気仙沼湾横断橋
気仙沼湾横断橋(かなえおおはし) | |
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2021年10月4日、気仙沼市大浦「気仙沼湾横断橋 展望スポット」より撮影。 | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 宮城県気仙沼市 |
交差物件 | 気仙沼湾 |
用途 | 道路橋 |
路線名 | E45 国道45号 三陸沿岸道路 気仙沼道路 |
管理者 | 国土交通省東北地方整備局仙台河川国道事務所 |
設計者 | 長大、大日本コンサルタント |
施工者 |
上部工:高田機工、横河ブリッジ、JFEエンジニアリング・IHI・日本ファブテックJV、エムエムブリッジ・宮地エンジニアリング・川田工業JV 下部工:鹿島建設、東亜建設工業、不動テトラ |
着工 | 2014年(平成26年)6月29日 |
開通 | 2021年(令和3年)3月6日[1][2] |
座標 | 北緯38度53分36.4秒 東経141度35分33.1秒 / 北緯38.893444度 東経141.592528度座標: 北緯38度53分36.4秒 東経141度35分33.1秒 / 北緯38.893444度 東経141.592528度 |
構造諸元 | |
形式 | 斜張橋・連続箱桁橋 |
材料 | 鋼 |
全長 | 1,344 m |
幅 | 12 - 14 m |
桁下高 | 32 m |
最大支間長 | 360 m |
地図 | |
気仙沼湾横断橋の位置 | |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
気仙沼湾横断橋(けせんぬまわんおうだんきょう)は、宮城県気仙沼市にある道路橋。大川河口部と気仙沼湾湾奥部に架かる長大橋で、海上部は東北地方で最大の斜張橋である[3]。
概要
[編集]三陸沿岸道路(三陸縦貫自動車道)として2011年(平成23年)度に新規事業化された気仙沼道路の気仙沼湾横断部に設けられた橋梁である。市街地の山側を迂回している国道45号気仙沼バイパスに対して、気仙沼道路は建設費圧縮、距離短絡の観点から海側を短絡するルートが採用され、大川河口部、朝日埠頭、気仙沼湾湾奥部を南北に横断する。南側には気仙沼港インターチェンジ、北側には浦島大島インターチェンジが設けられている。気仙沼中央IC - 唐桑半島IC間の総事業費は1365億円で、うち気仙沼湾横断橋の事業費は443億円[注釈 1][4]。2014年(平成26年)6月29日に着工式を挙行し、下部工・上部工の工事が進められ、2020年(令和2年)10月9日には名称が仮称と同じ「気仙沼湾横断橋」に正式決定した[5]。愛称は「かなえおおはし」で[6]、2021年(令和3年)3月6日に供用開始した[1][2]。2022年度(令和4年度)に土木学会田中賞(作品部門)を[7]、2023年度(令和5年度)にグッドデザイン賞を[8]、2024年度(令和6年度)に土木学会デザイン賞 最優秀賞 をそれぞれ受賞した[9]。
構造
[編集]- 橋長 : 1,344 m(海上部680 m + 陸上部664 m)
- 道路規格 : 第1種第3級(設計速度80 km/h)
- 幅員 : 陸上部12.0 m、海上部14.0 m
- 車線数 : 完成2車線
- 構造
- 海上部 : 3径間連続鋼斜張橋
- 陸上部 : 鋼7+3径間連続箱桁橋
構造は他にも、吊橋案、複合斜張橋案、トラス橋案、PCラーメン箱桁+PC斜張橋案、ニールセンローゼ桁橋案が提案され、美観や維持管理性、海上部の施工期間短縮を考慮した構造に決定された[10]。桁下高は津波漂流物に衝突しないこと、既往来船舶の高さ以上であることを踏まえ32 mにされた[11]。なお、主塔には点検用エレベータが設置される。
A1橋台 | P1橋脚 | P2橋脚 | P3橋脚 | P4橋脚 | P5橋脚 | P6橋脚 | P7橋脚 | P8橋脚 | P9橋脚 | P10橋脚 | P11橋脚 | P12橋脚 | A2橋台 | |||
