コンテンツにスキップ

熊谷達也

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
熊谷 達也
(くまがい たつや)
誕生 (1958-04-25) 1958年4月25日(66歳)
日本の旗 日本宮城県仙台市
職業 作家
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 東京電機大学理工学部
活動期間 1997年 -
ジャンル 小説
代表作邂逅の森』(2004年)
主な受賞歴 小説すばる新人賞(1997年)
新田次郎文学賞(2000年)
山本周五郎賞(2004年)
直木三十五賞(2004年)
デビュー作 『ウエンカムイの爪』(1997年)
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

熊谷 達也(くまがい たつや、1958年4月25日 - )は、日本小説家東京電機大学理工学部卒業。

経歴・人物

[編集]

宮城県仙台市出身。宮城県佐沼高等学校東京電機大学理工学部数理学科卒。卒業後、埼玉県宮城県気仙沼中学校[1]で公立中学校の数学教諭を8年間勤める。その後、宮城県に帰り、保険代理店業を経て、1997年に『ウエンカムイの爪』で小説すばる新人賞を受賞し、作家としてデビューする。2011年の東日本大震災当時も2013年現在も仙台市在住。

『漂泊の牙』『まほろばの疾風』『荒蝦夷』『迎え火の山』など、東北地方北海道の民俗・文化・風土に根ざした作品で知られる。2004年、『相剋の森』から始まり『氷結の森』で終わるマタギ3部作の第2作『邂逅の森』で、初の山本周五郎賞直木賞のダブル受賞を果たす。

東日本大震災をきっかけに、宮城県のかつて遠洋漁業で栄えた湊町で、自身も教師として勤めていた気仙沼市をモデルにした架空の街「仙河海(せんがうみ)市」を舞台にした、明治から近未来までの人々の物語を描く年代記<仙河海サーガ>を書き始める[2][3]

プライベートでは外国製のオートバイをこよなく愛することで知られる。

文学だけでなくK'zというロックバンドでギターを弾くなどミュージシャンとしての一面も持つ。

受賞歴

[編集]

作品リスト

[編集]
  • 『ウエンカムイの爪』、集英社、1998年 のち文庫  
  • 『漂泊の牙』、集英社、1999年 のち文庫 
  • 『まほろばの疾風(かぜ)』、集英社、2000年 のち文庫  
  • 『迎え火の山』、講談社、2001年 のち文庫  
  • 『山背郷』(短編集)、集英社、2002年 のち文庫  
  • 『マイ・ホーム・タウン』、小学館、2003年 のち改題加筆『冒険の日々 マイ・ホームタウン』、小学館文庫、2005年
  • 『相剋の森』(マタギ3部作第1作)、集英社、2003年 のち文庫  
  • 邂逅の森』(マタギ3部作第2作)、文藝春秋、2004年 のち文庫 
  • 『荒蝦夷』、平凡社、2004年 のち集英社文庫
  • 『山背の里から 杜の都でひとり言』(エッセイ)、小学館、2004年
  • 『モビィ・ドール』、集英社、2005年 のち文庫  
  • 『懐郷』、新潮社、2005年 のち文庫  
  • 『虹色にランドスケープ』、文藝春秋、2005年 のち文庫 
  • 『新参教師』、徳間書店、2006年 のち文庫  
  • 『七夕しぐれ』、光文社、2006年 のち文庫  
  • 『氷結の森』(マタギ3部作第3作)、集英社、2007年 のち文庫   
  • 『箕作り弥平商伝記 』、講談社、2007年7月 のち文庫
  • 『はぐれ鷹』、文藝春秋、2007年10月
  • 『群青に沈め 僕たちの特攻』、角川書店、2008年2月 のち文庫
  • 『いつかX橋で』、新潮社、2008年11月 のち文庫
  • 『ゆうとりあ』、文藝春秋、2009年3月 のち文庫
  • 『オヤジ・エイジ・ロックンロール』、実業之日本社、2009年11月 のち文庫
  • 『モラトリアムな季節』、光文社、2010年 のち文庫
  • 『銀狼王』、集英社、2010年6月 のち文庫
  • 『稲穂の海』、文藝春秋、2010年10月 のち文庫
  • 『翼に息吹を』、角川書店、2011年3月 のち文庫
  • 『バイバイ・フォギーデイ』、講談社、2012年4月
  • 『光降る丘』、角川書店、2012年9月(2008年6月の岩手・宮城内陸地震が題材)
  • 『烈風のレクイエム』、新潮社 2013年2月(『小説新潮』2011年9月号~2012年12月号連載「海峡の絆」を改題)のち改題『海峡の鎮魂歌』、新潮文庫、2016年
  • 『調律師』、文藝春秋、2013年5月 のち文庫
  • 仙河海サーガ[作中年代]
    • 『リアスの子』、光文社、2013年[1990年]
    • 『微睡みの海』、角川書店、2014年[2010年 - 2011年]
    • 『ティーンズ・エッジ・ロックンロール』、実業之日本社、2015年[2010年 - 2011年3月10日]
    • 『潮の音、空の青、海の詩』、NHK出版、2015年[2011年3月11日 - 2060年](改題『悼みの海』講談社文庫、2024年)
    • 『希望の海 仙河海叙景』、集英社、2016年[2011年3月10日 - 2012年]のち文庫
    • 『揺らぐ街』、光文社、2016年[2011年3月11日 - 2013年]
    • 『浜の甚兵衛』、講談社、2016年[1896年 - 1929年]
    • 『鮪立の海』、文藝春秋、2017年[1932年 - 1958年]
  • 『我は景祐』、新潮社、2019年(改題『我は景祐-幕末仙台流星伝』、新潮文庫、2023年)
  • 『エスケープ・トレイン』、光文社、2019年
  • 『いつもの明日』、河北アド・センター、2020年
  • 明日へのペダル』、NHK出版 、2022年6月
  • 『孤立宇宙』、講談社、2022年
  • 『無刑人 芦東山』、潮出版社、2021年(改題『むけいびと 芦東山』、潮文庫、2024年)

海外への翻訳

[編集]

中国大陸(簡化字)

[編集]
  • 邂逅之森 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-邂逅の森

関連項目

[編集]

[編集]
  1. ^ 「東北から希望を発信 熊谷達也さんに聞く」2013年2月23日日本経済新聞夕刊5面
  2. ^ 土方正志 (2020年4月15日). “いまはなき気仙沼の町の暮らしと大正~昭和を生き抜いた人々への賛歌 『鮪立の海』(熊谷 達也)”. 文藝春秋. https://books.bunshun.jp/articles/-/5393?page=2 2023年6月12日閲覧。 
  3. ^ 『浜の甚兵衛』講談社文庫 2019年(土方正志「解説」)