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青春の詩 (アルバム)

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吉田拓郎 > 吉田拓郎の作品一覧 > 青春の詩 (アルバム)
『よしだたくろう 青春の詩』
よしだたくろうスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル
レーベル エレックレコード
チャート最高順位
  • 週間64位オリコン[1]
  • 登場回数5回(オリコン)
  • 売上0.5万枚(オリコン)
よしだたくろう アルバム 年表
古い船を今動かせるのは古い水夫じゃないだろう
1969年
青春の詩
(1970年)
メモリアルヒット曲集 '70 真夏の青春
1970年
『青春の詩』収録のシングル
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青春の詩』(せいしゅんのうた)は、1970年11月1日によしだたくろう(現・吉田拓郎)がリリースしたオリジナル・アルバムである。

背景

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吉田拓郎(当時はよしだたくろう)のファーストアルバムで、すべて作詞・作曲を拓郎が担当している。広島でのアマチュア時代から、フォークソングのみならず、カントリー&ウエスタンロックソウルR&Bなど、多彩な音楽ジャンルを取り入れていた拓郎は[2][3][4]、本作では「」と「灰色の世界I」2曲のボサノバを収録している[2]

制作

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今作の制作にあたり、当時エレックレコードの専務兼プロデューサーだった浅沼勇は、自身が審査員を務めたヤマハ・ライト・ミュージック・コンテスト第2回のボーカルグループサウンド部門で優勝したマックス[注釈 1]を起用した[5]。浅沼はマックスを起用した理由について、「拓郎のフォークの荒削りな良さを消さず、拓郎ワールドを創っていけるタイトなリズムを持つバンドが必要と考えた」と述べている。

スタジオ・ミュージシャンと呼ばれるプロが歌謡曲歌手の音作りを専門としていた当時では、ひとつのロックバンドがアーティストと綿密に打ち合わせをしながら音を作っていく、という画期的なレコーディングであった[注釈 2][7]。また、日本のジャズ・ギタリストの草分け的存在である沢田駿吾クィンテットも起用している[2]

売上げ

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エレックレコード創業者・永野譲は「拓郎がエレック在籍時にリリースした『青春の詩』『よしだたくろう オン・ステージ ともだち』『人間なんて』の3枚は全て30万枚以上を売り上げ、当時のアルバムセールスとしては異例の売上げだった」と証言している[8]

収録曲

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  1. 青春の詩
  2. とっぽい男のバラード
    • 「青春の詩」のB面曲。
  3. やせっぽちのブルース
  4. 野良犬のブルース 
  5. 男の子☆女の娘(灰色の世界II)
  6. 兄ちゃんが赤くなった
  7. 灰色の世界I
  8. こうき心
  9. 今日までそして明日から
  10. イメージの詩
    • 今作に収録されているものはシングルバージョンより長尺であり、ライブなどで披露されるのはアルバムバージョンに歌詞を追加したものがほとんどである。

脚注

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注釈

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  1. ^ ドラムは、再建後のエレックレコード社長を務めた萩原克己
  2. ^ 同時期にはっぴいえんど岡林信康のバック演奏を務めたことは有名だが、レコーディングは、はっぴいえんど主導で行われたといわれている[6]

出典

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  1. ^ 「オリコンチャートブック〈LP編(昭和45年‐平成1年)〉」ORICON BOOKS、1990年5月1日、309ページ。
  2. ^ a b c TOMC (2023年7月1日). “あのアーティストの知られざる魅力を探る TOMCの<ALT View>#25 吉田拓郎とR&B~レゲエ 初期作品群におけるグルーヴと“ソウル(魂)”を振り返る”. サイゾー. サイゾー. 2024年6月22日閲覧。
  3. ^ 永堀アツオ (2024年6月1日). “80年代はシティポップだけじゃない! 音楽評論家・田家秀樹&スージー鈴木が迷わず選ぶ「殿堂入りすべきアーティスト」”. 週プレNEWS. 集英社. 2024年6月22日閲覧。
  4. ^ 吉田拓郎が音楽シーンに残した功績とは? みのミュージックとフォーライフミュージック・後藤豊が語り合う やっぱり吉田拓郎は凄すぎる - みのミュージック
  5. ^ シニアコム.JP
  6. ^ 日本ロック大系、月刊オンステージ編集部、白夜書房、1990年8月、〈上巻〉p120-121
  7. ^ エレックレコードの時代(2006年9月・アクセス・パブリッシング)p48
  8. ^ 黒沢進「第三部 エレックレコード 永野譲インタビュー」『日本フォーク紀 コンプリート』シンコーミュージック・エンタテイメント、2009年、130–134頁。ISBN 978-4-401-63310-4 
  9. ^ “吉田拓郎、最後のオリジナルアルバム『ah-面白かった』にKinKi Kids、小田和正&「雪」完結編セルフカバーも”. 全日本歌謡情報センター powered by BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2022年4月10日). https://web.archive.org/web/20220410021221/https://www.kayou-center.jp/34824 2022年5月8日閲覧。 

関連項目

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