コンテンツにスキップ

道営記念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
道営記念
開催国 日本の旗 日本
主催者 北海道
競馬場 門別競馬場
創設 1958年6月
2024年の情報
距離 ダート2000m
格付け H1
賞金 1着賞金2000万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上オープン、北海道所属(出走資格を参照)
負担重量 別定(負担重量を参照)
出典 [1]
テンプレートを表示

道営記念(どうえいきねん)は、ホッカイドウ競馬で施行される地方競馬重賞競走である。農林水産大臣より寄贈賞の提供を受けており、名称は「農林水産大臣賞典 道営記念」と表記される。

概要

[編集]

1958年に創設された4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走。ホッカイドウ競馬のグレードではH1に格付けされ、古馬による最強馬決定戦として位置付けられているほか、近年は最終開催日の最終競走として施行することが多くなり、シーズンの最後を締め括る総決算レースの意味合いも持つ。

2021年現在、ホッカイドウ競馬で行われている古馬の重賞競走で交流競走に指定されていないのは、当競走とグランシャリオ門別スプリント道営スプリントのみとなっている[2]

創設から1987年までは主に札幌競馬場で施行していた。その後開催地は帯広競馬場を中心に函館競馬場岩見沢競馬場など変更を繰り返した後、1997年以降は札幌で施行した2006年と2007年を除き、門別競馬場での施行が定着している。

1965年にはアラブ系のシユナイダーが優勝している。2002年からは出走馬の一部をファン投票で選出するようになった。

2012年は、「近代競馬150周年記念」の副称を付けて施行した[3]

2021年より始まったホッカイドウ競馬のシリーズ「カウントアップチャレンジ」のカウントアップMの対象競走となっている[4]

条件・賞金等(2024年)

[編集]
出走資格
サラブレッド系3歳以上、ホッカイドウ競馬所属。
  • 番組賞金300万円以上(ファン投票締切時)で出走を希望する馬のうちのファン投票上位8頭[1]と「レイデオロ・プレミアム」の優勝馬[5]に優先出走権がある。
負担重量
別定。3歳56kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減[1]
賞金等[6]
賞金額は1着2000万円、2着560万円、3着420万円、4着280万円、5着140万円。
スタリオンシリーズに指定されており、タイトルホルダーの翌年度の配合権利が優勝馬生産牧場への副賞となっている。

過去の副賞

[編集]

スタリオンシリーズ競走に指定されており、以下の種牡馬の翌年度種付権が副賞として贈られた。

歴代優勝馬

[編集]

