田浦文丸
福岡ソフトバンクホークス #56 | |
---|---|
2019年8月24日 ナゴヤ球場 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 福岡県大野城市 |
生年月日 | 1999年9月21日(25歳) |
身長 体重 |
168 cm 77 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2017年 ドラフト5位 |
初出場 | 2019年7月10日 |
年俸 | 2400万円(2025年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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田浦 文丸(たうら ふみまる、1999年9月21日 - )は、福岡県大野城市出身[2]のプロ野球選手(投手)。左投左打。福岡ソフトバンクホークス所属。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]大野城市立平野小学校1年生から「平野リトルジャガーズ」で軟式野球を始め、大野城市立平野中学校では投手兼外野手として硬式野球クラブ「糸島ボーイズ」に所属する[2]。2年生の夏には全日本中学野球選手権大会(ジャイアンツカップ)に出場。準決勝で先発し1-0の完封勝利をおさめる。迎えた決勝戦では後に高校時代の監督となる鍛治舎巧が率いる「枚方ボーイズ」と対戦となった[3]。
高校は秀岳館高等学校に進学し、1年生の秋からベンチ入りを果たす[2]。甲子園には2年生の春の第88回選抜高等学校野球大会[4]、夏の第98回全国高等学校野球選手権大会[5]、3年生の春の第89回選抜高等学校野球大会[6]、夏の第99回全国高等学校野球選手権大会と4季連続の出場を果たしたが、3年生の夏は2回戦で中村奨成擁する広陵高校に6対1で敗れ、4季連続の準決勝進出はならなかった[7]。九鬼隆平は高校の1学年先輩であり、バッテリーを組んでいた[8]。2017年9月に開催された2017 WBSC U-18ワールドカップにおいて、中村奨成や同期入団となる増田珠らとともにU-18野球日本代表に選出され、同大会ではリリーフとして5試合、先発で1試合に登板し、13回2/3を投げて29三振を奪い、救援部門でベストナインに選出された[2][9]。またこの活躍により大野城市から「平成29年度大野城市特別表彰」を受賞する[10]。
10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議にて、福岡ソフトバンクホークスからドラフト5位指名を受け[11]、11月28日、契約金3500万円、年俸500万円(金額は推定)で契約合意に達し[12]、12月7日に入団発表会見が行われた[13]。背番号は56。
ソフトバンク時代
[編集]2018年4月2日に高知ファイティングドッグスとの試合で三軍デビュー[14]。5月1日の阪神タイガースとの二軍戦に3番手で登板し、2回2奪三振無失点の内容でウエスタン・リーグ公式戦初登板を果たした[15]。しかし、その後は怪我により3か月以上実戦登板から離れ、9月25日のBFL選抜との練習試合で復帰登板を果たすも[16]、この年のウエスタン・リーグでの登板は前述の1試合のみに終わり[17]、三軍戦も9試合の登板にとどまった[18]。オフの11月25日から台湾で開催された2018アジアウインターベースボールリーグのNPBウエスタン選抜に選出され、7試合の登板で0勝1敗2ホールド・防御率0.56という成績を残した[19]。契約更改では現状維持となる推定年俸500万円でサインした[20]。
2019年は7月9日に自身初の一軍昇格を果たすと[21]、翌10日の埼玉西武ライオンズ戦でプロ初登板を果たし、2イニング打者6人をパーフェクトで抑える好投を見せた[22]。その後は7月29日に出場選手登録を抹消され[23]、9月22日に再登録されるも[24]、同30日に再び登録抹消[25]。この年は8試合の一軍登板で防御率4.50という成績であり、オフに80万円増となる推定年俸580万円で契約を更改した[26]。
2020年は腰痛や左肩痛に悩まされて一軍登板が無く、ウエスタン・リーグでも1試合の登板にとどまり、オフに20万円減となる推定年俸560万円で契約を更改した[27]。
2021年は春季キャンプから二軍での調整が続いたが、3月16日に一軍へ合流すると、アピールに成功し[28]、自身初めて開幕を一軍で迎えた[29]。4月11日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦では1点リードの6回裏から3番手として2イニングを1安打無失点に抑える好投[30]。先発の松本裕樹が4回完了時に降板しており、2番手の髙橋純平は1イニングを無失点に抑えていたが、公認野球規則9.17(b)の原注に基づいて田浦が勝利投手となり、プロ初勝利を挙げた[31]。6月20日の北海道日本ハムファイターズ戦ではプロ初ホールドを記録するなど[32]、中継ぎとして前半戦を一軍で完走し、19試合の登板で1勝0敗1ホールド・防御率3.38を記録[33]。東京オリンピックによる中断期間に伴い7月15日に自動的に出場選手登録を抹消されると[34]、同20日に球団から新型コロナウイルスに感染したことが発表され[35]、その影響もあって後半戦は一軍登板なしに終わったものの、オフに400万円増となる推定年俸960万円で契約を更改した[33]。
