福浦港
福浦港(ふくらこう、ふくらみなと)は、石川県羽咋郡志賀町(旧富来町)にある地方港湾。かつては福良津[1][2]、福良泊[2]とも呼ばれていた。
概要
[編集]能登半島の西端に位置し、入り江が北湾と南湾に分かれている[要出典]。奈良時代には渤海使の帰国船の造船や修理を担い[1][2]、江戸時代に入ると北前船が寄港する重要な港として発展した[1][2]。1876年、17代目日野吉三郎によって旧福浦灯台が建設され、1908年まで日野家による管理が行われた[2]。(1908年以降は福良灯台が利用されている[要出典])明治時代以降は港としての機能が低かったため、衰退の一途を辿った[2]。1965年以降は外洋漁業に向かう大型船の根拠地となっている[2]。
能登半島国定公園の景勝地である能登金剛も近いが[2]、バイパスの影響で鄙びた漁港となっている[2]。
福浦海苔
[編集]石川県志賀町(旧富来町)福浦港周辺で採れる岩のりを福浦海苔という。岩海苔が育ちやすいコンクリートで固めた「のりじま(のり畑)」で育てられ、12月(1日解禁)から1月の終わりにかけて採集される。「のりじま」は11月の終わりに、福浦漁協によるのり競売で入手される。2024年の競売では124区画の競りが行われた。一区画 5,000円から競りが始まり、中には 85,000円の区画もあった[3]。
一方、天然の岩につく海苔は特に美味である。採取した海苔は、水洗いののち、型枠でかたちを整え、竹の籠におとし、水を切る。水が切れたら、風通しのよいところで3、4日干す。完全に乾燥したら、竹の籠からはがして石をとり、袋詰めして完成する[4]。ただし、採取・加工した福浦海苔は自家用で消費され、ほとんど市場に出ることはない。漁協の販売価格は、10枚1束2500円(税込み)で販売する[5]。
あぶった海苔に醤油をつけてご飯とともに食べたり、あるいは鍋料理(貝焼き)にしたりなど、味と香りが豊かである[4]。
脚注
[編集]- ^ a b c “福浦港”. ほっと石川旅ねっと. 石川県観光連盟. 2022年3月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “~渤海国使も足跡を残した~ 福浦港の「みなと文化」”. 一般財団法人みなと総合研究財団. 2022年3月閲覧。
- ^ “能登外浦に岩ノリの季節 志賀・福浦港、採取本格化 |地域|石川のニュース|北國新聞”. 北國新聞 (2023年12月7日). 2024年12月1日閲覧。
- ^ a b 『福浦ものがたり』福浦区史編纂委員会、2004年6月30日、186頁。
- ^ “能登外浦に岩ノリの季節 志賀・福浦港、採取本格化 |地域|石川のニュース|北國新聞”. 北國新聞 (2023年12月7日). 2024年12月1日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 福浦港 - 石川県土木部港湾課
- ほっと石川旅ねっと 福浦港 - 石川県観光連盟