加賀笠間駅
加賀笠間駅 | |
---|---|
西口(2020年3月) | |
かがかさま Kaga-Kasama | |
◄美川 (4.0 km) (2.5 km) 西松任► | |
所在地 | 石川県白山市笠間町 |
所属事業者 | IRいしかわ鉄道 |
所属路線 | ■IRいしかわ鉄道線 |
キロ程 |
32.6 km(大聖寺起点) 米原から162.8 km |
電報略号 | カマ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- |
1,565人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1923年(大正12年)8月1日[1][2] |
備考 | 無人駅[3][4] (自動券売機 有) |
加賀笠間駅(かがかさまえき)は、石川県白山市笠間町にある、IRいしかわ鉄道線の駅である。
歴史
[編集]年表
[編集]- 1923年(大正12年)8月1日:国有鉄道北陸本線の美川駅 - 松任駅間に新設開業する(一般駅)[1][2]。
- 1963年(昭和38年)11月1日:貨物の取扱を廃止し、旅客駅となる[5]。
- 1971年(昭和46年)10月1日:荷物の取扱を廃止する[6]。無人駅となる[7](運転扱い要員のみ継続配置[8])。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる[5]。
- 2017年(平成29年)4月15日:ICカード「ICOCA」の利用が可能となる[9][10][11][12][13]。
- 2021年(令和3年)4月1日:終日無人化[3][4]。
- 2024年(令和6年)3月16日:北陸新幹線 金沢駅 - 敦賀駅延伸開業に伴い、IRいしかわ鉄道の駅になる。
駅名の由来
[編集]所在地名が由来となったが、国鉄には既に笠間駅(水戸線)が存在したため旧国名を冠した。
駅構造
[編集]相対式ホーム2面2線[2]を有する地上駅[1]。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。かつては混合ホーム2面3線で上り線に待避線があったが、レールを撤去してこの構造となった[1]。互いのホームは跨線橋で連絡している[1]。
かつては西口のみ木造駅舎が設置されていたが、駅の東側地域に新興住宅地が広がったのち、旧3番のりば跡に東口の駅舎が設置された。東口の待合所には廃車となった特急列車のシートを利用して作られたベンチが設置されていたが[1][2]、駅舎が建て替えられた際に撤去された。
金沢駅が管理する無人駅[3]。以前は簡易委託駅で駅の運営や清掃業務、防犯活動などは任意団体の「加賀笠間駅振興協議会」が行っていた[2][14][15]。
のりば
[編集]のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■IRいしかわ鉄道線 | 下り | 金沢方面[16] |
2 | 上り | 小松・福井方面[16] |
- 長らくのりば番号が設定されていなかったが、2018年までに改めて設定された。
-
東口の旧待合所(2009年3月)
-
ホーム(2009年3月)
利用状況
[編集]2019年(令和元年)度の1日平均乗車人員は1,565人である[統計 1]。
「石川県統計書」および「白山市統計書」によると、近年の1日平均乗車人員の推移は以下のとおりである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|
2000年(平成12年) | 1,141 | [統計 2] |
2001年(平成13年) | 1,237 | [統計 2] |
2002年(平成14年) | 1,320 | [統計 2] |
2003年(平成15年) | 1,375 | [統計 2] |
2004年(平成16年) | 1,398 | [統計 2] |
2005年(平成17年) | 1,395 | [統計 3] |
2006年(平成18年) | 1,391 | [統計 3] |
2007年(平成19年) | 1,429 | [統計 3] |
2008年(平成20年) | 1,498 | [統計 3] |
2009年(平成21年) | 1,521 | [統計 3] |
2010年(平成22年) | 1,502 | [2][統計 4] |
2011年(平成23年) | 1,496 | [統計 4] |
2012年(平成24年) | 1,498 | [統計 4] |
2013年(平成25年) | 1,533 | [統計 4] |
