第56独立自動車化歩兵旅団 (ウクライナ陸軍)
第56独立自動車化歩兵旅団 | |
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創設 | 2015年2月23日 |
所属政体 | ウクライナ |
所属組織 | ウクライナ陸軍 |
部隊編制単位 | 旅団 |
兵科 | 自動車化歩兵 |
兵種/任務 | 陸戦 |
所在地 | ドネツィク州マリウポリ |
通称号/略称 | A0989 |
愛称 | マリウポリ |
標語 |
"Мужність єднає покоління" (勇気が世代を結びつける) |
上級単位 | 南部作戦管区 |
戦歴 |
ドンバス戦争 ロシアのウクライナ侵攻 |
指揮官 | セルヒイ・シルチェンコ大佐 |
第56独立自動車化歩兵旅団(だい56どくりつじどうしゃかほへいりょだん、ウクライナ語: 56-та окрема мотопіхотна бригада、略称56 ОМПБр)は、ウクライナ陸軍の旅団。南部作戦管区隷下。ドネツィク州マリウポリに旅団司令部を置く。
概要
[編集]ドンバス戦争
[編集]2015年2月23日、ドンバス戦争の影響に伴い、第28独立機械化旅団隷下の第21独立自動車化歩兵大隊[注 1]、第92独立機械化旅団隷下の第23独立自動車化歩兵大隊、第93独立機械化旅団隷下の第37独立自動車化歩兵大隊を基幹にドニプロペトロウシク州ドニプロで創設された。
2015年7月、ドンバス戦争に投入され、東部ドネツィク州に配備された。
2016年11月、ウクライナ海軍歩兵への編入を計画し、ドネツィク州マリウポリに移駐した。
2018年8月22日、ペトロ・ポロシェンコ大統領より、名誉称号「マリウポリ」が授与された[1]。
ロシアのウクライナ侵攻
[編集]東部・アウディーイウカ戦線
[編集]2022年1月からドンバス戦争でドネツク人民共和国と接する東部ドネツィク州ポクロウシク地区に配備されていたため、2月24日のロシアのウクライナ侵攻はそのまま開戦し、第1軍団隷下の第1独立自動車化狙撃旅団の攻勢をアウディーイウカで撃退した[2]。9月に第21独立自動車化歩兵大隊が防御していたピスキーが陥落し、12月に第59独立自動車化歩兵旅団と交代で後方に移動した[3][4]。
東部・マリウポリ戦線
[編集]2022年2月24日、隷下の第37独立自動車化歩兵大隊、後方部隊が南東部の要衝ドネツィク州マリウポリの守備隊としてウクライナ海軍の第36独立海軍歩兵旅団、ウクライナ国家親衛隊の第12特務旅団、アゾフ連隊と合同で配置され[2][5]、増援の第10独立山岳強襲旅団と4月上旬までマリウポリ港の一部を守備していたが、ロシア連邦軍に市街地を制圧され、ウクライナ軍がアゾフスタリ製鉄所と港湾地区に分断された頃には撤退していた[6][7]。4月14日、第36独立海軍歩兵旅団とアゾフ連隊が合流に成功した際、アゾフ連隊のデニス・プロコペンコ連隊長は、海兵隊を「英雄」と称賛した一方、逃亡および自発的に投降した軍人を「英雄」と呼ばないよう国民に呼びかけた[8]。
東部・南ドネツク戦線
[編集]2022年3月、東部ドネツィク州ヴォルノヴァーハ地区に再配置され、第53独立機械化旅団の救援でヴォルノヴァーハを防御したが同月に陥落した[9]。7月まで第37独立自動車化歩兵大隊がヴェリカ・ノヴォシルカを防御した[10]。
2023年2月、第21独立自動車化歩兵大隊が東部ドネツィク州ヴォルノヴァーハ地区に再配置され、ロシア軍の攻勢をヴフレダールで撃退した[11]。
東部・バフムート戦線
[編集]2023年3月、激戦地の東部ドネツィク州バフムート地区に再配置され、バフムート北に展開した[12][13]。
2023年5月5日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領より、勇気と勇敢さに対する栄誉賞を授与された[14]。
編制
[編集]- 旅団司令部(ドネツィク州マリウポリ)
- 第21独立自動車化歩兵大隊(ヘルソン州スカドフスク)
- 第23独立自動車化歩兵大隊(ドネツィク州マリウポリ)
- 第37独立自動車化歩兵大隊(ザポリージャ州プリモルスク)
- 戦車大隊 - T-64BV
- 第1小銃大隊
- 第2小銃大隊
- 第39独立小銃大隊
- 旅団砲兵群
- 本部中隊
- 第1自走砲大隊
- 第2自走砲大隊
- ロケット砲隊
- 対戦車砲隊
- 防空大隊
編制は上記のとおりとなる[15]。
2017年編制
[編集]- 旅団司令部(マリウポリ)
- 第21独立自動車化歩兵大隊(ヘルソン)
- 第23独立自動車化歩兵大隊(ザポリージャ)
- 第37独立自動車化歩兵大隊(ザポリージャ)
- 旅団砲兵群
- 本部中隊
- 榴弾砲大隊
- 対戦車砲大隊
- 防空大隊
- 戦車中隊
- 偵察中隊
- 工兵中隊
- 整備中隊
- 兵站中隊
- 通信中隊
- 衛生中隊
