創生「日本」
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創生「日本」(そうせい「にっぽん」)は、日本の議員連盟。2007年(平成19年)12月に真・保守政策研究会(しん・ほしゅせいさくけんきゅうかい)として結成され、2010年(平成22年)2月5日に現在の名称に改称した[1]。
自由民主党、維新の党(2016年3月末解散)、新党改革(2016年7月末解散)の3党と無所属の国会議員などから構成された。約70名の国会議員が参加している[2]。
第2次安倍内閣の発足以降、しばらく活動を休止しておりほぼ休眠状態にあった。2015年の自民党立党60年記念式典[3]の前日に研修会と懇親会を開催したことが報じられた[4]。会長である安倍晋三の2度目の総理大臣辞任から約3ヶ月が経過した2020年11月25日、議連メンバーの呼びかけにより安倍の「慰労会」としての会食会が開かれ、安倍内閣時代に閣僚や自民党役員であった加藤勝信や衛藤晟一、稲田朋美らをはじめとする主要メンバー約20人が出席し、「再始動」として報じられた[5][6]。
沿革
[編集]設立
[編集]2007年(平成19年)7月の第21回参議院議員通常選挙で自由民主党が大敗。同年9月に安倍改造内閣が退陣し、福田内閣が発足した。これを受け、自民党の中川昭一、島村宜伸や当時無所属だった平沼赳夫をはじめとした自民党及び無所属の議員によって設立された。
同年12月4日に設立総会が開かれ、自民党29人と無所属の平沼が出席。その他、代理出席が29人いた。
活動目的
[編集]- 伝統・文化を守る。
- 疲弊した戦後システムを見直す。
- 国益を守り、国際社会で尊敬される国にする。
中川昭一会長時代
[編集]安倍晋三会長時代
[編集]- 2009年(平成21年)
- 11月16日 - 自民党、改革クラブ(現・新党改革)、無所属(衆院院内会派国益と国民の生活を守る会)の23人(代理出席を含む)が出席した会合にて、安倍を正式に会長に選出[10]。
- 12月2日 - 都内で総会を開き、民主党が成立を目指す外国人参政権に反対する決議を採択した。「(公務員の選定や罷免は国民固有の権利とする)憲法15条に違反する可能性が極めて大きく、国民の主権を脅かしかねない」とした上で「外国人参政権阻止を表明する」としており、外国人参政権への反対を明確にし、外国人参政権の憲法違反の可能性についても指摘した[11][12]。また、地方議員らにも反対の動きを広げる方針を確認し、同日、会の衛藤晟一幹事長は、大島理森自民党幹事長に党として反対するよう申し入れた[13]。
- 天皇特例会見問題では、日本会議国会議員懇談会と神道政治連盟国会議員懇談会と共に、鳩山内閣の総辞職および習近平の会見中止を求める決議文をまとめた[14][15][16]。
- 2010年(平成22年)
- 2月5日 - 36人が出席した総会で、現在の名称への改称を決定[17]。「永住外国人地方参政権や選択的夫婦別姓制度など問題(だと創生「日本」が考える)法案に反対する」とする運動方針や、安倍が掲げる「戦後レジームからの脱却」や「社会主義的・全体主義的体質をむき出しにする民主党政権から一日も早く政権を奪還する」とする運動方針案を採択した。総会の終了後に安倍は、名称変更について記者団に対し、「『研究会』から『行動する議員の集団』に脱皮していくためだ。『保守』を取ったことに(特別な)意味はない」と強調した[18][19]。なお、この運動方針は、安倍の公式サイトにて閲覧可能である[20][21]。
- 2月8日 - かつて会の副幹事長を務めていた田村耕太郎が民主党へ入党。
- 2月19日 - 自民党本部で会合を開き、政府(鳩山内閣)が検討する選択的夫婦別姓導入を柱とする民法改正案について協議し、「悪影響が大きい」との意見が大勢を占めた[22]。
- 4月10日 - 最高顧問の平沼がたちあがれ日本を結成して自ら代表に就任(4月12日に衆院会派国益と国民の生活を守る会から離脱)した。
- 6月10日 - たちあがれ日本、日本創新党とで「日本を救うネットワーク」(通称:救国ネット)の設立を発表。第22回参議院議員通常選挙にて民主党を過半数割れさせることを目的とする[23]。
- 10月6日 - 一般の有権者も参加した第一回研修会が櫻井よしこを講師に招き衆議院議員会館にて行われた。
- 一般の有権者からの会員募集を開始。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 5月10日 - 東京都内で研修会。「憲法改正誓いの儀式」と評される気勢上げの時に「党改憲草案でも国民主権、基本的人権尊重、平和主義は堅持する、と。この3つはGHQによる押し付け、戦後レジームそのものであり、なくさなければ真の自主憲法にはならない」(長勢甚遠)、「国を護るためには国民が血を流す必要がある。2600年もの間、皇室を奉じて来た日本だけが道義大国を目指す資格がある」(稲田朋美)、「日本にとって一番大事なのは皇室であり国体」(城内実)、「尖閣諸島を軍事利用しよう」(新藤義孝)などの発言が相次ぐ。
- 8月15日 - 平成24年8月20日(月)以降創生日本は、韓国李大統領の竹島不法上陸に対する安倍会長の記者会見を実施。
- 8月21日 - 韓国李大統領の竹島不法上陸に対する抗議声明文を安倍会長が発表。ホームページ上に公表した。
- 8月21日 - 尖閣諸島に不法上陸した中国人釈放に対する抗議声明文を安倍会長が発表。ホームページ上に公表した。
- 8月23日 - 下村博文副会長、衛藤晟一幹事長、加藤勝信事務局長3名が、首相官邸に対し申入れを行い、長浜博行官房副長官に抗議声明文を手交。その写真をホームページ上に公表した。
- 2013年(平成25年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 2022年(令和4年)
会長不在時代
[編集]- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)
- 2月15日 - 自民党本部で勉強会を開催し、産経新聞の阿比留瑠比論説委員兼政治部編集委員が講師を務め、安倍の内政、外交面での取り組みや功績について講演した。阿比留は、第1次安倍政権発足直後に安倍が「『保守で(政権を)10年つなぎたい。そうすれば官僚が保守を勉強し、社会に(保守の)考えが広がっていく』と話していた」と紹介し、「実際、安倍氏は約10年近く保守政権を築き、本当に日本社会の多くを変えた」と述べた。勉強会には萩生田光一政務調査会長や加藤勝信厚生労働相、高市早苗経済安全保障担当相らが出席した。ジャーナリストの櫻井よしこも挨拶し、「日本国の現状は嵐の真っただ中だ。戦後の歴史が根幹から書き換えられなければ持たないところまで来ている。政府は着実に進んでくれていると信じ、期待をしている」と語った[29]。
構成
[編集]自由民主党以外でも荒井広幸、水野賢一、城内実(2012年5月、自民党に復党)ら安倍晋三と親交を有した議員が多い[30][31][32][33]。活動を一時中断した背景には石破茂への配慮もあった[34][35]。
歴代会長
[編集]1 | 中川昭一 | 2007年(平成19年) - 2009年(平成21年) |
---|---|---|
2 | 安倍晋三 | 2009年(平成21年) - 2022年(令和4年) |
役員
[編集]会長 | 安倍晋三(2022年7月8日死去) |
---|---|
会長代行 | 中曽根弘文 |
会長代理 | 長勢甚遠、山本有二、古屋圭司 |
副会長 | 鴨下一郎、菅義偉、塩崎恭久、下村博文、岩屋毅、高市早苗、世耕弘成 |
幹事長 | 衛藤晟一 |
副幹事長 | 新藤義孝、高木毅、梶山弘志、西村康稔、江藤拓、古川禎久、山本一太、有村治子、山谷えり子 |
事務局長 | 加藤勝信 |
事務局長代理 | 稲田朋美 |
事務局次長 | 徳田毅、城内実、岡田直樹、西田昌司、義家弘介、丸川珠代 |
最高顧問 | 平沼赳夫 |
顧問代理 | — |
監査 | — |
脚注
[編集]- ^ 出典により、創生「日本」、創生『日本』、創生日本など、表記に揺らぎが存在する。
- ^ “復権うかがう安倍晋三氏 尖閣事件批判の急先鋒 保守勢力の核になれるか” (日本語). 産経新聞. (2010年10月24日). オリジナルの2010年10月27日時点におけるアーカイブ。 2010年10月26日閲覧。
- ^ 【伝統と創造】「歴史修正主義」のレッテル貼りは何も生まない 新組織の主眼は歴史の学習 (1/2ページ) 夕刊フジ2015年12月10日
- ^ 「憲法改正へ参院選結束を」安倍首相、超党派議連で協力求める 産経新聞2015年11月29日
- ^ 「創生日本」が再始動、安倍氏「平成24年総裁選は本当にドキドキ」 産経新聞2020年11月25日
- ^ 安倍氏、創生日本メンバーと会食「最後まで支えてくれたのがこのメンバーだ」 毎日新聞2020年11月26日
- ^ a b c d “中川昭一勉強会 名称は「真・保守政策研究会」”. 産経新聞. (2007年12月17日). オリジナルの2009年11月19日時点におけるアーカイブ。 2010年1月23日閲覧。
- ^ “【対馬が危ない!】議員団、現地視察で驚いた! 韓国資本の買収地は旧日本軍港だった”. 産経新聞. (2008年12月20日). オリジナルの2010年11月6日時点におけるアーカイブ。 2010年1月23日閲覧。
- ^ “真保守研、再始動へ 安倍元首相を新会長に”. 産経新聞. (2009年10月28日). オリジナルの2009年10月30日時点におけるアーカイブ。 2010年1月23日閲覧。
- ^ “真・保守研会長に安倍晋三元首相”. 日本経済新聞. (2009年11月16日). オリジナルの2010年1月12日時点におけるアーカイブ。 2010年1月23日閲覧。
