シュウ酸ジフェニル
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シュウ酸ジフェニル | |
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Diphenyl oxalate | |
別称 diphenylethandioate, oxalic acid diphenyl ester, cyalume, DPO | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 3155-16-6 |
PubChem | 18475 |
ChemSpider | 17449 |
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特性 | |
化学式 | C14H10O4 |
モル質量 | 242.227 g/mol |
外観 | 固体 |
融点 |
136℃ |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
129·0 ± 0·8[1] |
関連する物質 | |
関連物質 | シュウ酸ジメチル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
シュウ酸ジフェニル(しゅうさんジフェニル、diphenyl oxalate)は、シュウ酸にフェニル基が2つ結合した構造を持つ有機化合物である。ジエステルの一種。シュウ酸ジフェニルまたはその誘導体は、ケミカルライト(冷光)などの化学発光に使われる有名な化合物群である。
合成
[編集]シュウ酸ジメチルにフェノールを加えて加熱すると、エステル交換反応が起こりシュウ酸ジフェニルが生成する。通常はルイス酸などの触媒を加える[2]。
- H
3COOC–COOCH
3 + 2 C
6H
5OH → C
6H
5OOC–COOC
6H
5 + 2 CH
3OH
化学発光の機構
[編集]シュウ酸ジフェニルと蛍光色素 (dye) との混合物に過酸化水素(濃度約35%)が混ざると、シュウ酸ジフェニルが過酸化水素で酸化されながら分解し、2分子のフェノールと1分子の過シュウ酸エステル (ROOC-COOOH) が生じる。過シュウ酸エステルはさらに酸化を受けて 1,2-ジオキセタンジオン(図の四員環化合物)となる。1,2-ジオキセタンジオンは自発的に分解して2分子の二酸化炭素に変わるが、このときに蛍光色素にエネルギーを与えて励起させる[3]。励起された蛍光色素はエネルギーを光 (hν) として放出しながら基底状態に戻る。この光の波長、すなわち目に見える色は蛍光色素の分子構造に依存する。例えば 9,10-ジフェニルアントラセンを添加しておくと青い光が、ルブレンを添加しておくと橙色の光が観測される。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- ^ Carson, A. S.; Fine, D. H.; Gray, P.; Laye, P. G. (1971). “Standard enthalpies of formation of diphenyl oxalate and benzoic anhydride and some related bond dissociation energies”. Journal of the Chemical Society B: Physical Organic: 1611. doi:10.1039/J29710001611.
- ^ 例: Biradar, A. V.; Umbarkar, S. B.; Dongare, M. K. Appl. Catal., A: General 2005, 285, 190-195. DOI: 10.1016/j.apcata.2005.02.028
- ^ Rauhut, M. M. Acc. Chem. Res. 1969, 2, 80.