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 頭数 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1958年6月 札幌 1850m
[注 1]
6頭 ヒフミダケ 牡4 北海道 2:10.4 泰嘉治
第2回 1959年9月9日[22] 札幌 1900m 7頭 フジネオン 牡5 北海道 2:05.2 上田市次
第3回 1960年11月13日[23] 札幌 2200m 8頭 トサンテンプウ 牡3 北海道 2:27.0 神崎重春
第4回 1961年9月10日[24] 札幌 2000m 6頭 ホクセイ 牡7 北海道 2:08.4 江川秀三
第5回 1962年10月7日[25] 札幌 2000m 8頭 ミヨウトクマル 牡4 北海道 2:09.2 戸野塚郁郎
第6回 1963年10月6日[26] 札幌 2000m 9頭 ミヨウトクマル 牡5 北海道 2:08.5 高城幹雄
第7回 1964年10月4日[27] 札幌 2000m 7頭 ホワイトパール 牡5 北海道 2:08.8 林正夫
第8回 1965年9月26日[28] 札幌 2000m 11頭 シユナイダー 牡5 北海道 2:07.2 林正夫
第9回 1966年9月25日[29] 札幌 2000m 7頭 ミナミボーイ 牡6 北海道 2:08.0 戸野塚郁郎
第10回 1967年10月1日 札幌 2000m 9頭 セントスタン 牝5 北海道 2:06.6 安田寛 堂山大企知
第11回 1968年11月4日 札幌 2000m
[注 2]
9頭 ヘンリーフレンド 牡5 北海道 2:09.1 林正夫 浜口忠雄
第12回 1969年10月26日 札幌 2400m 8頭 ハツヒノデ 牡5 北海道 2:34.2 小島正二 浜口忠雄
第13回 1970年9月23日 岩見沢 2000m 8頭 ハツヒノデ 牡6 北海道 2:12.8 原平 浜口忠雄
第14回 1971年10月31日 札幌 2400m 8頭 ダイゴシユウホマレ 牡5 北海道 2:34.7 黒川武 鈴木権四郎
第15回 1972年10月10日 札幌 2500m 8頭 ダイゴシユウホマレ 牡6 北海道 2:41.5 黒川武 鈴木権四郎
第16回 1973年10月21日 札幌 2500m 8頭 シエスタイム 牡6 北海道 2:41.7 後條雄作 村田勝次
第17回 1974年10月6日 札幌 2000m 9頭 ブリツトフアイア 牡5 北海道 2:04.3 伊藤隆志 鈴木権四郎
第18回 1975年11月3日 札幌 2000m
[注 3]
12頭 マルサンフアイヤ 牡5 北海道 2:05.9 千島武司 戸野塚郁郎
第19回 1976年10月24日 札幌 2000m 12頭 ブレーブセミノール 牡6 北海道 2:04.9 原平 鈴木亮平
第20回 1977年11月3日 札幌 2000m 11頭 スギノアトラス 牡5 北海道 2:04.4 山下信雄 中村光春
第21回 1978年11月3日 札幌 2000m 13頭 ピンクエイト 牝4 北海道 2:06.4 須藤三千夫 清水吉雄
第22回 1979年11月4日 札幌 2000m 15頭 ホクメイ セ6 北海道 2:05.5 佐々木一夫 佐藤二郎
第23回 1980年10月5日 札幌 2000m 11頭 コトノアサブキ 牡5 北海道 2:05.6 山下信雄 黒川武
第24回 1981年11月1日 札幌 2000m 15頭 サクラアケボノ 牡5 北海道 2:07.4 岡島玉一 安田寛
第25回 1982年11月3日 札幌 2000m 8頭 コトノアサブキ 牡7 北海道 2:05.7 佐々木一夫 黒川武
第26回 1983年11月3日 札幌 2000m 15頭 ハツピシルバー 牡4 北海道 2:07.1 伊藤隆志 林正夫
第27回 1984年11月3日 札幌 2000m 16頭 カイソクミクロ 牝7 北海道 2:05.9 田部和則 鈴木亮平
第28回 1985年11月4日 岩見沢 2000m 12頭 ミナガワビクトリー 牡5 北海道 2:11.1 米川昇 手島健児
第29回 1986年11月3日 札幌 2000m 15頭 ハツピシルバー 牡7 北海道 2:06.2 岡島玉一 林正夫
第30回 1987年11月3日 札幌 2000m 14頭 ベストボーイ セ4 北海道 2:07.7 井上俊彦 三上茂
第31回 1988年11月3日 岩見沢 2000m 10頭 ヤマノフレアリング 牝3 北海道 2:10.7 松田路博 鈴木英二
第32回 1989年11月9日 帯広 2400m 14頭 ドクタースパーク 牡4 北海道 2:35.6 村上正和 成田春男
第33回 1990年11月15日 函館 2320m 10頭 ユーワエース 牡4 北海道 2:31.3 村上正和 桑原義光
