コンテンツにスキップ

メタモーフォシス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『メタモーフォシス』
ローリング・ストーンズコンピレーション・アルバム
リリース
録音 1964年 (1964) - 1970年 (1970)
ジャンル ロック
時間
レーベル アブコ
プロデュース
専門評論家によるレビュー
  • All Music Guide 星3 / 5 link
ローリング・ストーンズ アルバム 年表
  • メタモーフォシス
  • (1975年 (1975)
テンプレートを表示

メタモーフォシス』(Metamorphosis)は、1975年にリリースされたローリング・ストーンズコンピレーション・アルバム。発売元はアブコ・レコードプロデューサーアンドリュー・ルーグ・オールダムおよびジミー・ミラー。全米8位[1]、全英45位[2]を記録。

解説

[編集]

バンドのデッカ・レコード在籍時代(1970年まで)の未発表音源を収録している。バンドのプライベートレーベルであるローリング・ストーンズ・レコードからリリースされたベスト・アルバムメイド・イン・ザ・シェイド』と同日に発売されたが、これはアブコの代表者でストーンズのデッカ時代の楽曲の著作権を握っていたアラン・クレインの戦略によるものである[3]。本作に収録されているものは全てブライアン・ジョーンズ、そしてミック・テイラーがバンドに在籍していた時代の楽曲だが、そのためかジャケットに描かれたイラストにはジョーンズとテイラーが一緒に収まっている。ジョーンズ期とテイラー期の楽曲を同時収録した編集盤は多数存在するが、2人が同一のジャケットに写っているストーンズの公式作品は、他には1977年に同じくアブコから発表された『30 Greatest Hits』(日本では『偉大なる軌跡』の邦題で発表)しかなく、極めて珍しい[4]ライナーノーツはデビュー時から1967年までバンドのマネージャー兼サウンドプロデューサーを務めたアンドリュー・オールダムによる。

本作からの先行シングルとして、「アイ・ドント・ノウ・ホワイ/トライ・ア・リトル・ハーダー」(全米42位[5])が、そしてリカットシングルとして「アウト・オブ・タイム/ジャイヴィング・シスター・ファニー」(全英45位[2]、全米81位[5])がリリースされている。なお、アメリカでは「スティック・イン・ユア・マインド」と「ウィーアー・ウェイスティン・タイム」の2曲が削除され、全14曲となっていた[3]

リイシュー

[編集]

本作は1980年代にLP盤が生産終了となってから長らく未CD化のままであったが、2002年、アブコからデッカ時代のストーンズのアルバム22作がリマスターされてハイブリッドSACDとして再発されたのに伴い、本作も再発されることになった。収録曲も全世界共通でUKオリジナル版どおりの全16曲収録となった。ただし、厳密にはシングルリリースされた上記4曲は、1989年コンピレーション・アルバムシングル・コレクション (ザ・ロンドン・イヤーズ)』に収録済みであるため、このリイシューで初CD化となるのはそれ以外の12曲ということになる[3]

