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M41 (天体)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
M41
Messier 41[1]
散開星団M41
仮符号・別名 NGC 2287
星座 おおいぬ座
見かけの等級 (mv) 4.5[1]
視直径 38.0' [2]
分類 散開星団[1]
発見
発見年 1654年以前[2]
発見者 オディエルナ[2]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  06h 46m 01.0s[1]
赤緯 (Dec, δ) −20° 45′ 24″[1]
赤方偏移 0.000078[1]
視線速度 (Rv) 23.30 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -3.99 ミリ秒/年[1]
赤緯: -1.16 ミリ秒/年[1]
距離 2,300光年[2](約0.71kpc)
M41の位置
M41の位置
物理的性質
直径 25-26光年[2]
他のカタログでの名称
Mel 52
Template (ノート 解説) ■Project

座標: 星図 06h 46m 01.0s, −20° 45′ 24″ M41 (NGC 2287) はおおいぬ座にある散開星団

概要

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シリウスの南4にあり、見つけやすい[2]。月がない晴れた夜には肉眼でもぼんやりとかすんで見ることができる。双眼鏡ではシリウスと同じ視野に見えて、ぼんやりとした丸い光の中に明るい星がくずれたX型にならんでいるのがわかる。星の配置は円形だが、中心部には星列を見る人が多い。X型に見る人も多いがV字型に見る人もいる。

アメリカのアマチュア天文家ジョン・マラスは「蝶のような印象」と記している[3]。また、イギリスの天文家ケネス・グリン・ジョーンズは「外側はほぼ円形で、中心から放射された星が曲線を作っているのがよく目立ち、ややオレンジ色の星が北と東にある」と記している[3]。ステファン・ジェームス・オメーラは、M41の中心部にある赤い星の二重星の片方の星(暗い方)について観測者たちの記録がまちまちであることに注目し、片方の赤い星が変光星ではないかと推測している[4]。中心部の赤い星(右の写真では青く写っているが、最も明るい星がそれである)は赤色巨星である。口径8cmの望遠鏡から全ての星が分離できるようになる。口径があがるにしたがって、背後の微星も見えてきて、見事なながめになる。

観測史

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1654年ごろにジョヴァンニ・バッティスタ・オディエルナが発見している[2]。しかし、紀元前325年頃にアリストテレスが著書『気象学』の中で「尾のある星」と記した[5]可能性も指摘されている[2]。オディエルナの発見は世に知られず、1704年ジョン・フラムスティード1749年ギヨーム・ル・ジャンティによって独立して発見されている[2]。フラムスティードは「おおいぬ座の12番星近くの星団」とだけ記した[2]。ルジャンティは「大犬の首ちかく、8フィート(焦点距離と思われる)の器械で見たときだけ星が識別できるが、2~3フィートの器械ではただの星雲状にしか見えない」と記した[3]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME M41. 2016年2月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2007年8月25日). “Messier Object 41”. SEDS. 2016年3月4日閲覧。
  3. ^ a b c 中野繁 1978, p. 239.
  4. ^ ステファン・ジェームス・オメーラ 2000, p. 135.
  5. ^ Hartmut Frommert, Christine Kronberg (2005年3月25日). “Messier 41 Observations and Descriptions”. SEDS. 2016年3月4日閲覧。

参考文献

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  • 中野繁『新編 星雲星団の観測』(第1)恒星社厚生閣、1978年6月15日。ISBN 978-4769900559 
  • ステファン・ジェームス・オメーラ『メシエ天体カタログ』ニュートンプレス、2000年5月。ISBN 978-4315515633 

関連項目

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