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1,2-ジオキセタンジオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1,2-ジオキセタンジオン
1,2-Dioxetanedione
識別情報
CAS登録番号 26974-08-3 チェック
PubChem 14833747
ChemSpider 11535432 チェック
特性
化学式 C2O4
モル質量 88.02 g mol−1
関連する物質
関連物質 1,2-ジオキセタン
1,3-ジオキセタンジオン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1,2-ジオキセタンジオン: 1,2-dioxetanedione、または1,2-dioxacyclobutane-3,4-dione)はオキソカーボンの一種。化学式はC2O41,2-ジオキセタンの二重ケトン、もしくは二酸化炭素の環状二量体とみなすことができる[1]

通常は-93℃で二酸化炭素に分解するが、質量分析などにより検出することができる[2][3]

本物質は、ケミカルライトなどに用いられるシュウ酸ジフェニル化学発光現象における反応中間体である。シュウ酸ジフェニルと蛍光色素 (dye) との混合物に過酸化水素を加えるとフェノール2分子と1,2-ジオキセタンジオンが生じる。1,2-ジオキセタンジオンが二酸化炭素2分子に自発的に分解する際に、蛍光色素にエネルギーを与えて励起させ、発光()をもたらす[4]

シュウ酸ジフェニルを使う化学発光の機構
シュウ酸ジフェニルを使う化学発光の機構


脚注

[編集]
  1. ^ Alfred Hassner (1985): Chemistry of Heterocyclic Compounds: Small Ring Heterocycles, Part 3: Oxiranes, Arene Oxides, Oxaziridines, Dioxetanes, Thietanes, Thietes, Thiazetes, and Others, Volume 42. ISBN 9780471056249 ISBN 9780470187203 John Wiley & Sons.
  2. ^ Herman F. Cordes, Herbert P. Richter, Carl A. Heller (1969). “Mass spectrometric evidence for the existence of 1,2-dioxetanedione (carbon dioxide dimer). Chemiluminescent intermediate”. J. Am. Chem. Soc. 91 (25): 7209. doi:10.1021/ja01053a065. 
  3. ^ J. Stauff, W. Jaeschke, G. Schlögl (1972). Z. Naturforsch B 27: 1434. 
  4. ^ 松田勝彦『商品から学ぶ化学の基礎』化学同人、2011年、98頁。ISBN 978-4-7598-1436-1