第34回 1991年11月14日 函館 2320m 12頭 ブラックホラー 牡5 北海道 2:29.0 岡島玉一 桑原義光
第35回 1992年11月3日 岩見沢 2000m 11頭 スガノスキー 牡3 北海道 2:14.5 柳澤好美 成田春男
第36回 1993年11月17日 帯広 2400m 10頭 エクセルワイザー 牡6 北海道 2:39.7 小野望 後條雄作
第37回 1994年11月23日 帯広 2400m 11頭 ササノコバン 牡4 北海道 2:35.9 國信満 堂山芳則
第38回 1995年11月23日 帯広 2400m 12頭 ササノコバン 牡5 北海道 2:35.4 國信満 堂山芳則
第39回 1996年11月20日 帯広 2400m 12頭 ヤマノセイコー 牡6 北海道 2:39.4 松本隆宏 鈴木英二
第40回 1997年12月11日 門別 2000m 11頭 マサノチャーミング 牝5 北海道 2:07.1 岡島玉一 桧森邦夫
第41回 1998年12月23日 門別 2000m 15頭 ハセミイホー 牡4 北海道 2:06.0 坂下秀樹 須藤三千夫
第42回 1999年12月23日 門別 2000m 16頭 スズオールマイティ 牡3 北海道 2:07.0 齋藤正弘 林和弘
第43回 2000年11月21日 門別 2000m 16頭 ヒットパーク 牡6 北海道 2:08.2 宮崎光行 須藤三千夫
第44回 2001年11月22日 門別 2000m 13頭 チェイスチェイス 牡7 北海道 2:08.2 松本隆宏 鈴木英二
第45回 2002年11月21日 門別 2000m 13頭 クラキングオー 牡7 北海道 2:06.3 五十嵐冬樹 堂山芳則
第46回 2003年10月30日 門別 2000m 16頭 ビックネイチャー 牡3 北海道 2:05.5 櫻井拓章 恵多谷豊
第47回 2004年11月11日 門別 2000m 15頭 テイエムアラシ 牡5 北海道 2:11.8 岡島玉一 大崎順司
第48回 2005年11月10日 門別 2000m 15頭 バンブーボカ 牡5 北海道 2:08.6 宮崎光行 林和弘
第49回 2006年11月9日 札幌 2485m 13頭 サンマルアンサー 牝5 北海道 2:43.1 佐々木国明 柳澤好美
第50回 2007年11月13日 札幌 2485m 13頭 ジンクライシス 牡6 北海道 2:38.8 宮崎光行 堂山芳則
第51回 2008年11月20日 門別 2000m 14頭 コンテ 牡5 北海道 2:10.8 五十嵐冬樹 角川秀樹
第52回 2009年11月19日 門別 2000m 15頭 コパノカチドキ 牡6 北海道 2:05.7 桑村真明 角川秀樹
第53回 2010年11月18日 門別 2000m 16頭 オネストジョン 牡6 北海道 2:07.0 小国博行 堂山芳則
第54回 2011年11月17日 門別 2000m 16頭 ショウリダバンザイ 牝4 北海道 2:06.8 吉田稔 林和弘
第55回 2012年11月15日 門別 2000m 16頭 モエレビクトリー 牡6 北海道 2:06.3 服部茂史 田中淳司
第56回 2013年11月14日 門別 2000m 15頭 レオニダス 牡3 北海道 2:08.1 服部茂史 田中淳司
第57回 2014年11月13日 門別 2000m 16頭 ウルトラカイザー 牡6 北海道 2:04.9 井上俊彦 林和弘
第58回 2015年11月12日 門別 2000m 12頭 グランプリブラッド 牡6 北海道 2:05.1 服部茂史 田中淳司
第59回 2016年11月10日 門別 2000m 15頭 タイムビヨンド 牝4 北海道 2:08.2 五十嵐冬樹 堂山芳則
第60回 2017年11月9日 門別 2000m 15頭 ステージインパクト 牡5 北海道 2:07.2 五十嵐冬樹 佐久間雅貴
第61回 2018年11月15日 門別 2000m 11頭 スーパーステション 牡4 北海道 2:05.3 阿部龍 角川秀樹
第62回 2019年11月7日 門別 2000m 12頭 リンノレジェンド 牡3 北海道 2:07.2 岡部誠 林和弘
第63回 2020年11月5日 門別 2000m 12頭 クインズサターン 牡7 北海道 2:07.2 落合玄太 安田武広
第64回 2021年11月4日 門別 2000m 15頭 クインズサターン 牡8 北海道 2:05.3 落合玄太 安田武広
第65回 2022年11月10日 門別 2000m 16頭 サンビュート セ5 北海道 2:06.3 五十嵐冬樹 堂山芳則
第66回 2023年11月9日 門別 2000m 11頭 シルトプレ 牡4 北海道 2:08.2 石川倭 米川昇
第67回 2024年11月7日 門別 2000m 9頭 ベルピット 牡4 北海道 2:06.7 桑村真明 角川秀樹