2014年(平成26年) | 1,489 | [統計 4] |
2015年(平成27年) | 1,552 | [統計 5] |
2016年(平成28年) | 1,619 | [統計 5] |
2017年(平成29年) | 1,663 | [統計 5] |
2018年(平成30年) | 1,612 | [統計 5] |
2019年(令和元年) | 1,565 | [統計 1] |
駅周辺
[編集]北陸新幹線「白山駅」設置構想
[編集]白山駅(はくさんえき)は、石川県白山市が北陸新幹線金沢駅 - 小松駅間に設置を要請していた北陸新幹線の鉄道駅である。駅名は仮称である。当初白山総合車両所に在来線新駅と新幹線乗降場、後に当駅の周辺に新幹線新駅を設置する構想を立てていた[17][18]。隣の松任駅に特急が毎日上下合わせて14本停車しているが、この構想が実現すれば白山市において特急列車の停車がなくなることの代替措置となり[19][20]、大都市との速達性の低下を避けるとともに[21]、新たな観光ルートも創設し得る[22]、と白山市は説明していた。内閣総理大臣を務めた森喜朗が長きに渡りこの構想を提唱し、周辺地域では「目指せ!白山駅」などといった広告が多く出ていた。これに対し2016年11月、JR西日本は採算面などから新駅設置に難色を示し、2017年3月14日、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は新駅設置見送りを決定した。これを受け同年4月、地元自治体他による「北陸新幹線(仮称)白山駅建設期成同盟会」(会長は白山市長の山田憲昭、当時)は設置断念を表明。同年5月末をもって解散した。各民間団体も新駅誘致運動を終了している。
歴史
[編集]- 2016年(平成28年)
- 11月10日:石川県知事の谷本正憲は、与党PTの福井駅先行開業等検討委員会に駅の設置を要請し、これを受けた政府・与党は設置を検討した[27][28]。しかしながら、金沢駅に約15kmと比較的近く、工期が7年8ヶ月~9年3ヶ月、建設費は約100億 - 150億円(地元負担はその約3分の1)も掛かるため、国土交通省は「駅設置に伴う費用増を賄うだけの需要が見込めない」と指摘した。
- 11月16日:JR西日本社長(当時)の来島達夫は、定例記者会見において「新駅を造るにふさわしいかどうかは、これから国の議論になる」と前置きし、特急列車が停車する最寄りの松任駅の利用状況(特急列車では一日当たり約100~200人)[29] を踏まえ「2022年度末の敦賀開業に向け、限られた時間の中で工事が進んでいる。この時期になって、新しい駅というのは難しい」[29]、「(新幹線も北陸本線と似たルートを通るため、白山駅の利用者も)相当少なくなってしまう」[29] との懸念を表明した。
- 11月24日:山田は記者会見において、与党PTの検討委員会が設置を認めなかった場合、新幹線新駅を断念する意向を示した[30]。
- 12月21日:来島は記者会見において、白山駅は需要が見込めず停車駅の増加で運行ダイヤの弾力性がなくなることを指摘し、「非常に難しい」と改めて否定的な見解を示した[31]。
- 2017年(平成29年)
新駅構想の内容
[編集]全国に5つある新幹線総合車両所(総合車両基地)のうち地元自治体に新幹線駅が建設されていない総合車両所は白山総合車両所だけであるという現状認識から、当初は国の事業として白山総合車両所に新幹線乗降場を設置することを求めていた。しかし総合車両所内に乗降場を設置する場合、福井・大阪方面への延伸後のダイヤ調整など困難な問題が多く、白山市が整備費を負担する請願駅として本線上に新駅を設置する構想に変更した。 実際に駅を設置する場合、新幹線の停車駅が一駅増えることに伴うダイヤ調整や速達性の維持、工事計画や運行管理システムの変更、財源や収支採算性の確保が必要となっていた。 以下は北陸新幹線(仮称)白山駅建設期成同盟会の資料[34]による駅構造・駅施設の概要である。
- シンプルで機能的な白山駅を計画。
- 高架駅。新幹線の高架下には駐輪場やレンタカー店舗等を設置。
- 新幹線側の駅前には、駅支援機能となる仮称「白山まるごと物産館」やバスターミナル、パークアンドライドやキスアンドライドの駐車場を整備。
利用予測
[編集]白山市及び北陸新幹線(仮称)白山駅建設期成同盟会では、1日の平均乗降客数を約6700人と想定していた[35]。
隣の駅
[編集]脚注
[編集]記事本文
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f 川島 2010, p. 46.
- ^ a b c d e f 朝日 2012, p. 21.