2022年は3月25日の開幕を2年連続で一軍で迎えたものの[36]、シーズン初登板は4月5日のオリックス・バファローズ戦[37]。5月19日に出場選手登録を抹消されるまで[38]の約1か月半でわずか4試合と登板機会に恵まれず、その後の一軍昇格は果たせずにシーズンを終えた[39]。シーズン終了後に参加したフェニックスリーグ[40]で左肩の違和感を訴えてリハビリ組に合流[41]。秋季キャンプも不参加となり[42]、オフに現状維持となる推定年俸960万円で契約を更改した[39]。
2023年も開幕を一軍で迎えると[43]、開幕から15試合連続無失点を記録[44]。6月17日の阪神戦では797日ぶり(プロ初勝利以来)となる白星も挙げた[45]。嘉弥真新也の不振[46]・モイネロの長期離脱[47]・緊急補強したヘルナンデスの誤算[48][49]というチーム事情があり、貴重なリリーフ左腕として重宝され、8月11日終了時点では37試合に登板し、2勝1敗7ホールド・防御率1.26と好成績を残していた[50]。ただ、その後の6登板のうち3試合で失点を喫すると[51][52][53]、9月9日に出場選手登録を抹消された[54]。同19日に特例2023の代替指名として再登録されたが[55]、10月2日に登録抹消[56]。そのまま二軍でシーズンを終えたものの、この年は45試合の登板で2勝1敗7ホールド・防御率2.38を記録し、オフに2040万円増となる推定年俸3000万円で契約を更改した[57]。
2024年、前年秋のメディカルチェックで左肩の腱板損傷が判明し、春季キャンプはC組(筑後)でスタート[58]。2月20日にB組(宮崎)へ合流したものの[59]、痛みがあって再びリハビリ組へ戻った[58]。7月16日の四軍戦で実戦復帰を果たし[60][61]、8月11日の二軍戦では、この年初の公式戦登板[62]。同27日に出場選手登録され[63]、9月15日に登録抹消されたが[64]、同30日に再登録され[65]、この年は4試合の登板で防御率2.45という成績であった[66]。レギュラーシーズン終了翌日の10月5日に出場選手登録を抹消され[67]、その後はフェニックスリーグへ参加となり、ポストシーズンでは登板がなかった[58]。オフに600万円減となる推定年俸2400万円で契約を更改した[66]。
選手としての特徴
[編集]球種 | 配分 % |
平均球速 km/h |
被打率 |
---|---|---|---|
ストレート | 38.1 | 142.9 | .271 |
スライダー | 37.6 | 125.4 | .194 |
ツーシーム | 13.9 | 140.0 | .421 |
チェンジアップ | 10.4 | 120.0 | .125 |
ダルビッシュ有が「俺がこんなんやったら1球で肩もげる」と評し、絶賛したチェンジアップ[69]が最大の武器。身長は168cmと小柄ながら[70]、最速148km/hのストレート[71]とチェンジアップのコンビネーションで空振りを奪う[72]。
変化球は他にツーシーム[73]、回転数が3000を超えるスライダーを投じる[70]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | ソフトバンク | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 41 | 10.0 | 8 | 1 | 6 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 5 | 5 | 4.50 | 1.40 |
2021 | 19 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1.000 | 90 | 21.1 | 22 | 1 | 7 | 1 | 0 | 17 | 2 | 0 | 8 | 8 | 3.38 | 1.36 | |
2022 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | ---- | 23 | 4.2 | 7 | 1 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | 5 | 5 | 9.64 | 1.50 | |
2023 | 45 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 7 | .667 | 150 | 34.0 | 31 | 1 | 12 | 1 | 7 | 28 | 3 | 0 | 9 | 9 | 2.38 | 1.26 | |
通算:4年 | 76 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 9 | .750 | 304 | 70.0 | 68 | 4 | 25 | 2 | 9 | 55 | 5 | 0 | 27 | 27 | 3.47 | 1.33 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2019 | ソフトバンク | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- |
2021 | 19 | 1 | 4 | 0 | 0 | 1.000 | |
2022 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | |
2023 | 45 | 1 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 76 | 2 | 10 | 0 | 0 | 1.000 |
- 2023年度シーズン終了時
表彰
[編集]- 国際大会
- WBSC U-18ワールドカップベストナイン:1回(救援投手部門:2017年)[9]
- その他