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上部工 | 鋼3径間連続箱桁橋 | 鋼7径間連続箱桁橋 | 鋼3径間連続斜張橋 | |||||||||||||
下部工 | 逆T式 | 張出式 | 壁式小判型 中空 |
壁式中空 | 張出式中空 | 壁式中空 | 逆T式 | |||||||||
基礎 | 場所打杭 | 直接 | 場所打杭 | 鋼管矢板 | 組杭深礎 |
2022年(令和4年)11月24日に開通後初めての点検が行われ、足場の設置や目視による点検が困難な部位が多いためドローンや自動ロボットを用いた点検が試験的に実施された[12]。東北地方整備局は今回の点検を踏まえて新たな点検マニュアルを取りまとめる方針である[12]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2011年当初は213億円の計上であった
出典
[編集]- ^ a b 『宮城県内の復興道路が完成へ!仙台市と宮古市が直結! 三陸沿岸道路「気仙沼港IC〜唐桑半島IC」間が令和3年3月6日(土)15時30分に開通』(PDF)(プレスリリース)仙台河川国道事務所/宮城県/気仙沼市、2021年1月29日。オリジナルの2021年2月7日時点におけるアーカイブ 。2021年3月6日閲覧。
- ^ a b “気仙沼湾横断橋が開通 仙台-宮古、高速道で直結”. 河北新報. (2021年3月6日). オリジナルの2021年3月6日時点におけるアーカイブ。 2021年3月6日閲覧。
- ^ http://genba-story.com/miyagi1/about.html 小々沙地区下部工HP
- ^ 青野 昌行. “別枠予算で巨大事業を強力に推進”. 日経クロステック. 2021年2月28日閲覧。(要購読契約)
- ^ 『気仙沼湾に架かる橋梁の名称が『気仙沼湾横断橋』に決定しました! ご協力ありがとうございました。』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局/仙台河川国道事務所/宮城県/気仙沼市、2020年10月9日。オリジナルの2021年3月6日時点におけるアーカイブ 。2021年3月6日閲覧。
- ^ “三陸沿岸道・気仙沼湾横断橋 愛称「かなえおおはし」に”. 河北新報. (2020年12月29日). オリジナルの2020年12月29日時点におけるアーカイブ。 2021年3月6日閲覧。
- ^ “令和4年度土木学会賞受賞一覧”. 土木学会 (2023年5月15日). 2023年8月17日閲覧。
- ^ “気仙沼湾横断橋”. グッドデザイン賞 (2023年10月5日). 2023年10月6日閲覧。
- ^ “気仙沼湾横断橋”. 選考結果について. 土木学会 (2024年11月27日). 2024年11月27日閲覧。
- ^ https://kensetsunewspickup.blogspot.com/2013/06/13.html?m=1
- ^ 『三陸沿岸道路 気仙沼道路「(仮称)気仙沼湾横断橋」建設に伴う漁業補償契約調印式 開催のお知らせ 〜(仮称)気仙沼湾横断橋の斜張橋部に工事着手〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省/仙台河川国道事務所、2015年7月1日。オリジナルの2019年2月9日時点におけるアーカイブ 。2021年3月6日閲覧。
- ^ a b “宮城・気仙沼湾横断橋の点検に最新技術を活用 安全性を高めて効率化”. 東日本放送. (2022年11月25日) 2023年12月16日閲覧。
参考文献
[編集]- 松居茂久. “気仙沼湾横断橋、津谷川橋など長大橋が続々と進捗 仙台河川国道事務所 復興・復興支援道路建設佳境へ”. 道路構造物ジャーナルNET. 鋼構造出版. 2017年11月27日閲覧。
- 井手迫瑞樹. “水尻橋・立沢川橋・蛇王川橋・赤牛川橋・気仙沼湾横断橋P12 仙台河川国道 復旧・復興道路の現場を巡る”. 道路構造物ジャーナルNET. 鋼構造出版. 2017年11月27日閲覧。