- ^ a b c “3月で6駅無人化 七尾・北陸線 JR西、利用減少”. 北國新聞. (2021年2月27日). オリジナルの2021年2月27日時点におけるアーカイブ。 2021年2月27日閲覧。
- ^ a b “七尾線の高松駅 無人化で住民「寂しい」”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北國新聞). (2021年3月13日) 2021年9月21日閲覧。
- ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、136頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 「日本国有鉄道公示第371号」『官報』1971年9月29日。
- ^ 「通報 ●小舞子ほか4駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1971年9月29日、5面。
- ^ 「営業体制近代化」『交通新聞』交通協力会、1971年10月6日、1面。
- ^ 『北陸線(大聖寺駅~金沢駅間)IRいしかわ鉄道線、城端線(高岡駅~新高岡駅間)4月15日ICOCAサービスご利用開始~石川と富山がICOCAでつながる~』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道/IRいしかわ鉄道/あいの風とやま鉄道、2017年1月31日。オリジナルの2019年5月25日時点におけるアーカイブ 。2020年2月1日閲覧。
- ^ 『交通ICカード「ICOCA」の利用範囲拡大等について』(PDF)(プレスリリース)あいの風とやま鉄道、2017年1月31日。オリジナルの2019年5月25日時点におけるアーカイブ 。2020年2月1日閲覧。
- ^ “JR西日本、ICカード「ICOCA」を金沢地区・新高岡地区へ導入”. トラベルWatch (2016年2月16日). 2021年9月21日閲覧。
- ^ “富山に続き石川も「ICOCA」エリアに 4月15日、3社相互利用開始”. 乗りものニュース (2017年2月1日). 2021年9月21日閲覧。
- ^ “金沢でイコカ利用可能に 石川、富山の19駅”. 産経フォト (2017年4月15日). 2021年9月21日閲覧。
- ^ 広報はくさん No.53 14頁 2009年6月10日 白山市
- ^ 加賀笠間駅周辺の清掃を行いました。 2013年8月4日 金城大学
- ^ a b “加賀笠間駅時刻表”. IRいしかわ鉄道. 2024年8月17日閲覧。
- ^ 広報はくさん No.117 24頁 2014年10月1日 白山市
- ^ 広報はくさん No.119 28頁 2014年12月1日 白山市
- ^ 広報はくさん No.114 13頁 2014年7月1日 白山市
- ^ 広報はくさん No.117 24頁 2014年10月1日 白山市 「松任駅に併設することも検討しました」とある。
- ^ 広報はくさん No.115 16頁 2014年8月1日 白山市
- ^ 広報はくさん No.846頁 2012年1月10日 白山市 (作野広昭・白山市長)「今後、新幹線が開通すると金沢駅止まりではなく、白山駅ができればと考えています。白山市で一番観光客が来るのは白山比咩神社です。新幹線が開通すれば金沢駅から50分、白山駅が出来れば20分となり30分も違います。石川県に来たら、まず白山比咩神社を訪れてから金沢へ行くようなルートを考えています」とある。
- ^ a b c 道のり険し「白山駅」 北陸新幹線・車両基地活用2012年1月10日 朝日新聞(生田大介)
- ^ a b c 「道のり険し「白山駅」 北陸新幹線・車両基地活用」『朝日新聞(生田大介)』朝日新聞社、2012年1月10日。オリジナルの2019年9月6日時点におけるアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ 「白山・笠間に新駅構想 北陸新幹線」『北國新聞』北國新聞社、2012年8月15日。オリジナルの2012年8月17日時点におけるアーカイブ。2020年5月28日閲覧。
- ^ 広報はくさん No.118 28頁 2014年11月1日 白山市
- ^ 石井大臣会見要旨 2016年11月11日 国土交通省会見室 石井啓一大臣 国土交通省
- ^ 北陸新幹線「白山駅」、与党が検討へ 金沢―小松間 2016年11月9日 朝日新聞(奥田貫)
- ^ a b c “北陸新幹線延伸、「白山駅」に難色 JR西日本社長”. 朝日新聞. (2016年11月17日)
- ^ 北陸新幹線 延伸 「白山駅」断念も 山田市長、与党意向に沿う /石川 2016年11月25日 毎日新聞石川版
- ^ 中京圏アクセス「十分考慮」 新幹線延伸でJR西社長 2016年12月22日 日本経済新聞
- ^ 北陸新幹線白山駅、設置見送り 与党PT、JR西の収支判断尊重 /石川 2017年3月16日 毎日新聞石川版
- ^ 北陸新幹線「白山駅」設置を断念 石川・白山市 2017年4月15日 産経新聞
- ^ ふるさとの未来のためにつくろう!北陸新幹線(仮称)白山駅2014年4月 北陸新幹線 (仮称)白山駅建設期成同盟会 2022年 パンフレットダウンロード - SlideShow JP
- ^ 広報はくさん No.116 24頁 2014年9月1日 白山市
利用状況
[編集]- ^ a b “令和元年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 104 (2021年3月). 2021年4月12日閲覧。
- ^ a b c d e “平成17年度版 白山市統計書 JR乗車人員(1日平均)” (PDF). 白山市企画振興部企画課 (2022年2月9日). 2022年3月28日閲覧。
- ^ a b c d e “平成22年度版 白山市統計書 JR乗車人員(1日平均)” (PDF). 白山市企画振興部企画課 (2022年2月9日). 2022年3月28日閲覧。
- ^ a b c d e “平成27年度版 白山市統計書 JR乗車人員(1日平均)” (PDF). 白山市企画振興部企画課 (2022年2月9日). 2022年3月28日閲覧。
- ^ a b c d “令和元年度版 白山市統計書 JR乗車人員(1日平均)” (PDF). 白山市企画振興部企画課 (2022年2月9日). 2022年3月28日閲覧。
参考文献
[編集]- 川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第6巻 加賀温泉駅 - 富山エリア』講談社、2010年9月20日。ISBN 978-4-06-270066-5。
- 『週刊JR全駅・全車両基地 18 北陸本線②(森本〜米原) 越美北線』朝日新聞出版、2012年12月9日。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 加賀笠間駅 - IRいしかわ鉄道