- ^ “「外国人参政権法案」反対を決議 真保守研”. 産経新聞. (2009年12月2日). オリジナルの2010年1月15日時点におけるアーカイブ。 2010年1月23日閲覧。
- ^ “永住外国人への参政権付与に反対=真・保守政策”. 時事通信社. (2009年12月2日) 2010年1月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “永住外国人の選挙権、真・保守政策研が反対決議”. 読売新聞. (2009年12月2日) 2010年1月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “天皇会見に批判相次ぐ=自民”. 時事通信. (2009年12月14日) 2010年1月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “特例会見に党内外から批判 「政治利用」「要請強硬」”. 朝日新聞. (2009年12月15日) 2010年1月23日閲覧。
- ^ “自民、中国副主席の特例会見で「民主・小沢氏の暴挙」-首相も批判”. 世界日報. (2009年12月14日) 2010年1月23日閲覧。
- ^ “平沼・元経産相、4年半ぶりに古巣の自民本部へ”. 読売新聞. (2010年2月5日) 2010年2月5日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “「創生日本」が発足=真・保守政策研を改称-安倍元首相ら”. 時事通信. (2010年2月5日) 2010年2月6日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “安倍氏会長の「真保守研」、「創生『日本』」に名称変更”. 産経新聞. (2010年2月5日). オリジナルの2010年2月9日時点におけるアーカイブ。 2010年2月6日閲覧。
- ^ “創生『日本』 名称を変更 真・保守政策研究会が新たなスタート”. 衆議院議員 安倍晋三 公式サイト. (2010年2月5日). オリジナルの2006年10月6日時点におけるアーカイブ。 2010年2月6日閲覧。
- ^ “運動方針全文”. 衆議院議員 安倍晋三 公式サイト. (2010年2月5日) 2010年2月6日閲覧。
- ^ “選択的夫婦別姓は「悪影響」 議員連盟「創生『日本』」”. 産経新聞. (2010年2月19日). オリジナルの2010年10月29日時点におけるアーカイブ。 2010年3月4日閲覧。
- ^ “「反民主」で連携、保守系が「救国ネット」設立”. 読売新聞. (2010年6月10日) 2010年6月10日閲覧。
- ^ “尖閣映像流出の元海保職員、超党派の勉強会に”. 読売新聞. (2011年2月9日) 2011年2月9日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 創生「日本」総会 古屋圭司
- ^ 首相 改憲「総力挙げて」 「創生『日本』」の会合で訴え 毎日新聞2017年3月5日
- ^ 【自民党総裁選】保守系議連「創生日本」が研修会 安倍晋三首相の3選後押しへ 産経新聞2018年7月3日
- ^ “安倍氏の遺志継承 「創生日本」が月内にも活動再開へ”. 産経新聞. (2022年8月16日) 2022年8月17日閲覧。
- ^ “安倍元首相の「創生日本」勉強会 阿比留論説委員が講演”. 産経新聞. (2023年2月16日) 2023年5月29日閲覧。
- ^ 「自民党の右バネが心配だ」日経新聞 2013年10月30日
- ^ 「これが政権の正体だ! 右翼集団・創生『日本』から10人入閣」日刊ゲンダイ 2012年12月27日
- ^ 「政権弱体化と紙一重 頭悩ます人事」1/32/33/3 フジサンケイ ビジネスアイ 2014年3月8日、松本浩史
- ^ 月刊リベラルタイム 2011年9月3日
- ^ 保守系超党派・創生「日本」が総会 「安倍カラー」後押しへ活動再開 産経新聞2013年10月30日
- ^ 首相「誇りある日本取り戻す」 創生日本で強調 産経新聞2013年11月28日
関連項目
[編集]- 日本会議
- 神道政治連盟
- 青嵐会
- 育鵬社
- 産経新聞
- 教科書改善の会
- 自由民主党 (日本)/清和政策研究会
- 価値観外交を推進する議員の会
- 真の人権擁護を考える懇談会
- 日本の前途と歴史教育を考える議員の会
- 日本の領土を守るため行動する議員連盟
- 日本教職員組合問題究明議員連盟
- 伝統と創造の会
外部リンク
[編集]- 創生「日本」[リンク切れ]
- 創生日本チャンネル【YouTube】
- 創生「日本」 (pages/%E5%89%B5%E7%94%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC/188766047817979) - Facebook