- 平成29年度大野城市特別表彰(2017年)[10]
記録
[編集]- 初記録
- 初登板:2019年7月10日、対埼玉西武ライオンズ14回戦(福岡 ヤフオク!ドーム)、8回表に5番手で救援登板・完了、2回無失点
- 初奪三振:同上、8回表に木村文紀から空振り三振
- 初勝利:2021年4月11日、対東北楽天ゴールデンイーグルス3回戦(楽天生命パーク宮城)、6回裏に3番手で救援登板、2回無失点
- 初ホールド:2021年6月20日、対北海道日本ハムファイターズ12回戦(福岡PayPayドーム)、7回表に3番手で救援登板、1回無失点
背番号
[編集]- 56(2018年 - )
登場曲
[編集]- 「いま太陽に向かって咲く花」NOBU(2018年)
- 「New Rules」Dua Lipa(2018年 - 2020年)
- 「交差点」BANTY FOOT(2019年 - 2020年)
- 「DRIBBLA - 光」DIGITAL NINJA(2021年 - )
- 「In My Life」SALU(2021年 - )
代表歴
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 「ソフトバンク-契約更改-プロ野球」日刊スポーツ。2024年11月27日閲覧。
- ^ a b c d 「ソフトB、秀岳館の魔球サウスポー田浦に照準 U18W杯で29K あさってドラフト」西日本スポーツ、2017年10月24日。2017年10月3日閲覧。
- ^ 「ソフトBドラ5田浦と鍛治舎監督の奇縁 中2の夏…アンビリバボーな巡り合わせ」西日本スポーツ、2017年12月12日。2017年10月3日閲覧。
- ^ 「第88回選抜高校野球大会 高松商―秀岳館(準決勝)」朝日新聞デジタル バーチャル高校野球、2016年3月30日。2018年10月3日閲覧。
- ^ 「第98回全国高校野球選手権大会 北海―秀岳館(準決勝)」朝日新聞デジタル バーチャル高校野球、2016年8月20日。2018年10月3日閲覧。
- ^ 「第89回選抜高校野球大会 大阪桐蔭―秀岳館(準決勝)」朝日新聞デジタル バーチャル高校野球、2017年3月30日。2018年10月3日閲覧。
- ^ 「第99回全国高校野球選手権大会 広陵―秀岳館(2回戦)」朝日新聞デジタル バーチャル高校野球、2017年8月17日。2018年10月3日閲覧。
- ^ 「ソフトB5位田浦(熊本・秀岳館高) 先輩・九鬼とバッテリー組むぞ」西日本スポーツ、2017年10月27日。2017年10月3日閲覧。
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- ^ a b 「ソフトバンク5位田浦が大野城市から特別表彰を受賞」日刊スポーツ、2017年11月12日。2017年10月3日閲覧。
- ^ 「ソフトB田浦、夢は世界のベストナイン 指名あいさつ、日本一に貢献してWBC目指す」西日本スポーツ、2017年11月2日。2017年10月3日閲覧。
- ^ 「ソフトB5位田浦、清宮斬り自信 同じ背番「21」和田を味方に」西日本スポーツ、2017年11月28日。2017年10月3日閲覧。
- ^ 「2017/12/07(木) 選手 新入団会見レポ。1位吉住投手「夢は最多勝」」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト、2017年12月7日。2018年10月3日閲覧。
- ^ 「ソフトBドラ5田浦、3軍戦初登板で「投げっぷり」高評価 ドラ3増田も代打で登場」西日本スポーツ、2018年4月3日。2018年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月21日閲覧。
- ^ 「ソフトBドラ5左腕・田浦が2軍初登板 プロも魔球チェンジで幻惑!2回2K無失点」西日本スポーツ、2018年5月2日。2018年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月21日閲覧。
- ^ 「「魔球」を操る左腕。ルーキー田浦文丸のプロ1年目は・・・」Yahoo!ニュース、2018年9月25日。2018年10月3日閲覧。
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- ^ a b 「8戦連続無失点の田浦文丸が誇る「三種の神器」 ダルビッシュ大絶賛のチェンジアップ+3000回転スライダー+150キロ直球」西スポWEBotto!、2023年4月30日。2023年10月29日閲覧。
- ^ 「ソフトバンク5位田浦、チェンジアップで清宮斬りだ」日刊スポーツ、2017年11月28日。2023年10月29日閲覧。
- ^ 「一躍ドラ1候補に!? 世界を震撼させる田浦文丸の“魔球”」BASEBALL KING、2017年9月6日。2023年10月29日閲覧。
- ^ 「ソフトバンク田浦がプロ初勝利「自信に」千賀抜けたブルペンデー2回0封」日刊スポーツ、2021年4月11日。2023年10月29日閲覧。
- ^ 「チーム情報 球場使用曲一覧」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト。2021年3月10日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 個人年度別成績 田浦文丸 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 56 田浦 文丸 選手名鑑 - 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- 田浦文丸 (@fumi.no56) - Instagram