逆周圏論
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逆周圏論(ぎゃくしゅうけんろん)とは中央に古い現象が残存しており、その周辺により新しい現象が存在する様な地理的な分布現象の事である。
例
[編集]分かり易い例としては、日本語の方言のアクセントが典型的であるとされており、かつての文化的中心地であった京都とその周辺部には京阪式アクセント及びその変種(右図橙色および黄色)が分布し、それを取り巻く様に東海地方〜関東地方の西部及び中国地方に東京式アクセント(右図青色)が分布する。その更に周辺である関東地方の東部〜東北地方の南部及び九州地方などには、二型式アクセント(右図桃色)や一型式アクセント(無アクセント、右図白色)が分布する。これは一見すると「方言周圏論」の分布を示している様に思えるが、それぞれのアクセントを比較すると、京阪式が最も古い時代のアクセントの様相を留め、東京式はより新しい様相を、無アクセントは最も単純化した様相を示しているとも考えられる。一方で、中央の京阪式アクセントと地方の無アクセントの接触によって、東京式アクセントが生まれたとする説もあり[1]、これは逆周圏論に対立する考え方である。
また、東北地方と山陰地方には所謂ズーズー弁が離れて分布しており、これも逆周圏であるとする意見があるが、その起源には何らかのベースとなる基層語が存在したとする説もある[2]。
この様に、逆周圏論の適用がどの程度まで可能であるかは学者によって見方が異なる。
脚注
[編集]- 出典
参考文献
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- 小林, 隆『方言学的日本語史の方法』ひつじ書房〈ひつじ研究叢書(言語編)第32巻〉、2004年2月27日。ASIN 4894762005。ISBN 978-4894762008。 NCID BA67719317。OCLC 56424019。全国書誌番号:20677440 。
- 山口, 幸洋『日本語東京アクセントの成立』港の人、2003年9月20日。ASIN 4896291174。ISBN 978-4896291179。 NCID BA63612967。OCLC 54959904。全国書誌番号:20657540 。
- 岸江, 信介「山口幸洋著, 『日本語東京アクセントの成立』, 2003年9月20日発行, 港の人刊, A5判, 485ページ, 本体価格12,000円」『日本語の研究』第1巻第1号、日本語学会、2020年4月6日、84-90頁、doi:10.20666/nihongonokenkyu.1.1_84、NAID 110004818982。
- 小泉, 保『縄文語の発見』青土社、1998年5月。ASIN 4791756312。ISBN 978-4791756315。 NCID BA35911529。OCLC 41119803。全国書誌番号:99066049。