コンテンツにスキップ

1989年の福岡ダイエーホークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1989年の福岡ダイエーホークス
成績
パシフィック・リーグ4位
59勝64敗7分 勝率.480[1]
本拠地
都市 福岡県福岡市中央区
球場 平和台野球場
球団組織
オーナー 中内㓛
(代行:中内正
経営母体 ダイエー
監督 杉浦忠
選手会長 吉田博之
スローガン
Just Now For The Fan
« 1988
1990 »

テンプレートを表示

1989年の福岡ダイエーホークスでは、1989年シーズンについての福岡ダイエーホークスの動向をまとめる。

1989年の福岡ダイエーホークスは、南海での3年間を含めて杉浦忠監督の4年目のシーズンである。

概要

[編集]

前年打撃二冠の門田博光オリックスに移籍し、主砲を欠いた状態で新天地でのスタートを切ったチームは、4月15日のホーム開幕戦こそ山内孝徳の力投で勝ったものの、山内孝はその試合で燃え尽きたかのように以降勝てなくなり、藤本修二を故障で欠いた投手陣が踏ん張れず6月に最下位に転落、そのまま前半戦を終える。後半に入ると、岸川勝也が当時の日本タイとなるシーズン3本のサヨナラ本塁打を記録するなど打線が粘り強さを発揮。10月5日には西武に3回まで8点をリードされながら9回に8点を奪い逆転勝ちするなど「閉店間際のダイエー野球」は優勝を争う西武・近鉄・オリックスにとって脅威となった。最終的に3球団と互角の勝負を繰り広げ順位を4位まで上げ、シーズン終了後杉浦監督は勇退した。投手陣は藤本修の離脱、山内孝の不振でチーム防御率4.74はリーグ最下位と不振だったが吉田豊彦が10勝挙げてローテーション入り、加藤伸一も勝ち頭の12勝、井上祐二最優秀救援投手のタイトルを獲得し、打撃陣はトニー・バナザードと新外国人のウィリー・アップショーの両外国人、岸川、藤本博史などの台頭でリーグ2位の166本塁打をマークするなど打線は好調だった。門田とのトレードで獲得した内田強が、吉田博之山中潔との争いを制し正捕手の座に就いた一方、45試合の出場にとどまった香川伸行はシーズン終了後に河埜敬幸と共に引退した。

チーム成績

[編集]

レギュラーシーズン

[編集]
オーダー変遷
開幕:4/8 5/2 6/1 7/1 8/2 9/2
1 佐々木誠 バナザード 山本和範 佐々木誠 佐々木誠 佐々木誠
2 小川史 小川史 小川史 森脇浩司 若井基安 畠山準[注 1]
3 バナザード 佐々木誠 佐々木誠 バナザード バナザード バナザード
4 アップショー アップショー バナザード アップショー アップショー アップショー
5 山本和範 山本和範 高柳秀樹[注 2] 高柳秀樹 高柳秀樹[注 3] 山本和範
6 岸川勝也 若井基安 アップショー 岸川勝也[注 4] 山本和範 岸川勝也
7 若井基安 岸川勝也 畠山準 香川伸行 藤本博史 藤本博史
8 吉田博之 吉田博之 内田強 伊藤寿文 香川伸行 内田強
9 坂口千仙 藤本博史 森脇浩司 畠山準 森脇浩司 小川史
山内孝徳 西川佳明 村田勝喜 山内孝徳 西川佳明 吉田豊彦

[2]

1989年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 オリックス -- オリックス -- オリックス -- オリックス -- 近鉄 -- 西武 -- 近鉄 --
2位 近鉄 3.0 近鉄 4.5 近鉄 8.5 近鉄 4.0 オリックス 2.0 オリックス 1.5 オリックス 0.0
3位 ダイエー 5.5 日本ハム 5.5 日本ハム 9.5 西武 8.0 西武 2.5 近鉄 2.5 西武 0.5
4位 日本ハム ダイエー 7.5 西武 10.0 日本ハム 10.0 日本ハム 11.5 ダイエー 13.5 ダイエー 11.0
5位 西武 6.5 西武 8.5 ロッテ 11.5 ロッテ 13.5 ダイエー 12.5 日本ハム 17.5 日本ハム 18.0
6位 ロッテ 6.5 ロッテ 10.0 ダイエー 14.5 ダイエー 15.5 ロッテ 16.5 ロッテ 22.0 ロッテ 21.5
期間
成績
8勝10敗1分
勝率.444
9勝10敗1分
勝率.474
7勝15敗
勝率.318
7勝10敗2分
勝率.412
14勝10敗1分
勝率.583
8勝6敗2分
勝率.571
6勝3敗
勝率.667

[3][4][5][6][7][8]

