コンテンツにスキップ

ハート・オブ・ジ・イミグランツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ハート・オブ・ジ・イミグランツ』
アル・ディ・メオラスタジオ・アルバム
リリース
録音 ニューヨーク ザ・ヒット・ファクトリー[1]
アディショナル・レコーディング:ニューヨーク スカイライン・スタジオ、ニュージャージー州 チャーチル・デジタル・スタジオ[1]
ストリングス:カリフォルニア州ノース・ハリウッド サウンド・チェンバー[1]
ジャンル ジャズフュージョン、ワールド・フュージョン、タンゴ
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗メサ・レコーディングス
欧州連合の旗トマト・レコード
プロデュース アル・ディ・メオラ
専門評論家によるレビュー
アル・ディ・メオラ アルバム 年表
キス・マイ・アクス
(1991年)
ハート・オブ・ジ・イミグランツ
(1993年)
オレンジ&ブルー
(1994年)
テンプレートを表示

ハート・オブ・ジ・イミグランツ』(Heart of the Immigrants)は、アメリカ合衆国ギタリストアル・ディ・メオラ1993年に発表したスタジオ・アルバム。ディ・メオラがタンゴからの影響を反映したアコースティック・ユニット、ワールド・シンフォニアの2作目に当たる作品である[2]

背景

[編集]

ワールド・シンフォニアとしての第1作『ワールド・シンフォニア』に引き続き、アストル・ピアソラのカヴァーが取り上げられた[3]。ディ・メオラはピアソラと共演したことはないが、1986年に日本で対面を果たしてから親交があり[3]、「タンゴII」は生前のピアソラがディ・メオラに送った曲からの抜粋である[1]

いつか王子様が」は、元々は1937年のアニメーション映画『白雪姫』の挿入歌だが、マイルス・デイヴィスの演奏でも知られ、本作ではディ・メオラとディノ・サルーシのデュオにより、デイヴィスへの追悼曲として録音された[1]。ディ・メオラのオリジナル曲のうち「インディゴ」は、スタンリー・クラークジャン=リュック・ポンティとのコラボレーション・アルバム『スーパー・ストリングス』(1995年)でも再演されている[4]

「ナイトクラブ1960」、「売春宿1900」、「インディゴ」、「カフェ1930」の4曲はディ・メオラとクリストファー・キャリントンのツイン・ギター編成で録音され、いずれもディ・メオラの演奏が左及び中央のチャンネル、キャリントンの演奏が右チャンネルに振り分けられている[1]。これら4曲には、ヴィンス・メンドーザの指揮によるストリングスも追加された[1][5]

アルゼンチン出身の歌手/ギタリスト、ハーナン・ロメロは本作でディ・メオラとの初共演を果たし[3]、ディ・メオラの次作『オレンジ&ブルー』(1994年)では共同プロデューサーも務めている。

反響・評価

[編集]

ビルボード』のコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートでは15位を記録した[6]スコット・ヤナウオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ワールド・ミュージックや現代タンゴの愛好家、それにディ・メオラのギター演奏を単に速いだけと一面的に考えている人々にお薦めである」と評している[7]

収録曲

[編集]

特記なき楽曲はアル・ディ・メオラ作。

  1. ナイトクラブ1960 - "Nightclub 1960" (Astor Piazzolla) - 5:46
  2. ヴィスタエロ - "Vistaero" - 4:36
  3. 回転木馬のレクイエム - "Carousel Requiem" - 6:18
  4. タンゴII - "Tango II" (A. Piazzolla) - 5:35
  5. ダーク・ムーン - "Under a Dark Moon " - 5:12
  6. 売春宿1900 - "Bordel 1900" (A. Piazzolla) - 4:32
  7. インディゴ - "Indigo" - 7:05
  8. ヘル・メーター/ドント・ゴー・ソー・ファー・アウェイ - "Heru Mertar/Don't Go So Far Away" (Arto Tunçboyacıyan) - 4:39
  9. パランダ - "Parranda" - 4:25
  10. いつか王子様が - "Someday My Prince Will Come" (Frank Churchill, Larry Morey) - 5:11
  11. カフェ1930 - "Cafe 1930" (A. Piazzolla) - 6:16
  12. ゼイ・ラヴ・ミー・フロム・フィフティーン・フィート・アウェイ - "They Love Me from Fifteen Feet Away" (A. Tunçboyacıyan) - 1:24
  13. ミロンガ・デル・エンジェル - "Milonga del Angel" (A. Piazzolla) - 3:44

参加ミュージシャン

[編集]

脚注・出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g CD英文ブックレット内クレジット
  2. ^ Al Di Meola - Biography”. All About Jazz. 2016年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月9日閲覧。
  3. ^ a b c Gonzalez, Fernando (2011年7月9日). “Jazz Articles: Al Di Meola: The Endless Tango”. JazzTimes. 2016年1月7日閲覧。
  4. ^ Rite of Strings - Stanley Clarke | AllMusic
  5. ^ Al Di Meola - World Sinfonia - Heart Of The Immigrants (CD, Albums) at Discogs
  6. ^ Al Di Meola - Awards”. AllMusic. 2015年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月9日閲覧。
  7. ^ Yanow, Scott. “Heart of the Immigrants - Al di Meola's World Sinfonia”. AllMusic. 2016年1月7日閲覧。