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地獄の狂獣 キッス・ライヴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『地獄の狂獣 キッス・ライヴ』
キッスライブ・アルバム
リリース
録音 1975年5月-7月
アメリカ合衆国の旗
ジャンル ハードロックショック・ロック
レーベル カサブランカ
プロデュース エディ・クレイマー
キッス アルバム 年表
地獄への接吻
(1975年)
地獄の狂獣 キッス・ライヴ
(1975年)
地獄の軍団
(1976年)
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地獄の狂獣 キッス・ライヴ』(Alive!)は、1975年に発表されたキッスの通算4作目のアルバムで、初のライブ・アルバムである。本作によって彼等は全米規模の人気グループとしての地位を確立した。

ローリング・ストーン』誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」と「オールタイム・グレイテスト・ライヴ・アルバム50」に於いて、それぞれ159位[1]と6位[2]にランクイン。

解説

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キッス・ファースト 地獄からの使者』(1974年)、『地獄のさけび』(1974年)、『地獄への接吻』(1975年)から選ばれた16曲が収録された。

彼等は一部でライブ・バンドとしての高い評価を受けていたにもかかわらず、レコード・セールスは思ったように伸びなかった。1975年3月に始まった『地獄への接吻』ツアーの最中、同アルバムからシングル・カットされた「ロックンロール・オールナイト」がデトロイトで大ヒットした[注釈 1]。起死回生の機会を模索していた彼等は急遽予定を変更して、5月16日にコボ・ホールで行なったデトロイト公演を始めクリーブランドやニュージャージー州などでの公演をレコーディングした。

7月下旬から8月上旬まで、ニューヨークのエレクトリック・レディ・スタジオでオーヴァーダビングとミキシングが行なわれた。ジミ・ヘンドリックスレッド・ツェッペリンを手掛けたエディ・クレイマーがプロデュースとエンジニアリングを担当した。

同年9月に発表され、12月にキッス初のRIAA公認ゴールドディスク、翌1976年1月にはプラチナディスクを獲得した。「ロックンロール・オールナイト」がシングル・カットされ[3]て12位まで上昇し、彼等がヒットチャートのTop20に送り込んだ初のシングルとなった

彼等が所属していたカサブランカ・レコードも本作の成功によって深刻な財政難から救われた。

収録曲

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  1. デュース - "Deuce" (ジーン・シモンズ) [3:55]
    オリジナルはデビュー・アルバム『地獄からの使者』に収録。1976年発表の「デトロイト・ロック・シティ」と並び、たびたびコンサートのオープニングに使用され、現在もセットリストに登場する彼らの代名詞ともいえるナンバー。
  2. ストラッター - "Strutter" (シモンズ、ポール・スタンレー) [3:22]
    『地獄からの使者』から。現在もコンサートの定番となっている曲。
  3. ガット・トゥ・チューズ - "Got To Choose" (スタンレー) [3:40]
    セカンド・アルバム『地獄のさけび』のオープニング・ナンバー。
  4. ホッター・ザン・ヘル - "Hotter Than Hell" (スタンレー) [3:29]
    『地獄のさけび』のタイトル曲。
  5. ファイヤーハウス - "Firehouse" (スタンレー) [3:50]
    『地獄からの使者』から。終盤でけたたましくサイレンを鳴らす演出は、この後長い間、ステージのクライマックスとなる。
  6. ナッシン・トゥ・ルーズ - "Nothin' To Lose" (シモンズ) [3:33]
    『地獄からの使者』から。シモンズとピーター・クリスの掛け合いが楽しい軽快なロックンロールナンバー。
  7. 激しい愛を - "C'Mon And Love Me" (スタンレー) [3:04]
    サード・アルバム『地獄への接吻』から。
  8. パラサイト - "Parasite" (エース・フレーリー) [3:35]
    『地獄のさけび』から。
  9. 彼女 - "She" (シモンズ、ステファン・コロネル) [6:56]
    『地獄への接吻』から。後半には、デビュー・アルバム収録の「レット・ミー・ノウ」のエンディングのギター・リフをつなげ、そのままフレーリーのギターソロに突入する。
  10. ウォッチン・ユー - "Watchin' You" (シモンズ) [3:48]
    『地獄のさけび』から[注釈 2]
  11. 10万年の彼方 - "100,000 Years" (シモンズ、スタンレー) [12:10]
    『地獄からの使者』から。初期のステージではシモンズが血糊を吐くパフォーマンスに続いて演奏されることが多かった。クリスのドラム・ソロとスタンレーのコール&レスポンスという本作の後半のクライマックスとなっている。
  12. ブラック・ダイヤモンド - "Black Diamond" (スタンレー) [5:48]
    『地獄からの使者』から。クリスが本編のリード・ヴォーカルを担当した[注釈 3]
  13. ロック・ボトム - "Rock Bottom" (フレーリー、スタンレー) [3:45]
    『地獄への接吻』から。フレーリーはイントロのツイン・ギターのアルペジオ部分を作曲した。
  14. コールド・ジン - "Cold Gin" (フレーリー) [7:00]
    『地獄からの使者』から。現在も彼らのセットリストに欠かせない曲。ヴォーカルはシモンズ。
  15. ロックンロール・オールナイト - "Rock And Roll All Nite" (シモンズ、スタンレー) [4:17]
    『地獄への接吻』からシングル・カットされて[4]、本作制作のきっかけを作った。本作のヒットを受けて1975年10月にシングル・カットされ[5]、オリジナルを上回るヒットを記録した。現在に至るまでコンサートのラスト・ナンバーに多く使用される不滅のロックンロール・アンセムである。
  16. レット・ミー・ゴー・ロックンロール - "Let Me Go, Rock 'N Roll" (シモンズ、スタンレー) [5:45]
    『地獄のさけび』から。エンディングを伸ばしたロング・バージョンでライブのラストを盛り上げた[注釈 4]

脚注

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注釈

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  1. ^ 全米57位。
  2. ^ 1993年に発表された『アライヴ3』にも、シモンズ、スタンレー、ブルース・キューリックエリック・シンガーによる演奏が収録された。
  3. ^ クリス脱退後は後任のエリック・カーやエリック・シンガーが歌った。
  4. ^ 1977年の初の日本公演でも演奏された。

出典

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  1. ^ Kiss, 'Alive!' - 500 Greatest Albums of All Time | Rolling Stone
  2. ^ 50 Greatest Live Albums of All Time: Kiss, 'Alive!' | Rolling Stone
  3. ^ Discogs”. 2025年2月1日閲覧。
  4. ^ Discogs”. 2025年2月2日閲覧。
  5. ^ Discogs”. 2025年2月1日閲覧。