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1987年の近鉄バファローズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1987年の近鉄バファローズ
成績
パシフィック・リーグ6位
52勝69敗9分 勝率.430[1]
本拠地
都市 大阪府藤井寺市
球場 藤井寺球場
球団組織
オーナー 佐伯勇
経営母体 近畿日本鉄道
監督 岡本伊三美
« 1986
1988 »

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1987年の近鉄バファローズ(1987ねんのきんてつバファローズ)では、1987年の近鉄バファローズの動向をまとめる。

この年の近鉄バファローズは、岡本伊三美監督の4年目のシーズンである。

概要

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前年あと一歩で優勝を逃したチームは、打線強化のため現役大リーガーで元本塁打王のベン・オグリビーを獲得。入団時すでに38歳だったオグリビーだが打率.300、24本塁打の好成績を残し、リチャード・デービスも8月下旬に怪我で離脱するまで.337の高打率。デービスに代わり8月末から3番に座った新井宏昌は自己ベストの.366で首位打者に輝くなど、チーム打率がリーグ2位の打線はおおむね好調(チーム本塁打135本(リーグ3位)チーム打点512(リーグ3位))。一方投手陣は新人の阿波野秀幸が15勝、201奪三振で西崎幸広を抑えて新人王に輝いたが、その他の先発投手陣は11勝の小野和義を除いては4勝か3勝と振るわず、2年間フル稼働だった抑えの石本貴昭もわずか7セーブに終わるなど、チーム防御率はリーグ唯一の4点台(4.22)で最下位と低迷[2]し、被本塁打もリーグ最下位の164本を記録した。チームは8月中旬に8連敗を喫し最下位に転落、10月17日に1ゲーム差のロッテとの直接対決に敗れ6年ぶりの最下位が確定、シーズン終了後岡本監督が辞任し仰木彬ヘッドコーチが後任となった。対戦成績は2位阪急に勝ち越すなど健闘したが、前年デッドヒートを演じこの年3連覇の西武には歯が立たず、5勝19敗2分と多く負け越したのがモロに響いた。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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開幕オーダー
1 大石第二朗
2 新井宏昌
3 鈴木貴久
4 デービス
5 栗橋茂
6 金村義明
7 淡口憲治
8 真喜志康永
9 山下和彦
投手 村田辰美
1987年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 阪急 -- 阪急 -- 阪急 -- 阪急 -- 西武 -- 西武 -- 西武 --
2位 近鉄 2.5 日本ハム 1.5 西武 1.0 西武 1.5 阪急 4.0 阪急 3.5 阪急 9.0
3位 南海 西武 2.5 南海 4.5 南海 5.5 南海 6.5 日本ハム 9.5 日本ハム 11.5
4位 西武 4.0 南海 4.5 日本ハム 4.5 日本ハム 6.5 日本ハム 9.0 南海 11.5 南海 16.0
5位 ロッテ 4.0 近鉄 6.0 近鉄 7.5 近鉄 6.5 ロッテ 10.0 ロッテ 16.5 ロッテ 20.0
6位 日本ハム 5.0 ロッテ 7.0 ロッテ 10.0 ロッテ 7.0 近鉄 15.5 近鉄 19.0 近鉄 21.5
期間
成績
8勝7敗
勝率.533
6勝12敗2分
勝率.333
11勝12敗
勝率.478
9勝7敗
勝率.563
5勝17敗2分
勝率.227
7勝9敗3分
勝率.438
6勝5敗2分
勝率.545
1987年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 西武ライオンズ 71 45 14 .612 優勝
2位 阪急ブレーブス 64 56 10 .533 9.0
3位 日本ハムファイターズ 63 60 7 .512 11.5
4位 南海ホークス 57 63 10 .475 16.0
5位 ロッテオリオンズ 51 65 14 .440 20.0
6位 近鉄バファローズ 52 69 9 .430 21.5

[1]

1987年パシフィック・リーグ対戦成績
チーム 西武 阪急 日本ハム 南海 ロッテ 近鉄
西武 --- 12-12-2 12-13-1 16-6-4 12-9-5 19-5-2
阪急 12-12-2 --- 17-9-0 12-12-2 11-10-5 12-13-1
日本ハム 13-12-1 9-17-0 --- 13-12-1 15-8-3 13-11-2
南海 6-16-4 12-12-2 12-13-1 --- 15-11-0 12-11-3
ロッテ 9-12-5 10-11-5 8-15-3 11-15-0 --- 13-12-1
近鉄 5-19-2 13-12-1 11-13-2 11-12-3 12-13-1 ---

オールスターゲーム1987

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  • コーチ
岡本伊三美
  • ファン投票
大石大二郎
村上隆行
  • 監督推薦
阿波野秀幸
小野和義
山下和彦
デービス
新井宏昌

