コンテンツにスキップ

幸楽苑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社幸楽苑
KOURAKUEN CORPORATION[広報 1]
幸楽苑本社
幸楽苑本社
種類 株式会社
機関設計 監査役会設置会社[1]
市場情報
東証プライム 7554
2002年3月20日上場
本社所在地 日本の旗 日本
963-0724[広報 1]
福島県郡山市田村町上行合字北川田2番地1[広報 1]
北緯37度22分19.3秒 東経140度23分50.6秒 / 北緯37.372028度 東経140.397389度 / 37.372028; 140.397389座標: 北緯37度22分19.3秒 東経140度23分50.6秒 / 北緯37.372028度 東経140.397389度 / 37.372028; 140.397389
設立 1970年昭和45年)11月11日[広報 1]
業種 小売業
法人番号 2380001005074
事業内容
代表者 代表取締役会長兼社長 新井田傳[広報 1]
資本金 29億8827万3千円
(2020年4月1日現在)[広報 1]
発行済株式総数 1677万4841株
(2021年3月31日現在)[2]
売上高 連結:265億6590万3千円
単体:96億1877万3千円
(2021年3月期)[2]
営業利益 連結:△17億2987万3千円
単体:△2億762万3千円
(2021年3月期)[2]
経常利益 連結:△9億6913万4千円
単体:△1億4029万円
(2021年3月期)[2]
純利益 連結:△8億4167万6千円
単体:△9255万5千円
(2021年3月期)[2]
純資産 連結:31億6390万3千円
単体:61億6878万8千円
(2021年3月31日現在)[2]
総資産 連結:171億9802万8千円
単体:160億1596万8千円
(2021年3月31日現在)[2]
従業員数
  • 連結:814名
  • 単体:169名
  • (2021年3月31日現在)[2]
決算期 3月31日
会計監査人 EY新日本有限責任監査法人[広報 1]
主要株主
主要子会社 Revolutionary・Development・Company 100%
関係する人物 新井田司(創業者)
外部リンク www.kourakuen.co.jp ウィキデータを編集
特記事項:2015年(平成27年)7月1日に持株会社体制に移行し、直営飲食事業を会社分割により子会社に承継[3]。2024年(令和6年)10月1日に子会社を吸収合併し、純粋持株会社体制を解消して再び株式会社幸楽苑に商号変更
テンプレートを表示

株式会社幸楽苑(こうらくえん、: KOURAKUEN CORPORATION)は、福島県郡山市に本部を置くラーメンチェーン経営企業。

2003年(平成15年)に東京証券取引所第一部に上場[広報 2]。ラーメンチェーン店大手の一つ[4]

概要

[編集]

福島県で創業し、東北地方および関東地方甲信越地方静岡県ドミナント戦略を展開[4]

かつて業績は好調であったが、後に悪化。2014年(平成26年)3月期に店舗全体の約四分の一にあたる128店、2015年(平成27年)3月期には34店舗を閉鎖したものの、94店舗が赤字店となるなど業績不振となったため、2015年(平成27年)5月末時点でに501店舗へ減少するなど赤字店舗が相次いでいる[4]。そのため、2018年(平成30年)3月期において、金融機関と締結した財務制限条項に抵触したため、決算短信に「継続企業に関する重要事象」が記載されることになった[5]

2015年(平成27年)5月26日に290円(税別)の中華そばの販売を終了し、520円(税別)の新商品「醤油らーめん司」に切り替えた[4]。この発表は、幸楽苑が高価格路線を目指して大きな賭に出たと話題を呼んだ[6]

2011年(平成23年)9月にタイ現地法人「幸楽苑タイランド」を設立し[7]、2012年(平成24年)にタイ1号店としてバンコクに「エカマイ店」を開店して海外に初出店した[広報 3]。しかし売上が伸び悩んだことから、2016年(平成28年)3月31日に幸楽苑タイランドを解散することを決定[7]。同年6月16日にタイ現地の食品製造会社「タイ・プレジデント・フーズ」とフランチャイズ契約を締結し、同社に2店舗の運営を継承することになった[8]

長きにわたりラーメンチェーン店「幸楽苑」の展開を主としていたが、2017年にペッパーフードサービスとフランチャイズ契約を結び、同社が展開する「いきなり!ステーキ」のフランチャイズ展開を行うことになった。北海道西日本愛知県岐阜県富山県以西)にあった幸楽苑をすべて閉店し、いきなり!ステーキへの転換を進めた。

2020年1月6日、「収益重視型経営への改革の一環」として、51店舗を閉店・業態転換すると発表[9]。しかし、その後の新型コロナウイルス感染症が拡大する環境下での業績不振は回避できず、2023年5月15日、翌月の株式総会で新井田昇社長が退任し、創業者の新井田傳が社長に復帰する人事を発表した[10]