主な記録

[編集]

同一馬による連覇は1962年・1963年(ミヨウトクマル)、1969年・1970年(ハツヒノデ)、1971年・1972年(ダイゴシユウホマレ)、1994年・1995年(ササノコバン)、2020年・2021年(クインズサターン)の5例がある。

2011年の優勝馬ショウリダバンザイ馬主林正夫は、騎手時代と調教師時代にも本競走を勝利しており、騎手・調教師・馬主全てで優勝を果たしている[30]。2019年にも同氏が馬主であるリンノレジェンドが勝利を挙げた[31]。それぞれの管理調教師である林和弘は実子である。

2023年は出走11頭中6頭が落馬する多重事故が発生し、完走は5頭に留まった[32]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 1967年までは左回り砂コース。
  2. ^ 1974年までは左回りダートコース。
  3. ^ これ以降、右回りダートコース。

出典

[編集]
  1. ^ a b c キャンペーン”. SPAT4プレミアムポイント. 2024年11月4日閲覧。
  2. ^ 重賞競走体系”. ホッカイドウ競馬. 2021年11月1日閲覧。
  3. ^ 競走成績:第55回道営記念(アドマイヤムーン賞) - 地方競馬全国協会、2014年8月21日閲覧
  4. ^ JBC協会協賛『カウントアップチャレンジ2021』の新設について”. ホッカイドウ競馬 (2021年3月24日). 2024年11月4日閲覧。
  5. ^ 令和6年度第13回門別競馬番組表[更正]” (PDF). ホッカイドウ競馬. 2024年11月4日閲覧。
  6. ^ 令和6年度第15回門別競馬番組表[ 更 正 ]” (PDF). ホッカイドウ競馬. 2024年11月4日閲覧。
  7. ^ 出走表(2003年10月30日、第4回門別競馬6日目) - ホッカイドウ競馬
  8. ^ 出走表(2004年11月11日、第3回門別競馬6日目) - ホッカイドウ競馬
  9. ^ 出走表(2005年11月10日、第2回門別競馬5日目) - ホッカイドウ競馬
  10. ^ 出走表(2006年11月9日、第7回札幌競馬6日目) - ホッカイドウ競馬
  11. ^ 出走表(2007年11月13日、第3回札幌競馬1日目) - ホッカイドウ競馬
  12. ^ 出走表(2008年11月20日、第3回門別競馬6日目) - ホッカイドウ競馬
  13. ^ 出走表(2009年11月19日、第14回門別競馬6日目) - ホッカイドウ競馬
  14. ^ 出走表(2010年11月18日、第15回門別競馬6日目) - ホッカイドウ競馬
  15. ^ 出走表(2011年11月17日、第15回門別競馬6日目) - ホッカイドウ競馬
  16. ^ 出走表(2012年11月15日、第15回門別競馬6日目) - ホッカイドウ競馬
  17. ^ 競走成績:第56回道営記念(アドマイヤムーン賞) - 地方競馬全国協会、2014年8月21日閲覧
  18. ^ 平成28年度 スタリオンシリーズ競走” (PDF). ホッカイドウ競馬. 2017年11月5日閲覧。
  19. ^ 平成29年度第15回門別競馬番組表[更正]” (PDF). ホッカイドウ競馬. 2018年11月12日閲覧。
  20. ^ 令和4年度第15回門別競馬番組表[ 更 正 ]” (PDF). ホッカイドウ競馬. 2022年11月7日閲覧。
  21. ^ 出馬表(第66回道営記念) - 地方競馬全国協会、2023年11月10日閲覧
  22. ^ 北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1959年(昭和34年)9月10日付朝刊、6面(スポーツ面)。
  23. ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1960年(昭和35年)11月14日付朝刊、7面(スポーツ面)。
  24. ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1961年(昭和36年)9月11日付朝刊、7面(スポーツ面)。
  25. ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1962年(昭和37年)10月8日付朝刊、6面(スポーツ面)。
  26. ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1963年(昭和38年)10月7日付朝刊、6面(スポーツ面)。
  27. ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1964年(昭和39年)10月5日付朝刊、6面(スポーツ面)。
  28. ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1965年(昭和40年)9月27日付朝刊、7面(スポーツ面)。
  29. ^ 『北海道新聞』(マイクロフィルム版) 1966年(昭和41年)9月26日付朝刊、6面(スポーツ面)。
  30. ^ 道営記念で偉業達成!”. 地方競馬全国協会 (2011年11月18日). 2019年12月15日閲覧。
  31. ^ 【レースハイライト】第62回 道営記念”. web Furlong 2019. 地方競馬全国協会 (2019年11月8日). 2019年12月15日閲覧。
  32. ^ ホッカイドウ競馬の一年を締めくくる道営記念で6頭が落馬、競走中止 石川倭騎手のシルトプレが重賞6勝目 - スポーツ報知 2023年11月9日

各回競走結果の出典

[編集]

参考文献

[編集]
  • 道新スポーツ編『北の蹄音 ホッカイドウ競馬四十年史』北海道新聞社、1989年
  • 『2013ホッカイドウ競馬ガイド』北海道軽種馬振興公社(門別競馬場・各場外発売所で無料配布)