1989年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 近鉄バファローズ 71 54 5 .568 優勝
2位 オリックス・ブレーブス 72 55 3 .567 0.0
3位 西武ライオンズ 69 53 8 .566 0.5
4位 福岡ダイエーホークス 59 64 7 .480 11.0
5位 日本ハムファイターズ 54 73 3 .425 18.0
6位 ロッテオリオンズ 48 74 8 .393 21.5

[1]

オールスターゲーム1989

[編集]
  • 選出選手
ポジション 名前 選出回数
外野手 山本和範 2

個人成績

[編集]

投手成績

[編集]
  • 色付きは規定投球回数(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/加藤伸一 26 25 8 2 0 12 8 1 758 176.2 193 19 62 7 68 3 0 81 72 3.67 1.44
/吉田豊彦 26 24 6 0 0 10 8 0 664 149.0 172 27 59 3 88 4 0 95 88 5.32 1.55
/山内和宏 32 17 1 0 0 9 9 1 605 134.2 139 19 69 4 79 1 0 73 60 4.01 1.55
/村田勝喜 25 21 4 1 0 7 8 0 593 130.0 117 15 88 6 107 2 0 72 57 3.95 1.58
/山内孝徳 21 18 6 0 1 3 13 0 501 110.0 154 21 21 7 39 2 0 85 82 6.71 1.59
/井上祐二 57 0 0 0 0 6 2 21 418 95.1 79 10 55 1 69 2 0 36 35 3.30 1.41
/矢野実 50 0 0 0 0 4 5 2 388 94.2 96 8 16 1 46 2 0 50 46 4.37 1.18
/松本卓也 23 8 2 0 0 3 3 0 330 75.0 93 13 22 0 49 0 1 42 37 4.44 1.53
/西川佳明 23 11 1 0 0 1 6 0 310 63.0 83 13 37 1 22 2 0 53 48 6.86 1.91
/間柴茂有 15 3 0 0 0 2 1 0 153 33.2 45 5 8 1 21 1 0 19 16 4.28 1.57
/原田賢治 11 0 0 0 0 0 0 0 141 30.0 44 6 11 1 19 1 0 25 25 7.50 1.83
/西村英嗣 9 1 0 0 0 0 0 0 75 17.2 15 4 11 1 13 1 0 13 10 5.09 1.47
/永射保 39 0 0 0 0 2 0 1 59 14.2 11 2 6 0 11 0 0 5 5 3.07 1.16
/藤本修二 4 2 0 0 0 0 1 0 52 11.2 12 1 4 0 6 0 1 10 9 6.94 1.37
/松崎秀昭 5 0 0 0 0 0 0 0 45 8.0 12 0 6 2 3 0 0 9 7 7.88 2.25
/西清孝 3 0 0 0 0 0 0 0 15 3.0 5 2 2 0 0 0 0 5 5 15.00 2.33
/橋本敬司 2 0 0 0 0 0 0 0 15 3.0 6 0 3 0 1 0 0 2 2 6.00 3.00
/大塚賢一 1 0 0 0 0 0 0 0 7 1.1 3 0 0 0 0 0 0 3 3 20.25 2.25

