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凌雲集

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凌雲集
渉信濃坂詩碑(阿智村 神坂神社)
渉信濃坂詩碑(阿智村 神坂神社
編集者 小野岑守菅原清公勇山文継
発行日 弘仁5年(814年
ジャンル 漢詩
日本の旗 日本
言語 漢文
次作 文華秀麗集
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凌雲集』(りょううんしゅう)は、平安時代初期の弘仁5年(814年)に嵯峨天皇の命により編纂された日本初の勅撰漢詩集。全1巻。正式名称は『凌雲新集[1]小野岑守菅原清公らによって編纂された[2]

概要

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小野岑守菅原清公勇山文継が編纂に当たり、さらに「大才」・賀陽豊年にも質問して完成させた[3]。岑守の序文によれば、延暦元年(782年)から弘仁5年(814年)の23人90首を選んだとあるが、後に1人1首が加えられ、24人91首となって現在に伝わっている。配列は作者別であり、官位の順である[4]

内容

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凌雲集序

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小野岑守

凌雲集

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作者 首数 作品
平城上皇 2首 詠桃花一首
賦桜花
嵯峨天皇 22首 神泉苑花宴賦落花篇
重陽節神泉苑錫宴群臣勒空通風同
九月九日於神泉苑宴群臣各賦一物得秋菊
重陽節神泉苑同賦三秋大有年題中取韵大韵成篇
夏日皇太子南池
秋日皇太弟池亭賦天字
秋日入深山
夏日左大将軍藤冬嗣閑居院
河陽駅経宿有懐京邑
江亭暁興
春日遊猟日暮宿江頭亭子
和左大将軍藤冬嗣河陽作
和左金吾将軍藤緒嗣過交野離宮感旧作
和左衛督朝臣嘉通秋夜寓直周廬聴早雁之作
和菅清公秋夜途中聞笙
和菅清公賦早雪
和進士貞主初春過菅祭酒宅帳然傷懐簡布臣藤三秀才作一絶
聴誦法華経各賦一品得方便品取韵
吏部侍野美聞使辺城賜帽裘
餞右親衛少将軍朝嘉通奉使慰撫関東探得臣
賓和尚
大伴親王 5首 九月九日侍讌神泉苑各賦一物得秋露応製
秋晩侍内殿宴
奉和春日遊猟日暮宿江頭亭子応製
奉和江亭晩興呈左神栄清藤将軍
駕幸南池後日簡大将軍
藤原冬嗣 3首 神泉苑雨中眺矚応製一首 探得魚字
和菅祭酒秋夜途中聴笙之什
奉和聖製宿旧宮応製一首
菅野真道 1首 晩夏神泉苑同勒深臨陰心応製一首
仲雄王 2首 早舟発
海上人 韵勒遇樹住澍句孺務霧芋聚賦趣
賀陽豊年 13首 三月三日侍宴応詔
三月三日侍宴応詔三首
晩夏神泉苑釣台同勒深臨陰心応製
留別故人
同元忠初春宴紀千牛池亭之作
別諸友入唐
史記竟宴賦得大史自序伝
代琴之詞
逸人詞
高士吟
傷野将軍
良岑安世 2首 九月九日侍宴神泉苑各賦一物得秋蓮応製
早秋月夜
藤原道雄 2首 詠雪
春日代妓古詩体
林娑婆 2首 山崎乗江赴讃岐難波江口述懐贈野二郎
久在外国晩年帰学知旧零落已無其人聊以述懐簡山請益菅原五郎桃李之報豈無環
上毛野穎人 1首 春日帰田直疏
小野岑守 13首 雑言於神泉苑侍讌賦落花篇応製
夏日神泉苑釣台応製
九月九日侍宴神泉苑各賦一物得秋柳応製
秋日皇太弟池亭応製賦園字
奉和観佳人蹋歌御製
雑言奉和聖製春女怨
奉和江亭暁興詩応製
奉和春日暮遊猟宿江頭亭子御製
奉和傷右衛大将軍故宿禰御製
賀賜新集兼謝
砂土印仏応製
遠使辺城
別故人之任贈琴
菅原清公 4首 九月九日侍宴神泉苑各賦一物得秋山
秋夜途中聞笙
冬日汴州上源駅逢雪
越州別勅使王国父還京
小野永見 2首 田家
遊寺
淡海福良満 3首 早春田園
言志
被譴別豊後藤太守
仲科吉雄 1首 秋夜臥病
高丘弟越 2首 三月三日侍宴神泉苑応詔
雑言於神泉苑侍花宴賦落花篇応製
坂上今継 2首 信濃坂
詠史
大伴氏上 1首 渤海入朝
滋野貞主 2首 夏日陪幸左大将藤原冬嗣閑居院応製
王昭君
多治比貞清 2首 奉和御製春朝雨晴応製
和菅祭酒賦朱雀衰柳作
桑原公宮 1首 伏枕吟
桑原腹赤 2首 春日過丈人山庄与飲探得飛字
春日於丈人山庄与飲探得簷字
巨勢志貴人 1首 和進士貞主初春過菅祭酒旧宅帳然傷懐之作

「日本古典全集」, 国立国会図書館デジタルコレクション国立公文書館デジタルアーカイブ及び関西大学アジア・オープン・リサーチセンターを基に作成

出典

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  1. ^ 「序」
  2. ^ 凌雲集』 - コトバンク
  3. ^ 「序」。「日本古典全集」解題 p. 6
  4. ^ ジャパンナレッジ

関連項目

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