コンテンツにスキップ

アバカブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『アバカブ』
ジェネシススタジオ・アルバム
リリース
録音 1981年 イングランド サリー The Farm
ジャンル ポップ・ロックプログレッシブ・ロック
時間
レーベル カリスマ・レコード
プロデュース ジェネシス
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(イギリス[1]
  • 4位(ノルウェー[2]
  • 6位(オランダ[3]、ドイツ[4]
  • 7位(アメリカ[5]
  • 11位(スウェーデン[6]
  • 44位(ニュージーランド[7]
  • 62位(日本[8]
  • ジェネシス アルバム 年表
    デューク
    (1980年)
    アバカブ
    (1981年)
    スリー・サイズ・ライヴ
    (1982年)
    ミュージックビデオ
    「Abacab」 - YouTube
    「No Reply」 - YouTube
    「Man On The Corner」 - YouTube
    テンプレートを表示

    アバカブ』(Abacab)は、ジェネシス1981年に発表した11作目のスタジオ・アルバム

    背景

    [編集]

    前作『デューク』(1980年)と本作の間に、フィル・コリンズ初のソロ・アルバム『夜の囁き』(1981年)がリリースされており、同アルバムに共同プロデューサーとして参加したヒュー・パジャムが、本作ではエンジニアを務めた[9]

    アルバム・タイトルにもなった「アバカブ」の曲名は、この曲が作られた当初A(ヴァース)、B(コーラス)、C(ブリッジ)が「ABACAB」の順に構成されていたことに由来しているが、最終的な曲構成はタイトルと異なるものになった[10]

    「ノー・リプライ・アット・オール」にはアース・ウィンド・アンド・ファイアーのホーン・セクション(フェニックス・ホーンズ)が参加しているが、トニー・バンクスは当初、「ホーンの音はシンセで作れる」と主張し、この案に反対したという[11]。外部ミュージシャンを作品に起用したのはデビュー・アルバム『創世記』のストリング・セクション以来のことだった[12]。なお、ジェネシスが2010年にロックの殿堂入りを果たした際の式典では、フィッシュがCBSオーケストラのホーン・セクションを従えて「ノー・リプライ・アット・オール」のカヴァーを演奏した[13]

    本作のアルバム・ジャケットは4種類の配色が存在し[11]、左上から時計回りに青・ピンク・赤・緑のもの[14]、赤・青・黄・グレーのもの[15]、黄・赤・グレー・緑のもの[16]、グレー・黄・ピンク・青のもの[17]がリリースされた。

    反響・評価

    [編集]

    全英アルバムチャートでは、前作『デューク』(1980年)に続く2度目の1位獲得作品となった[1]。本作からは「アバカブ」(全英9位)、「キープ・イット・ダーク」(全英33位)、「マン・オン・ザ・コーナー」(全英41位)がシングル・ヒットした[1]

    アメリカのBillboard 200では7位に達し、初のトップ10入りを果たした[5]。1982年5月にはRIAAによってプラチナ・ディスクに認定され、その後も売り上げを伸ばして、1988年2月にはダブル・プラチナに認定されている[18]。また、Billboard Hot 100では「ノー・リプライ・アット・オール」が29位、「アバカブ」が26位、「マン・オン・ザ・コーナー」が40位に達している[19]

    音楽評論家のStephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて「グループはヒュー・パジャムと共に『デューク』における新機軸を更に拡大し、ポップで印象的な部分を増やしながらも、それらを最も芸術的なロックに継ぎ目なく組み込んでいる」と評している[20]

    収録曲

    [編集]

    特記なき楽曲はフィル・コリンズマイク・ラザフォードトニー・バンクスの共作。

    1. 「アバカブ」 - "Abacab" - 6:57
    2. 「ノー・リプライ・アット・オール」 - "No Reply at All" - 4:33
    3. 「ミー・アンド・サラ・ジェーン」 - "Me and Sarah Jane" (バンクス) - 6:02
    4. 「キープ・イット・ダーク」 - "Keep It Dark" - 4:32
    5. 「ドードー〜ラーカー」 - "Dodo/Lurker" - 7:31
    6. 「フー・ダニット?」 - "Who Dunnit?" - 3:24
    7. 「マン・オン・ザ・コーナー」 - "Man on the Corner" (コリンズ) - 4:27
    8. 「ライク・イット・オア・ノット」 - "Like It or Not" (ラザフォード) - 4:58
    9. 「アナザー・レコード」 - "Another Record" - 4:38

    参加ミュージシャン

    [編集]

    アディショナル・ミュージシャン

    • EWFホーンズ - ホーン・セクション (#2)
    • Tom Tom 84 - アレンジ (#2)

    脚注

    [編集]
    1. ^ a b c GENESIS songs and albums | full Official Chart history
    2. ^ norwegiancharts.com - Genesis - Abacab
    3. ^ dutchcharts.nl - Genesis - Abacab
    4. ^ Offizielle Deutsche Charts
    5. ^ a b Genesis - Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2024年4月14日閲覧。
    6. ^ swedishcharts.com - Genesis - Abacab
    7. ^ charts.org.nz - Genesis - Abacab
    8. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.160
    9. ^ Hugh Padgham | Credits | AllMusic
    10. ^ Abacab by Genesis”. Songfacts. 2024年4月14日閲覧。
    11. ^ a b 日本盤SACD(TOCG-15015)ライナーノーツ(鬼形智)
    12. ^ Genesis – Abacab Press Kit”. Atlantic Records (1981年). 23 December 2017閲覧。
    13. ^ No Reply At All History - Phish.Net - 2013年7月27日閲覧
    14. ^ Genesis - Abacab (Vinyl, LP, Album) at Discogs - BPRG
    15. ^ Genesis - Abacab (Vinyl, LP, Album) at Discogs - RBYG
    16. ^ Genesis - Abacab (Vinyl, LP, Album) at Discogs - YRGG
    17. ^ Genesis - Abacab (Vinyl, LP, Album) at Discogs - GYPB
    18. ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - "ABACAB"と入力して検索すれば表示される
    19. ^ Genesis - Chart History - Billboard Hot 100”. Billboard. 2024年4月14日閲覧。
    20. ^ Abacab - Genesis | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine