鈴木邦尚
鈴木 邦尚 すずき くになお | |
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生年月日 | 1951年??月??日 |
出生地 | 愛知県豊山町 |
出身校 | 名古屋大学 |
所属政党 | 無所属 |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 2020年11月20日 - 2024年11月19日 |
鈴木 邦尚[注 1](すずき くになお、1951年 - )は、日本の政治家。
来歴
[編集]愛知県豊山町生まれ。1974年3月、名古屋大学卒業。同年4月、名古屋市役所に入庁。市民経済局長、名古屋市代表監査委員などを歴任し、2016年6月、豊山町の副町長に就任[1]。
2020年9月、副町長を辞職し、任期満了に伴う豊山町長選挙に立候補する意向を表明した。
同年10月18日に行われた岡崎市長選挙で、「新型コロナウイルス対策として全市民に5万円を現金給付する」ことを追加公約に掲げた新人候補が、盤石と言われた自民・立憲・公明・国民民主推薦の現職の内田康宏を大差で破り、注目を集めた[2][3][注 2]。これに倣い、豊山町長選への出馬を表明していた名古屋市在住の元碧南市議会議員の角谷盛夫は、町民1人5万円の「家計支援金」と、売り上げが減った中小企業や農家などに50万円の「事業継続支援金」を配るなどの公約を掲げた。現職の服部正樹も告示日(10月27日)当日になって「町内の大学院生までの24歳以下の若者への3万円支給」を公約に付け加えた[4][5]。
鈴木は、二人の給付金公約について「コロナ禍で税収減が見込まれる中、無責任な考えだ。ばらまきはやってはいけない」と批判。町長報酬の10%カットや特養ホーム・障害者グループホームの設置、治水対策や名古屋市営バス乗り入れなど、社会的基盤の整備を地道に訴えた[4][5]。
同年11月1日、投開票。3人の得票数は鈴木:2,945票、服部:2,664票、角谷:405票。服部をわずか281票の差で制し、初当選した[4]。11月20日、町長就任[1]。
敗れた服部は11月13日、鈴木の陣営に選挙運動用ビラの違法配布など数々の選挙違反があったとして、町選挙管理委員会に選挙無効を求める異議申し出をしたが、町選管は12月14日に棄却した[5]。
2024年11月10日、任期満了に伴う豊山町長選挙では服部との一騎打ちに。服部:3,104票、鈴木:2,444票で落選となった[6]。
町政
[編集]- 2022年9月1日、性的少数者(LGBTなど)のカップルを婚姻相当とし、その未成年の子供との親子関係も自治体として認める「豊山町パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」を導入した[7]。同年10月12日、第一号となる男性カップルが鈴木から証明書を受け取った。二人は町役場で地元紙の取材に応じ、自身らの名前と写真を公表。鈴木は二人に「個を大事にする姿勢で町はいかないといけない。広めていきたい」と語った[8]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「邦」は異体字を用いる。左部分は縦棒が上に飛び出さない[1]。
- ^ 「全市民への現金または商品券の支給」が新型コロナウイルス対策の選挙公約に掲げられたのは2020年5月の小田原市長選挙が最初だった。現金支給公約を掲げる立候補者が相次ぎ、当選者の多くが公約を破棄または下方修正したため、安易な「ばらまき公約」(朝日新聞2020年12月2日社説)が社会問題となった。コロナ感染が鎮静化した2023年11月時点でも現金等の支給公約は続いている。以下はその実例。
投票日 自治体 候補者 公約 当落 結果 2020年5月17日 神奈川県小田原市 守屋輝彦 全市民10万円の現金給付 当 破棄 2020年10月18日 愛知県岡崎市 中根康浩 全市民10万円の現金給付 当 破棄 2020年11月1日 愛知県豊山町 服部正樹 大学院生までの24歳以下1人に3万円の現金給付 落 角谷盛夫 全町民5万円の現金給付 落 2020年11月15日 兵庫県丹波市 林時彦 全市民5万円の現金給付 当 2万円の商品券を世帯限定で配付する案を議会に提出、否決 2020年11月29日 三重県桑名市 倉本崇弘 全世帯3万円の商品券配布 落 2021年4月18日 香川県丸亀市 松永恭二 全市民10万円の現金給付 当 5万円減額案を議会に提出、議員提案の修正案で3万円に減額 2021年4月25日 愛知県名古屋市 横井利明 全市民2万円の商品券配布 落 2021年6月6日 愛知県半田市 久世孝宏 全市民2万円の地域振興券配布 当 議会で可決 2023年6月11日 北海道美唄市 桜井恒 全市民10万円の現金給付 当 2023年11月19日 徳島県阿南市 岩佐義弘 全世帯10万円の現金給付
18歳未満1人3万円の現金給付当
出典
[編集]- ^ a b c “『広報とよやま』2020年12月号”. 豊山町. 2023年11月23日閲覧。
- ^ 小川崇 (2020年10月21日). “1人5万円公約、お金どこから? 市長「裏技あるかも」”. 朝日新聞 2020年10月22日閲覧。
- ^ 鎌田旭昇、戸川祐馬、伊藤隆平 (2020年10月20日). “5万円給付は「秘密兵器」か「ばらまき」か 岡崎市長選、新人が現職に圧勝”. 中日新聞 2020年11月1日閲覧。
- ^ a b c 高原敦 (2020年11月3日). “「現金給付公約」批判し現職破り豊山町長に 愛知”. 朝日新聞. 2023年11月23日閲覧。
- ^ a b c 小林大晃 (2020年12月22日). “<2020年末回顧> (1)三つどもえの豊山町長選”. 中日新聞. 2023年11月23日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “愛知 豊山町長選 元町長の服部正樹氏が2回目の当選|NHK 東海のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年11月11日閲覧。
- ^ “「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」について”. 豊山町 (2022年9月7日). 2023年11月23日閲覧。
- ^ 長谷川和華 (2020年10月13日). “豊山町のパートナーシップ宣誓制度に第1号 証明書手に喜び”. 中日新聞. 2023年11月23日閲覧。
外部リンク
[編集]公職 | ||
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先代 服部正樹 |
愛知県豊山町長 2020年 - 2024年 |
次代 服部正樹 |