打撃成績

[編集]
  • 色付きは規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/佐々木誠 124 542 489 63 115 20 1 15 182 45 12 4 9 2 40 2 2 97 8 .235 .295 .372 .667
/アップショー 123 540 462 81 118 28 2 33 249 80 5 6 0 3 73 2 2 100 9 .255 .357 .539 .896
/バナザード 122 533 446 71 121 19 0 34 242 93 2 2 0 4 80 6 3 94 12 .271 .383 .543 .925
/岸川勝也 123 461 400 67 104 16 3 26 204 66 10 3 3 2 52 3 4 87 4 .260 .349 .510 .859
/山本和範 111 459 390 65 120 23 1 13 184 55 19 8 6 1 57 3 5 61 4 .308 .402 .472 .874
/若井基安 108 349 292 45 82 13 3 1 104 23 9 7 9 1 47 2 0 24 3 .281 .379 .356 .736
/小川史 93 312 273 36 74 10 1 3 95 21 9 2 21 2 16 0 0 39 5 .271 .309 .348 .657
/森脇浩司 98 285 241 34 62 14 5 4 98 17 5 3 12 1 31 2 0 73 4 .257 .341 .407 .747
/藤本博史 77 284 237 30 60 12 0 13 111 50 1 2 10 0 37 0 0 62 6 .253 .354 .468 .822
/内田強 87 266 228 16 59 9 1 3 79 25 1 1 13 2 22 0 1 30 7 .259 .324 .346 .671
/伊藤寿文 49 146 127 16 28 4 0 4 44 12 3 1 5 1 13 1 0 23 0 .220 .291 .346 .637
/高柳秀樹 61 144 122 19 26 6 0 6 50 22 0 0 0 1 21 1 0 28 5 .213 .326 .410 .736
/河埜敬幸 64 122 102 5 22 2 0 0 24 13 3 1 8 0 12 0 0 16 3 .216 .298 .235 .534
/畠山準 61 101 92 12 21 4 0 0 25 6 1 1 2 1 6 0 0 24 4 .228 .273 .272 .544
/吉田博之 25 90 73 6 14 3 0 1 20 9 0 1 6 1 10 1 0 9 3 .192 .286 .274 .560
/山中潔 45 85 78 9 20 3 0 3 32 6 0 0 1 0 6 0 0 12 2 .256 .310 .410 .720
/右田雅彦 61 77 67 12 17 4 2 0 25 6 1 1 0 0 9 0 1 13 0 .254 .351 .373 .724
/香川伸行 45 66 59 2 13 0 0 2 19 12 0 0 2 1 4 0 0 13 1 .220 .266 .322 .588
/広永益隆 35 49 47 11 14 4 0 4 30 15 0 0 0 0 2 1 0 17 1 .298 .327 .638 .965
/永田利則 15 31 28 3 6 0 1 0 8 5 1 4 1 0 2 0 0 5 0 .214 .267 .286 .552
/頓田国満 9 13 13 1 2 0 0 1 5 1 0 1 0 0 0 0 0 2 1 .154 .154 .385 .538
/坂口千仙 22 10 8 2 1 0 0 0 1 0 0 0 2 0 0 0 0 1 0 .125 .125 .125 .250
/山口裕二 16 9 9 3 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 5 0 .000 .000 .000 .000
/山村善則 4 7 7 0 2 1 0 0 3 0 1 0 0 0 0 0 0 2 0 .286 .286 .429 .714
/安田秀之 2 6 6 1 4 3 0 0 7 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .667 .667 1.167 1.833
/森浩之 3 5 4 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 .250 .200 .250 .450
/大道典良 3 4 4 0 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .250 .250 .500 .750
/御船英之 5 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .000 .000 .000 .000
/大塚義樹 1 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

できごと

[編集]

・4月8日、対日本ハムとの開幕戦で広永益隆が初打席・初本塁打
・5月3日、対日本ハム5回戦で河埜敬幸が1500試合出場を達成
・6月19日、白井孝幸中村弘道両投手と中日江本晃一西村英嗣両投手の2対2のトレードが成立
・8月26日、対日本ハム21回戦で岸川勝也が逆転サヨナラ3点本塁打を放ち、サヨナラ本塁打3本はシーズンタイ記録
・10月3日、対日本ハム26回戦で死球に怒ったアップショーが西村基史投手への暴行で退場処分、この際の左手指の脱臼で帰国
・10月5日、対西武25回戦で0-8から逆転勝利、8点差以上の逆転勝利は11年ぶり9度目


選手・スタッフ

[編集]

[9]

表彰選手

[編集]
リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
井上祐二 最優秀救援投手 27SP 初受賞
ベストナイン
選出なし
ゴールデングラブ賞
選出なし

ドラフト

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 元木大介 内野手 上宮高 拒否
2位 金沢健一 投手 日本石油 入団
3位 橋本武広 投手 プリンスホテル 入団
4位 西俊児 内野手 本田技研 入団
5位 馬場敏史 内野手 新日本製鐵堺 入団
6位 田代広之 内野手 龍谷高 入団

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 偵察メンバーの村田勝喜と交代。
  2. ^ 偵察メンバーの西川佳明と交代。
  3. ^ 偵察メンバーの内田強と交代。
  4. ^ 偵察メンバーの松本卓也と交代。

出典

[編集]
  1. ^ a b 年度別成績 1989年 パシフィック・リーグ”. 日本野球機構. 2015年6月4日閲覧。
  2. ^ 『日本プロ野球記録年鑑 ベースボール・レコード・ブック1990』ベースボール・マガジン社、1989年。ISBN 4-583-02810-5 
  3. ^ 『読売新聞』1989年5月1日付朝刊、14版、19面
  4. ^ 『読売新聞』1989年6月1日付朝刊、14版、19面
  5. ^ 『読売新聞』1989年7月1日付朝刊、14版、19面
  6. ^ 『読売新聞』1989年7月31日付朝刊、14版、19面
  7. ^ 『読売新聞』1989年9月1日付朝刊、14版、19面
  8. ^ 『読売新聞』1989年10月1日付朝刊、14版、19面
  9. ^ ソフトバンクホークス 背番号の変遷”. ソフトバンクホークス. 2015年10月12日閲覧。