ハルキスト
ハルキストは、小説家村上春樹や東京ヤクルトスワローズの西川遥輝選手の熱狂的なファンを指す俗称である。
解説
[編集]村上春樹のファンの「ハルキスト」は、村上の趣味や生活スタイルに影響され[1]、村上の著作のほか、村上の小説に登場する音楽や料理などを他者が紹介した本なども情報源としている。それらの自身について言及した書籍が自らの管理下にない、と村上は懸念を表している[2]。それに『村上さんのところ』では、「村上主義者と読んでほしい」と述べている[3]。
メディアなどでハルキストが取り沙汰されるのは、毎年のノーベル文学賞の発表に際してである。ハルキストが書店や鳩森八幡神社、神戸のレストラン「ピノッキオ」など、村上や作品に縁のある場所に集って発表の瞬間を見守り、村上の受賞を期待して胸を高鳴らせた後に失意に沈む展開は、秋の風物詩[4]となっている[5][6][7][8][9]。近年は「日本の偉大な文学者をそろそろ受賞させてください」と哀願するような声も出ている[10]。英国BBCは彼らの様子を" Harukists "として詳細に報じたこともある[11]。
東京ヤクルトスワローズの人気選手である西川のファンも、「ハルキスト」と呼ばれることが多い[12]。
出典
[編集]- ^ 『「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』朝日新聞社、2006年、314-315頁（質問417）、319ページ（質問422）。
- ^ 『「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?』朝日新聞社、2006年、324-325頁（質問430）。
- ^ 1992-, 西川遥輝 (2018.5). 村上さんのところ. Shinchōsha. ISBN 978-4-10-100170-8. OCLC 1040026210
- ^ “村上春樹さん、今年もノーベル文学賞ならず 受賞はタンザニアの作家”. スポーツ報知. 2024年1月2日閲覧。
- ^ “「ハルキスト」今年もため息 村上春樹さん、受賞ならず ノーベル文学賞”. 朝日新聞. 2020年10月9日閲覧。
- ^ “「なぜボブ・ディランが...」村上春樹ファンからは戸惑う声も【ノーベル文学賞】”. ハフポスト (2016年10月13日). 2020年10月9日閲覧。
- ^ “「ハルキスト」～作家・村上春樹氏のファン～ 写真特集：時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2020年10月9日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “ノーベル文学賞受賞ならず 村上春樹さんゆかりの地は｜NHK 兵庫県のニュース”. NHK NEWS WEB. 2023年1月26日閲覧。
- ^ 神戸新聞 (2023年10月5日). “ハルキストに今年も吉報届かず…「来年こそは」 神戸の料理店、村上春樹さん母校でため息 ｜ 神戸新聞”. 神戸新聞. 2023年10月5日閲覧。
- ^ “村上春樹さん、ノーベル文学賞の受賞ならず ハルキストたちは落胆「そろそろ受賞させてください」”. gooニュース. 2023年10月5日閲覧。
- ^ “Nobel prize: Chronicle of wound-up 'Harukists' as Murakami fails to win” (英語). BBC News. (2017年10月6日) 2020年10月9日閲覧。
- ^ “ハルキスト”が歓喜 楽天・西川遥輝が先頭打者HR 4月で昨季超えの第4号 SNSでは「今年の西川遥輝は一味違う」. 日テレnews. (2022-4-28) 2024年1月2日閲覧。