沿革

[編集]
290円時代の店舗外観
  • 2015年(平成27年)
    • 5月15日 - 「株式会社幸楽苑分割準備会社」を設立[3]
    • 5月26日 - 主力商品であった中華そば(税別290円)を販売終了し、新商品「醤油らーめん司」(税別520円)に切り替え[4]
    • 7月1日 - 持株会社体制に移行し、株式会社幸楽苑ホールディングスに商号変更[3]。「株式会社幸楽苑分割準備会社」を「幸楽苑」と商号変更し、直営飲食事業を会社分割により子会社に承継する[3]
    • 広島県1号店として広島市に「イオンモール広島祇園店」を開店[広報 3]
  • 2016年(平成28年)
    • 3月31日 - タイ現地法人「幸楽苑タイランド」を解散することを決定[7]
    • 6月16日 - タイ現地の食品製造会社「タイ・プレジデント・フーズ」をとフランチャイズ契約を締結[8]
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)
  • 2019年(平成31年/令和元年)
  • 2023年(令和5年)
    • 9月1日 - 店舗サポート部を店舗運営部、郡山生産センターを郡山工場、小田原生産センターを小田原工場にそれぞれ改称[16]
    • 9月30日 - 9月末までに各ECモール店を閉じて通販事業から撤退[16]
    • 11月1日 - 通販事業部を廃止[16]
  • 2024年(令和6年)
    • 10月1日 - 幸楽苑を吸収合併し、純粋持株会社体制を解消して再び株式会社幸楽苑に商号変更[17]

出店地域

[編集]

2015年(平成27年)5月末時点で501店舗[4]

現在

[編集]

過去

[編集]

一度進出したが、赤字店舗が続出したことで撤退した地域

メニュー

[編集]
中華そば
  • 季節メニューとして、夏の「冷し中華」や「つけめん」などがある。
  • 「半ちゃんラーメン」は「幸楽苑」の商標登録(商標登録第1523776号)である。ただし、その由来は麻雀半荘(はんちゃん)で[広報 9]、半量のチャーハンに由来するわけではない。また、商標登録の指定商品は「中華そばのめん」、「即席中華そばのめん」とされており、チャーハンとラーメンのセットには商標権は及ばない。
  • 最もベーシックなメニューであった「中華そば」の価格は、2006年5月以降に390円(税別)から290円(税別)に値下げ。これは、さらなる集客効果を図るとともに、他のサイドメニューを購入しやすくして客単価を引き上げ、利益率を改善させるのが主な目的であった。
  • 2015年(平成27年)5月26日に主力メニューであった中華そば(税別290円)を販売終了し、新商品「醤油らーめん司」(税別520円)に切り替え。後に名称を「極上中華そば」に変更した[4]
  • 2019年(令和元年)8月現在の主力メニューは「味噌野菜たんめん」(税別640円。販売開始時の名称は「味噌野菜らーめん」であった)となっている。

商品等の企画

[編集]
  • 2006年に中華そばを値下げした際、来客数と売上は伸びたが、原価率の高い中華そばを注文する客が60%になり、顧客単価が下がったことで業績が悪化し、当時の社長は責任を取って退任した[18]。この状況で再就任した次の社長は対応策として、新メニューの追加やセットメニューの割引率を抑制するなどの「メニューの見直し・変更」や、店の薦めるメニューを上に配置して290円の中華そばが目立たないようにする「メニューの“見せ方”の変更」を行なった[19]。その効果が出て、中華そばの注文率は20%台まで下がり客単価の向上を果たしたことで、業績回復に成功した[19]
  • 2009年5月1日、パッケージライセンス契約をハンバーグレストランチェーンの株式会社フライングガーデンと締結。
  • 2014年4月、サンヨー食品からカップ麺「サッポロ一番 幸楽苑シリーズ」(極旨醤油らーめん・味噌らーめん・塩らーめん)が期間限定で全国発売された。
  • 2014年から毎年8月21日には「福島県民の日」のイベントとして、当日に福島県内の幸楽苑で食事をした人全員にギョーザ無料券の配布を行っている[20]
  • 2018年11月15日から25日までの間、1997年(平成9年)当時の「幸楽苑」「会津っぽ」とは別業態の「㐂伝(きでん)」(「㐂」は「喜」の草書体で、3つで構成する「森」「轟」と同型の文字)という屋号で、絞り込んだメニューを提供する店舗を出店していたのを記念して「㐂伝(きでん)らーめん」を限定復活させた[21]

ラジオ

[編集]

創業70周年を記念して2024年5月1日よりラジオ番組幸楽苑スピリット あなたにこの一杯の放送を開始

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 既存店である「会津っぽ」、「㐂伝きでん(「㐂」は「喜」の草書体で、3つで構成する「森」「轟」と同型の文字)」は順次「幸楽苑」に転換された、中華そばを税込価格410円(店内外の目立つ表示は税別390円)で販売。
  2. ^ 国税庁は総額表示の「具体的な表示例」として下記のように説明している。
    例えば、次に掲げるような表示が「総額表示」に該当します。
    ・10,290円
    ・10,290円(税込)
    ・10,290円(税抜9,800円)
    ・10,290円(うち消費税等490円)
    ・10,290円(税抜9,800円、消費税等490円) [ポイント]
    支払総額である「10,290円」さえ表示されていればよく、「消費税額」や「税抜価格」が表示されていても構いません[11]

