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リントン・アンド・リンマス・クリフ鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リントン・アンド・リンマス・クリフ鉄道 2003年

リントン・アンド・リンマス・クリフ鉄道(リントン・アンド・リンマス・クリフてつどう、英語: Lynton and Lynmouth Cliff Railway)は、イングランドケーブルカー。対になっているリントン (Lynton) とリンマス (Lynmouth) の町の間を、ノース・デヴォンの岩の多い海岸を通じて繋ぐ、水動力のケーブルカーである。

起源

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2つの町(その当時は村)を隔てる高いは、19世紀経済開発の主たる障害物であった。辺鄙なことと岩の多い地形のために、村民は石炭石灰食料と必需品の配達をに依存し、荷馬と荷車でリントンの急な斜面を運ぶ必要があった。

崖はまた、旅行産業の萌芽にも問題をもたらした。1820年頃から休暇を過ごす人々がリンマスにブリストルスワンジィやほかのブリストル運河から、蒸気櫂船で到着し始めていた。小馬、驢馬馬車が賃貸用に用意されたが、急な勾配のために動物たちは短期間しか労働に耐えなかった。

線路により旅客貨物を輸送する昇降機の初めての提案は1881年になされたが、当初の計画は蒸気動力であった。

建設

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ジョージ・マークス (George Marks、後のウーリッジのマークス男爵) によって水動力の鉄道が設計され、出版事業家のジョージ・ニューエンス (George Newnes) によって費用が負担されて建設された。ニューエンス卿はホラデイ丘 (Hollerday Hill)近くに大きな住宅を所有しており、1898年にリントン・アンド・バーンスタプル鉄道 (Lynton and Barnstaple Railway) に、1900年にはリントン町役場にも出資した。

建設労働はすべて手作業に依存し、1887年に開始されて3年以内に完成した。

運用

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1890年の復活祭月曜に開業し、それ以来鉄道は利用されている。議会による法は1888年のリンマス・アンド・リントン昇降機会社を設立し、その後の法はリン渓谷よりの永代水利権を会社に与えた。

この路線の特異な点は、リントン直下のNorth Walkからの道路のある仮乗降場である。これは、大きな貨物を運ぶのに使われた。平な荷台にするために車体は取り外すことができた。初期の動力車はこのようにして、丘の上に運搬された。2006年冬の線路更換の際には、ここは接近と資材保管に大規模に用いられた[1]

現在は、記念物表に分類される。

機能

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用いられている車両、ブレーキの機構が見える

鉄道は、坂の両端の1.7 メートルの滑車を回る連続索に連なる2両の各40名の旅客を運搬できる車両からなる。

1 マイル以上はなれたウェスト・リン川から130 ミリメートルの管で運ばれた水が上部車両の床下の槽に補給される。各車両は車輪の間に取り付けられた700 ガロンのタンクをもつ。重い上部車両が下降を始めるまで下部車両から水が放出され、速度は各車両のブレーキ扱い手により調節される。

複線交走式となっており、車両はそれぞれの専用の線路を上下するようになっている。互いの車両が接触せずに行き違えるように、この平行な線路は中央の行き違い場所で両側に張り出している。高低差150 メートル、全長263 メートルであり、勾配は1:1.75となる。

参考資料

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  • J Travis: An Illustrated History of Lynton and Lynmouth 1770-1914 Breedon Books, 1995. ISBN 1-85983-023-4
  • J Travis: Lynton and Lynmouth, Glimpses of the Past, Breedon books, 1997 ISBN 1-85983-086-2

脚注

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  1. ^ Lynton & Barnstaple Railway Magazine, Spring 2007

関連項目

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外部リンク

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