沼牛駅
沼牛駅 | |
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廃止前の駅舎(1995年8月) | |
ぬまうし Numaushi | |
◄鷹泊 (10.6 km) (2.0 km) 新成生► | |
所在地 | 北海道雨竜郡幌加内町字下幌加内 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | 深名線 |
キロ程 | 37.9 km(深川起点) |
電報略号 | ヌウ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
開業年月日 | 1929年(昭和4年)11月8日[1] |
廃止年月日 | 1995年(平成7年)9月4日[1] |
備考 | 深名線廃線に伴い廃駅 |
沼牛駅(ぬまうしえき)は、北海道(空知支庁)雨竜郡幌加内町字下幌加内にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)深名線の駅(廃駅)である。事務管理コードは▲121405[2]。
歴史
[編集]- 1929年(昭和4年)11月8日 - 鉄道省雨龍線鷹泊駅 - 幌加内駅間延伸開通に伴い開業[1]。一般駅[1]。
- 1931年(昭和6年)10月10日 - 線路名を幌加内線に改称、それに伴い同線の駅となる。
- 1941年(昭和16年)10月10日 - 線路名を深名線に改称、それに伴い同線の駅となる。
- 1949年(昭和24年)6月1日 - 日本国有鉄道に移管。
- 1963年(昭和38年)4月1日 - 業務委託化。
- 1982年(昭和57年)3月29日 - 貨物・荷物取扱い廃止[1]。無人駅となる[3](簡易委託化)。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR北海道に継承[1]。
- 時期不詳[注 1] - 簡易委託廃止、完全無人化。
- 1995年(平成7年)9月4日 - 深名線の廃線に伴い廃止となる。
駅名の由来
[編集]当駅の所在地近辺の地名より[4]。由来は諸説あるが山田秀三は現在の沼牛川のアイヌ語名である「ヌマウㇱホㇿカナイ(numa-us-horkanay)」(毛が・多い・幌加内川〔の支流〕)が原型ではないか[4][5]、としている。山田はこの場合「ヌマ(numa)」(毛)が指しているのは水草ではないか、としている[4]。なお、山田以外に以下の説が紹介されたことがある。
- ヌㇷ゚(nup)…野[8]
- 本多貢が『北海道地名漢字解』で掲載している。
駅構造
[編集]廃止時点で、単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。ホームは線路の東側(名寄方面に向かって右手側)に存在した[9]。そのほか本線の深川方から分岐し駅舎南側への側線を1線有していた[9]。かつては列車交換可能な交換駅であった。1983年(昭和58年)時点では使われなくなった対向ホーム側の1線は交換設備運用廃止後も分岐器が深川方、名寄方の両方向とも維持された形で側線として残っていたが(但しホームは撤去されていた)[10]、その後1993年(平成5年)までには撤去された[9]。ホーム前後の線路は分岐器の名残で湾曲していた[9]。
無人駅となっていたが、有人駅時代の駅舎が残っていた。駅舎は構内の西側に位置しホーム北側に接していた[9]。古ぼけた木造で[10]、傷みが激しかった[9]。
利用状況
[編集]- 1992年度(平成4年度)の1日乗降客数は8人[9]。
駅周辺
[編集]- 国道275号(空知国道)
- 北海道道72号旭川幌加内線
- 沼牛簡易郵便局
- 幌加内川[11]
- 冬路山 - 駅の東。標高625m[11]。
- 幌加内峠 - 駅の南南西[11]。
- 江丹別峠 - 駅の南東[11]。
- ジェイ・アール北海道バス深名線「下幌加内」停留所
駅跡
[編集]1995年(平成7年)9月の駅廃止後、駅舎は幌加内町の所有となった[新聞 1]。1996年(平成8年)に、当時地元でそば農家を営んでいた男性が、駅舎を町から譲り受けた[新聞 1]。
2000年(平成12年)時点では、駅舎とホームが放置状態で残存していた[12]。駅前の農業倉庫も残っていた[12]。2010年(平成22年)時点[13]、2011年(平成23年)時点でも同様であった[14]。ホームには駅名標の枠が半分だけ残存しており、ホームの下の線路跡にはバラストが残存していた[14]。
2015年(平成27年)7月18日、当年9月で廃止後20年になるのを記念して、町民や鉄道ファンにより数か月をかけて倉庫として使用されてきた駅舎を清掃・修復して、駅名板を旧ホームに設置するなど廃止前の姿を復元するイベント「おかえり沼牛駅」が開催された[15][新聞 2]。
2016年(平成28年)5月に解体された旧・北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の上利別駅の駅舎の部材も活用し、同年9月から改修作業が行われた[新聞 3]。同工事は同年11月6日に完成し、同日お披露目となった[新聞 4]。
2020年(令和2年)時点、駅舎内部は通常非公開であり、イベント開催時のみ一般公開が行われている[16]。
