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続本朝往生伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
続本朝往生伝
續本朝往生傳
著者 大江匡房
発行日 康和3年(1101年) - 天永2年(1111年
ジャンル 往生伝
日本の旗 日本
言語 漢文
前作 日本往生極楽記
次作 拾遺往生伝
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続本朝往生伝』(ぞくほんちょうおうじょうでん)は大江匡房による往生伝康和3年(1101年)から天永2年(1111年)の間に成立した[1]

概要

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本書は、名前の通り、慶滋保胤の『日本往生極楽記(本朝往生伝)』を継ぐものとして書かれ、42人の往生者の伝記を載せている[1]。その収録者は、『日本往生極楽記』以後の人物に限られ[2][3]良源門下に集中している[1]。また、全体的に奇談・霊験談を熱心に書く一方で、往生伝と銘打つにも関わらず、往生の話が「通り一遍」でしかなかったり、そもそも往生の話を欠いているものすらある[4]

写本

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内容

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  1. 一條院
  2. 後三條院
  3. 堀河右大臣
  4. 顕基中納言
  5. 音人宰相
  6. 遍照僧正
  7. 慈忍僧正
  8. 覚運僧都
  9. 源信僧都
  10. 覚超僧都
  11. 桓舜僧都
  12. 増賀上人
  13. 任賀上人
  14. 叡実闍梨
  15. 寛印供奉
  16. 真統上人
  17. 理光闍梨
  18. 入円沙門
  19. 良範沙門
  20. 範久闍梨
  21. 成尋闍梨
  22. 能円沙門
  23. 高明沙門
  24. 安修沙門
  25. 助慶沙門
  26. 覚真阿闍梨
  27. 延慶阿闍梨
  28. 覚尊上人
  29. 賢救沙門
  30. 日円上人
  31. 慶保胤
  32. 大江為基
  33. 江定基
  34. 同挙周
  35. 源章任
  36. 源頼義
  37. 小槻兼任
  38. 隆家卿女(藤原兼経妻)
  39. 源頼俊
  40. 安養尼
  41. 尼縁妙賀茂保憲の孫娘)
  42. 源忠遠妻(源教之の孫娘)

「日本往生全伝」を基に作成

一条朝の「天下の一物」

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一条天皇伝では、一条天皇(在位: 986年 - 1011年)は多数の「天下の一物」を得たとして、それを列挙している[9]

親王 中書王
上宰 左相儀同三司
九郷 藤原実資藤原斉信藤原公任源俊賢藤原行成源扶義平惟仲藤原有国
雲客 藤原実成藤原頼定源相方源明理
管弦 源道方源済政源時中藤原高遠源信明源信義
文士 大江匡衡大江以言紀斉名菅原宣義高階積善源為憲藤原為時源孝道藤原相如源道済
和歌 藤原道信・実信・藤原実方藤原長能大中臣輔親和泉式部赤染衛門曽根好忠
画工 巨勢弘高
舞人 大伴兼時秦身高多良茂多政方
異能 私宗平三宅時弘伊勢多世越智常世公侯恒則参春時正真上勝岡大井光遠秦経正
近衛 下野重行尾張兼時播磨保信物部武文尾張兼国下野公時
陰陽師 賀茂光栄安倍晴明
有験の僧 観修勝算深覚
真言 寛朝慶円
能説の師 清範静昭院源覚珎
学徳 源信覚運実因慶祚安海清仲
医方 丹波重雅和気正世
明法 惟宗允亮惟宗允正
明経 清原善澄清原広澄
武者 源満仲源満政平維衡平致頼源頼光

「日本往生全伝」、森(2019) p. 1を基に作成

刊行本

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脚注

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参考文献

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関連項目

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