収録曲

[編集]
  • ※各曲のデータの出典は2002年リイシューSACD(日本版)の越谷政義による解説より
  • ※特記なき限り、作詞・作曲はジャガー/リチャーズ

SIDE A

[編集]
  1. アウト・オブ・タイム - Out of Time 3:22
  2. ドント・ライ・トゥ・ミー - Don't Lie to Me 2:00
  3. スティック・イン・ユア・マインド - Some Things Just Stick in Your Mind 2:25
    • 1964年6月29日から7月7日にかけて、ロンドン、リージェント・サウンド・スタジオおよびデッカ・スタジオにて収録。ストーンズ&アンドリュー・オールダム・オーケストラとして録音されたもので、ビル・ワイマンおよびチャーリー・ワッツは不参加。
  4. 来る日も来る日も - Each and Everyday of the Year 2:48
    • 1964年8月31日から9月4日にかけて、リージェント・サウンド・スタジオおよびデッカ・スタジオにて収録。アメリカの歌手、ボビー・ジェイムソンに提供した曲のデモ・バージョン。
  5. ハート・オブ・ストーン - Heart of Stone 3:47
    • 1964年7月21日から23日にかけて、リージェント・サウンド・スタジオにて収録。ストーンズのイギリスでの5枚目のシングルとしてリリースされた曲の初期バージョンで、このバージョンにはジャガー以外のストーンズのメンバーは参加していない。
  6. かたくなの心 - I'd Much Rather Be with the Boys (Oldham/Richards) 2:11
    • 1965年2月、デッカ・スタジオにて録音。ストーンズの楽曲で唯一のキース・リチャーズとアンドリュー・オールダムの共作。ザ・タゲリ・ファイヴへの提供曲のデモ・バージョン。
  7. めざめぬ街 - (Walkin' Thru The) Sleepy City 2:51
    • #4と同日に収録。ザ・マイティ・アヴェンジャーへの提供曲のデモ・バージョン。
  8. ウィーアー・ウェイスティン・タイム - We're Wastin' Time 2:42
    • #4、#7と同日に収録。ジミー・ターバックへの提供曲のデモ・バージョン。
  9. トライ・ア・リトル・ハーダー - Try a Little Harder 2:17
    • #3と同日に収録。

SIDE B

[編集]
  1. アイ・ドント・ノウ・ホワイ - I Don't Know Why (Stevie Wonder/Paul Riser/Don Hunter/Lula Hardaway) 3:01
  2. イフ・ユー・レット・ミー - If You Let Me 3:17
    • 1966年8月31日から9月2日にかけて収録。
  3. ジャイヴィング・シスター・ファニー - Jiving Sister Fanny 2:45
    • 1969年5月24から7月2日にかけてのオリンピック・スタジオにおけるセッションの中で収録。テイラーも参加。
  4. ダウンタウン・スージー - Downtown Suzie (Bill Wyman) 3:52
    • 1969年4月23日、オリンピック・スタジオにて収録。「イン・アナザー・ランド」(1967年のアルバム『サタニック・マジェスティーズ』収録)と並び、ワイマンが作者としてクレジットされている曲。
  5. ファミリー - Family 4:05
    • 1968年5月、オリンピック・スタジオにて収録。
  6. メモ・フロム・ターナー - Memo from Turner 2:45
    • 1968年11月17日、オリンピック・スタジオにて収録。ジャガー主演の映画『青春の罠』(1970年)の劇中歌で、同映画のサウンドトラック収録のバージョンはジャガー単独名義でシングルリリースされ、全英32位を記録しているが、ここに収録されたバージョンはストーンズ名義で録音されたものである。
  7. アイム・ゴーイン・ダウン - I'm Going Down 2:52
    • 1970年7月14日から15日にかけて、オリンピック・スタジオにて収録。

レコーディング

[編集]
ローリング・ストーンズ[3][6][7]
ゲストミュージシャン[3][6]
スタッフ[3][6]
  • アンドリュー・オールダム - プロデューサー、ライナーノーツ
  • ジミー・ミラー - プロデューサー
  • アル・ステックラー - 企画、編纂、アート・ディレクション
  • リチャード・ロス - アート・ディレクション
  • リンダ・ガイモン - グラフィック
  • グレン・ロス - デザイン・コンセプト

脚注

[編集]

注釈

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ The Rolling Stones Chart History | Billboard
  2. ^ a b The Rolling Stones | full Official Chart History | Official Charts Company
  3. ^ a b c d e f 2002年リイシューSACD(日本版)の越谷政義による解説より。
  4. ^ アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコー・ミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)121頁
  5. ^ a b The Rolling Stones Chart History | Billboard
  6. ^ a b c Track Talk 1963-652018年4月15日閲覧
  7. ^ Track Talk 1966-702018年4月15日閲覧

外部リンク

[編集]