーター・ポドランセック | 1:08.305 | |
5 | 62 | フロリアン・バーガー | 1:09.366 | |
6 | 77 | フランシス・バロス | 1:13.990 | +4秒1 |
- ^1 水平違反×2により+4秒のペナルティ
第6戦終了後のランキング
[編集]
|
|
出典
[編集]- ^ “Teams to go all out in spectacular Spielberg”. Red Bull Air Race (2015年9月1日). 2015年9月14日閲覧。
- ^ “Pilots get thrill ahead of Spielberg”. Red Bull Air Race (2015年9月2日). 2015年9月14日閲覧。
- ^ “Steve Jones previews the Spielberg racetrack”. Red Bull Air Race (2015年9月3日). 2015年9月14日閲覧。
- ^ “Bonhomme hints at Spielberg superiority”. Red Bull Air Race (2015年9月4日). 2015年9月14日閲覧。
- ^ “The inside line on the Spielberg racetrack”. Red Bull Air Race (2015年9月5日). 2015年9月14日閲覧。
- ^ “LIVE UPDATE: QUALIFYING CANCELLED DUE TO WEATHER”. Red Bull Air Race (2015年9月5日). 2015年9月14日閲覧。
- ^ “Arch ready to move mountains at home race”. Red Bull Air Race (2015年9月4日). 2015年9月14日閲覧。
- ^ a b “内陸レースが及ぼす影響”. Red Bull Air Race (2015年8月28日). 2016年4月20日閲覧。
- ^ a b “Disastrous early exit for Arch at home race”. Red Bull Air Race (2015年9月6日). 2015年9月15日閲覧。
- ^ a b “Chambliss celebrates first Final 4 of the season”. Red Bull Air Race. 2015年9月15日閲覧。
- ^ a b “Hall victorious in Spielberg showdown”. Red Bull Air Race (2015年9月6日). 2015年9月15日閲覧。
- ^ a b “Brageot builds his case with Spielberg win”. Red Bull Air Race (2015年9月6日). 2015年9月15日閲覧。
- ^ a b “第6戦シュピールベルク:決勝レース後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年9月6日). 2015年9月15日閲覧。
外部リンク
[編集]- シュピールベルク|Red Bull Air Race - 公式サイト
- Mike Mangold's Spielberg Track Explanation - 元チャンピオン、マイク・マンゴールドによるレーストラックの解説
前レース 第5戦 アスコット |
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ 2015年シーズン 第6戦 シュピールベルク |
次レース 第7戦 フォートワース |