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函谷鉾

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函谷鉾

函谷鉾(2017年7月17日撮影)
所在地 京都府京都市下京区四条烏丸西入ル函谷鉾町
主祭神 孟嘗君
創建 応仁の乱1467年 - 1477年)以前
主な神事 祇園祭(7月)
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函谷鉾

函谷鉾(かんこぼこ[1][2][注釈 1]、かんこほこ[4][注釈 2])は、京都市内で行われる祇園祭における山鉾の一つ。巡行の順番の決まっている「くじ取らずの鉾」である。7月17日(前祭)の山鉾巡行では、長刀鉾に次いで第二番目に巡行する鉾(山鉾全体の中では5番目)。山鉾町は四条烏丸西入ル函谷鉾町(下京区)。

地上から鉾頭までの高さ約24m、質量12トンである[5]。車輪は直径1.86m・厚さ0.18mで、前後の車軸の間隔は4.75m、左右の車輪の間隔は2.37mである[5]。鉾頭には山上に掛かる三日月。

由来

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名の由来は、中国の戦国時代の宰相を務めた孟嘗君(? - 前279年)が函谷関で、家来に鶏の鳴き声を真似させて関門を開かせ難を逃れたという故事(「鶏鳴狗盗」という成語の由来となった)による[6]。鉾頭の三日月と山形は「函谷関の山稜にかかる三日月」を象徴し、「山中の闇」を意味している[6]。真木の上端近くに祀られた「天王人形」は孟嘗君の像であり、その下には割竹と石垣模様の布で「関」が表現され、真鍮製(鍍金)の雌雄の鶏が祀られている(ただし、「関」に布が巻かれているために地上からは見えない)[6]

歴史

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函谷鉾は応仁の乱1467年 - 1477年)以前に起源を持つ[1]

天明の大火1788年)では、ほかの多くの山鉾と同様に焼失した。その後約50年を経て天保10年(1839年)に再建されたのが、現在の函谷鉾である[1]

再建と稚児人形「嘉多丸君」

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かつて祇園祭の鉾(船鉾・大船鉾を除くすべての鉾)には生身の稚児が乗っていたが、21世紀初頭現在は長刀鉾を除いて稚児人形が乗せられている(祇園祭#稚児参照)。最初に稚児人形を乗せたのが、天保10年(1839年)に再建された函谷鉾であった。

当時の函谷鉾町には町人が少なく(南側が松平阿波守(徳島藩蜂須賀家)屋敷、北側が鴻池家の宅地であった)、また鉾の再建のために資金を投じたために稚児を乗せるのに必要な費用も捻出が難しかった。このため木偶による人形稚児をもって稚児とする旨を願い出て「生き稚児を出せるまで、しばらくの間」許可された。かつて函谷鉾町の住人であった大仏師の七条左京に人形作成を依頼したが、七条左京も前例がなかったために考えあぐね、御所に参上した際に左大臣一条忠香に相談したところ、忠香の子である幼少の嘉多丸(かたまる、のちの一条実良明治天皇の皇后昭憲皇太后の実兄にあたる)をモデルとすることが許可された。人形の完成後一条忠香は人形に「嘉多丸」と命名し(町では「嘉多丸君(かたまるぎみ)」と敬称している)、衣装や装飾品なども寄贈している[7][8]

なお,嘉多丸君は祭り期間は豪華な衣装を身にまとっているがそれ以外の七月十八日から翌年六月三十日(例年)の期間は普段着の振袖に着替えて休んでいる

主な装飾品

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前掛け・見送り
水引
胴掛
  • 梅に虎文 : 17世紀李氏朝鮮時代に造られた絨毯の胴懸け[11]
  • 赤地花唐草文 : ペルシア絨毯の胴懸け[11]
  • 玉取獅子文 : 中国絨毯の胴懸け[11]
その他の懸装品

脚注

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注釈

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  1. ^ 函谷鉾町の読みは「かんこぼこちょう」である[3]
  2. ^ 「かんこくほこ」「かんこくぼこ」とも。山鉾巡行の際に鉾の名を示す旗が複数あるが、「かんこくほこ」または「かんこくぼこ」と振り仮名が振られている。

出典

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  1. ^ a b c 公益財団法人函谷鉾保存会”. 公益財団法人函谷鉾保存会. 2015年11月25日閲覧。
  2. ^ 函谷鉾”. 京都観光Navi. 京都市産業観光局観光MICE推進室. 2015年11月25日閲覧。
  3. ^ 函谷鉾町”. 郵便番号検索. 日本郵便. 2020年7月21日閲覧。
  4. ^ 山鉾について 函谷鉾”. 公益財団法人祇園祭山鉾連合会. 2015年11月25日閲覧。
  5. ^ a b 函谷鉾の構造”. 公益財団法人函谷鉾保存会. 2020年7月16日閲覧。
  6. ^ a b c 真木”. 公益財団法人函谷鉾保存会. 2020年7月16日閲覧。
  7. ^ 稚児人形”. 公益財団法人函谷鉾保存会. 2020年7月16日閲覧。
  8. ^ “函谷鉾の「嘉多丸君」、モデル子孫が対面へ 祇園祭巡行にも参加”. 京都新聞. (2019年6月22日). https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/8530 2020年7月16日閲覧。 
  9. ^ a b c 前掛け・見送り 金剛界礼懺文見送”. 公益財団法人函谷鉾保存会. 2020年7月16日閲覧。
  10. ^ 水引、裾幕”. 公益財団法人函谷鉾保存会. 2020年7月16日閲覧。
  11. ^ a b c 胴掛(三種類)”. 公益財団法人函谷鉾保存会. 2020年7月16日閲覧。
  12. ^ 函谷鉾の懸装品(屋根回り)”. 公益財団法人函谷鉾保存会. 2020年7月16日閲覧。

外部リンク

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