おかえり沼牛駅実行委員会が北海道内の鉄道ファンから2018年に譲り受けていた腕木式信号機が2021年10月25日、点灯可能な状態で設置された。委員会は活動費用を募るため、クラウドファンディングや線路下にあった砂利を入れた缶詰の販売なども行っている[新聞 5]。
2022年10月7日放送の「沁みる夜汽車 2022追想」(NHK BS1) の中の「廃駅舎と生きる」で紹介された。
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旧沼牛駅舎(2009年5月5日)
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ホーム側から見た旧沼牛駅(2009年5月5日)
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旧沼牛駅舎(2020年6月14日)
隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、846頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、223頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ 「通報 ●深名線上多度志駅ほか9駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1982年9月29日、3面。
- ^ a b c d e f 山田秀三 (2018-11-30). 北海道の地名. アイヌ語地名の研究 別巻 (2 ed.). 浦安市: 草風館. p. 82. ISBN 978-4-88323-114-0
- ^ a b “アイヌ語地名リスト トヨト~ノブシ P91-100”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2018年10月28日閲覧。
- ^ 札幌鉄道局 編『駅名の起源』北彊民族研究会、1939年、35頁。NDLJP:1029473。
- ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、113頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ a b 本多 貢 (1995-01-25). 児玉芳明. ed (日本語). 北海道地名漢字解. 札幌市: 北海道新聞社. p. 72. ISBN 4893637606. OCLC 40491505 2018年10月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g 『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)75ページ
- ^ a b 『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月発行)204ページ
- ^ a b c d 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)15ページ
- ^ a b 『鉄道廃線跡を歩くVII』(JTBパブリッシング、2000年1月発行)35ページ
- ^ 『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング、2010年4月発行)41ページ
- ^ a b 本久公洋著『北海道の鉄道廃線跡』(北海道新聞社、2011年9月発行)175-176ページ
- ^ “さよなら深名線 廃止20年企画 おかえり沼牛駅~深名線廃止20年、沼牛駅が1日限定で復活します~”. 幌加内町. 2016年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月13日閲覧。
- ^ “旧 深名線 沼牛駅ホームページ”. おかえり沼牛駅実行委員会. 2020年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月13日閲覧。
新聞記事
[編集]- ^ a b “腕木式信号機“化粧直し” 幌加内、旧沼牛駅 保存団体がペンキ塗り”. 『北海道新聞』. (2020年10月13日). オリジナルの2020年10月13日時点におけるアーカイブ。 2020年10月13日閲覧。
- ^ 廃止から20年の駅が「復活」…JR北海道・深名線の沼牛駅舎公開 Response.(2015年7月20日)2020年12月5日閲覧
- ^ 森脇敬三 (2016年10月22日). “幌加内の沼牛駅舎、6日お披露目 外壁塗装など改修着々”. 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(道北) (北海道新聞社). オリジナルの2016年10月23日時点におけるアーカイブ。 2016年10月23日閲覧。
- ^ “旧沼牛駅舎 感謝の再出発 幌加内 全国からの資金で改修”. 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(暮らし・話題) (北海道新聞社). (2016年11月6日). オリジナルの2016年11月7日時点におけるアーカイブ。 2016年11月8日閲覧。
- ^ 「腕木式信号機 旧沼牛駅に再現/駅舎維持へランドマーク 幌加内」『北海道新聞』朝刊2020年11月29日「地域から 179の窓」特集:心の鉄道 愛着深く(14面)2020年12月5日閲覧