出典

[編集]
  1. ^ 組織図 - 株式会社幸楽苑ホールディングス
  2. ^ a b c d e f g h i 2021年3月期 有価証券報告書”. 株式会社幸楽苑ホールディングス. 2021年8月14日閲覧。
  3. ^ a b c d “幸楽苑が持株会社化 7月 運営部門分割し子会社に”. 福島民報 (福島民報). (2015年5月9日) 
  4. ^ a b c d e f g “幸楽苑が看板商品終了 次は赤字店に「メス」”. 週刊東洋経済 2015年6月20日号 (東洋経済新報社). (2015年6月15日) 
  5. ^ データを読む 上場企業 2018年3月期決算 「継続企業に関する重要事象」の初記載は、サノヤスHD・幸楽苑HDなど8社 東京商工リサーチ 2018年5月21日
  6. ^ 幸楽苑「290円ラーメン」販売中止の衝撃 高単価路線への転換で大勝負へ 東洋経済オンライン 2014年11月29日
  7. ^ a b c d “幸楽苑、タイから撤退 戦略再構築、海外進出引き続き挑戦”. 福島民友新聞 (福島民友新聞社). (2016年4月1日) 
  8. ^ a b “「幸楽苑」タイ2店舗は継続 現地企業とフランチャイズ契約”. 福島民友新聞 (福島民友新聞社). (2016年6月17日) 
  9. ^ 幸楽苑/「収益重視型経営」シフト51店を閉店”. 流通ニュース. 2021年8月16日閲覧。
  10. ^ 幸楽苑HD社長に創業者が復帰”. 日本経済新聞 (2023年5月15日). 2023年5月16日閲覧。
  11. ^ No.6902「総額表示」の義務付け〔平成22年4月1日現在法令等〕 - 国税庁
  12. ^ ”幸楽苑、いきなり!ステーキとFC契約 福島に12月・1号店”. 福島民友新聞 (福島民友新聞社). (2017年10月28日)
  13. ^ ダイニングイノベーション×幸楽苑ホールディングス 「焼肉ライク」郊外モデル共同開発プロジェクト発足”. PR TIMES (2018年12月26日). 2019年9月19日閲覧。
  14. ^ アークランドサービスホールディングス株式会社と株式会社幸楽苑ホールディングスが業務提携FC1号店「からやま岡崎伊賀店」が9月13日(金)OPEN!”. PR TIMES (2019年9月4日). 2019年9月19日閲覧。
  15. ^ “「幸楽苑」150店で臨時休業 郡山の工場が浸水被災”. テレ朝news (テレビ朝日). (2019年10月15日). https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/amp/000166871.html 2020年9月20日閲覧。 
  16. ^ a b c ラーメン大手の幸楽苑が通販事業から撤退へ 楽天など各ECモール店は9月末までに閉店”. 福島民報. 2023年8月24日閲覧。
  17. ^ 幸楽苑ホールディングス、子会社の幸楽苑を吸収合併」『M&Aニュース』日本M&Aセンター、2024年5月27日。2024年6月13日閲覧。
  18. ^ 売行好調なのに業績が悪化するその訳とは?〔1〕 - All About 2007年6月28日
  19. ^ a b 売行好調なのに業績が悪化するその訳とは?〔2〕 - All About 2007年6月28日
  20. ^ 幸楽苑がギョーザ無料券を配布 21日の「福島県民の日」に 福島民報 みんゆうNET 2017年8月18日(2017年8月29日閲覧)
  21. ^ 幸楽苑、「㐂伝(きでん)らーめん」復活 期間、数量限定で販売」『福島民友新聞社』。2018年11月30日閲覧。

広報資料・プレスリリースなど一次資料

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i 幸楽苑 会社概要”. 幸楽苑. 2020年4月1日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 幸楽苑 沿革・社史 2000年代”. 幸楽苑. 2017年3月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 幸楽苑 沿革・社史 2000年代”. 幸楽苑. 2017年3月14日閲覧。
  4. ^ a b 幸楽苑 沿革・社史 1960年代”. 幸楽苑. 2017年3月14日閲覧。
  5. ^ a b c d 幸楽苑 沿革・社史 1970年代”. 幸楽苑. 2017年3月14日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h 幸楽苑 沿革・社史 1980年代”. 幸楽苑. 2017年3月14日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g 幸楽苑 沿革・社史 1990年代”. 幸楽苑. 2017年3月14日閲覧。
  8. ^ 株式会社フライングガーデンとのパッケージ・ライセンス契約締結に関するお知らせ 株式会社幸楽苑・プレスリリース2009年5月1日
  9. ^ FAQ & お問い合わせ:幸楽苑について 「幸楽苑」

関連企業

[編集]
  • ニイダ麺販 - 1988年に幸楽苑の生麺、冷凍生餃子の販売会社として新井田武男が創業。

外部リンク

[編集]