個人成績

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投手成績

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  • 色付きは規定投球回数(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/阿波野秀幸 32 30 22 3 4 15 12 0 1002 249.2 211 27 58 4 201 3 0 86 80 2.88 1.08
/小野和義 28 27 14 3 0 11 11 0 776 190.1 169 36 56 2 138 0 0 91 86 4.07 1.18
/佐々木修 24 16 0 0 0 3 8 0 446 99.0 115 16 36 6 32 1 1 58 53 4.82 1.53
/村田辰美 33 12 1 0 1 4 7 1 420 93.1 115 18 26 9 36 1 1 57 51 4.92 1.51
/谷宏明 23 18 1 0 0 4 6 0 426 93.1 108 9 39 6 40 3 0 65 58 5.59 1.58
/石本貴昭 50 0 0 0 0 3 6 7 341 80.2 59 14 53 3 73 1 0 31 29 3.24 1.39
/加藤哲郎 38 0 0 0 0 0 2 0 357 78.2 81 10 49 5 39 2 0 56 54 6.18 1.65
/小山昌男 18 15 2 1 1 4 6 0 329 75.2 89 15 16 2 36 0 0 49 40 4.76 1.39
/住友一哉 44 0 0 0 0 5 4 1 290 67.0 67 7 26 3 25 1 0 39 29 3.90 1.39
/山崎慎太郎 12 6 2 0 1 1 4 0 202 45.1 52 3 19 3 23 2 0 20 18 3.57 1.57
/吉井理人 13 2 1 0 0 2 1 0 157 36.0 45 3 12 0 23 2 0 21 19 4.75 1.58
/久保康生 12 3 0 0 0 0 2 1 94 21.2 27 4 6 0 11 0 0 16 13 5.40 1.52
/柳田豊 6 1 0 0 0 0 0 0 36 9.1 8 0 3 0 1 0 0 0 0 0.00 1.18
/池上誠一 3 0 0 0 0 0 0 0 36 6.2 11 1 6 1 3 1 0 8 8 10.80 2.55
/谷崎浩二 1 0 0 0 0 0 0 0 10 2.1 4 1 0 0 1 0 0 2 2 7.71 1.71
/福地経人 1 0 0 0 0 0 0 0 7 1.2 2 0 1 0 0 0 0 0 0 0.00 1.80

打撃成績

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  • 色付きは規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/大石第二朗 130 586 532 75 141 26 4 5 190 42 41 9 10 3 39 1 2 58 6 .265 .316 .357 .673
/新井宏昌 128 568 503 67 184 22 5 13 255 67 5 4 22 7 34 0 2 26 5 .366 .403 .507 .910
/金村義明 130 531 469 51 114 12 2 14 172 61 4 3 8 11 42 2 1 101 11 .243 .300 .367 .667
/鈴木貴久 119 487 450 46 118 21 0 21 202 54 4 4 3 3 25 4 6 89 11 .262 .308 .449 .757
/オグリビー 110 459 413 62 124 24 1 24 222 74 5 2 0 5 37 3 4 64 16 .300 .359 .538 .897
/デービス 91 385 341 44 115 15 0 16 178 49 2 1 0 2 40 7 2 39 12 .337 .408 .522 .930
/村上隆行 109 370 342 43 82 16 1 13 139 39 6 2 5 2 18 1 3 80 5 .240 .282 .406 .689
/山下和彦 116 324 286 31 62 8 0 6 88 24 0 3 17 0 18 0 3 79 4 .217 .270 .308 .578
/淡口憲治 102 316 287 24 69 9 1 6 98 30 0 2 0 2 27 5 0 37 8 .240 .304 .341 .645
/栗橋茂 73 200 181 20 54 12 0 6 84 19 2 0 0 1 16 0 2 39 1 .298 .360 .464 .824
/羽田耕一 74 156 147 11 31 6 2 4 53 17 0 1 1 1 6 0 1 24 2 .211 .245 .361 .606
/真喜志康永 77 136 122 12 18 1 0 2 25 6 2 1 8 1 5 0 0 28 2 .148 .180 .205 .385
/吹石徳一 60 84 76 5 15 0 0 0 15 4 1 1 5 1 2 0 0 13 0 .197 .215 .197 .413
/梨田昌孝 35 71 64 4 15 5 0 2 26 7 1 3 1 2 4 0 0 19 0 .234 .271 .406 .678
/山本雅夫 42 64 60 6 14 4 0 1 21 7 0 0 0 0 4 1 0 17 1 .233 .281 .350 .631
/佐藤純一 84 62 58 14 18 2 0 1 23 5 5 4 3 0 1 0 0 13 1 .310 .322 .397 .719
/古久保健二 28 38 34 4 10 2 0 0 12 5 1 0 2 1 1 0 0 12 0 .294 .306 .353 .658
/中藤義雄 16 36 35 4 10 1 0 0 11 0 0 0 0 0 1 0 0 8 1 .286 .306 .314 .620
/光山英和 23 21 18 3 4 1 0 1 8 2 0 0 1 0 0 0 2 3 0 .222 .300 .444 .744
/吉田剛 20 10 9 2 0 0 0 0 0 0 2 0 1 0 0 0 0 3 1 .000 .000 .000 .000
/柳原隆弘 7 10 10 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 .000 .000 .000 .000
/大原徹也 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

できごと

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選手・スタッフ

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[3]

表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
阿波野秀幸 新人王
最多奪三振 201個 初受賞
新井宏昌 首位打者 .366 初受賞
最多安打 184本 初受賞
大石第二朗 盗塁王 41個 3年ぶり3度目
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
新井宏昌 外野手 2年連続4度目
ゴールデングラブ賞
選手名 ポジション 回数
新井宏昌 外野手 初受賞

ドラフト

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順位 選手名 守備 所属 結果
1位 高柳出己 投手 日本通運 入団
2位 野林大樹 内野手 日本大学第三高 入団
3位 藤原清景 捕手 京都・大谷高 入団
4位 松久保新吾 外野手 愛知工業大学名電高 入団
5位 長岡学 外野手 市立川口高 入団
6位 木下文信 投手 大阪ガス 入団

出典

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