- 狙撃小隊
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 第21独立自動車化歩兵大隊も、ウクライナ紛争勃発に伴い編成された義勇大隊(→領土防衛大隊→独立自動車化歩兵大隊)の一つである。
出典
[編集]- ^ “Про присвоєння почесних найменувань військовим частинам Збройних Сил України та уточнення деяких найменувань”. ウクライナ大統領府 (2018年8月22日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ a b “Units defending Mariupol” (英語). MilitaryLand.net (2022年4月13日). 2023年3月17日閲覧。
- ^ “Ukraine war: 'I can't lose my country now', says platoon commander fighting in the east since 2014”. Sky News (2022年4月19日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ “Shoigu Announces Capture Of Pisky Village In Donetsk Region. This Is Fourth Such Statement Of Russia In Month”. Ukrainian News (2022年9月2日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ “Russian Invasion Of Ukraine: The Battle Of Mariupol, Or A Ukrainian Stalingrad”. ワルシャワ研究所 (2022年3月15日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ “Fighting to the last man: GUY ADAMS reveals how, deep in a network of tunnels beneath the smoking ruins of Mariupol, a diminishing band of bruised and bloodied Ukrainian soldiers is still holding out against Russian savagery”. デイリー・メール (2022年4月15日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ “Морпехи и "Азов" спасли полтысячи бойцов из порта Мариуполя – СМИ”. ウクライナ・プラウダ (2022年4月20日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ “マリウポリ防衛に参加する部隊指揮官2名、共同で呼びかけ動画公開”. ウクルインフォルム (2022年4月14日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ “Ukrainian Veterans Recall Pivotal Tank Battle In Volnovakha”. フォーブス (2022年11月9日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ “イーホル・シェフチュク”. Платформа пам'яті Меморіал Загиблі у війні Росії проти України. 2023年6月9日閲覧。
- ^ “ミハイロ・フェドロフ大臣”. テレグラム. 2023年6月9日閲覧。
- ^ “Кабмін вже в березні підготує рішення, які потрібні нашим громадам для бюджетної стійкості – звернення Президента України”. ウクライナ大統領府 (2023年3月4日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ 侵攻443日目 – バフムート戦線 ミリタリー・ランド
- ^ “ウクライナ大統領令 No. 265/2023”. ウクライナ大統領府 (2023年5月5日). 2023年6月9日閲覧。
- ^ “56th Motorized Brigade”. Military Land. 2023年6月9日閲覧。