ホワイトアウト
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ホワイトアウト(英語: whiteout)は、気象学分野においては雪や雲などによって視界が白一色となり、方向・高度・地形の起伏が識別不能となる現象のことであり、「白い闇」と呼ぶこともある[1]。医学分野においては、内視鏡視野が体組織と密着し視野が失われた状態を指す[2]。
概要
[編集]- 気象学分野
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物体を周囲と区別して認識するためには、濃淡がある必要があるが、ホワイトアウトではその認識が困難になる[3]。
ホワイトアウトには、
- 極地付近に多く見られる地表一面の雪面と全天の層雲の条件下で発生する場合
- 吹雪時に発生する場合
- 吹雪で発生する場合は、空中の雪粒子による光の反射や散乱によって生ずる[4]。吹雪によるホワイトアウトは、視対象(前方の車や歩行者など)への最短距離よりも視程が悪いときに、あるはずの視対象の全てが見えなくなって生じる[4]。道路上では雪が降っているときのほか大型車が巻き上げる雪煙が原因になることもある[3]。 3.昨今、天気予報等で云われる【ホワイトアウト】は当該現象には当てはまらない軽微なレベル。 例えば雪山登山の際、森林限界以上の雪原や尾根筋にてガスや霧に覆われたたり、または航空パイロットが雲の中にて操縦する際に前後上下の《空間認識機能》の低下にて事故、遭難に繋がるレベルがホワイトアウト状態と言える。
出典
[編集]- ^ 竹内政夫「吹雪とその対策(2) : -吹雪と視程-」『雪氷』第61巻第4号、日本雪氷学会、1999年7月、303-310頁、doi:10.5331/seppyo.61.303、ISSN 03731006、NAID 10004648194。
- ^ 武原格「嚥下障害リハビリテーション入門II 嚥下障害の検査:―VFとVEによる病態の理解―」『リハビリテーション医学』第50巻第5号、日本リハビリテーション医学会、2013年、345-351頁、doi:10.2490/jjrmc.50.345、ISSN 1881-3526、NAID 130003368056。
- ^ a b “吹雪ドライブのコツ 寒地土木研究所”. 北海道渡島総合振興局. 2021年1月19日閲覧。
- ^ a b c d 竹内政夫「ホワイトアウトにおける光の散乱効果」『雪氷研究大会講演要旨集』雪氷研究大会(2016・名古屋)、日本雪氷学会/日本雪工学会、2016年、152頁、doi:10.14851/jcsir.2016.0_152、ISSN 1883-0870、NAID 130005243901、2021年8月20日閲覧。
関連項目
[編集]- 視程
- 地吹雪
- 空間識失調
- ブラウンアウト
- リングワンダリング
- ニュージーランド航空901便エレバス山墜落事故:1979年、南極・ロス島のエレバス山に、南極観光飛行便として運航されていたニュージーランド航空のマクドネル・ダグラス DC-10が墜落した事故。ホワイトアウト状態で低空飛行を行っていた結果、エレバス山に気づかないまま衝突(CFIT)した。
外部リンク
[編集]- ホワイトアウト - 雪氷ネットワーク
- 竹内政夫「ホワイトアウトと視程」『雪氷研究大会講演要旨集』雪氷研究大会(2015・松本)、日本雪氷学会/日本雪工学会、2015年、16頁、doi:10.14851/jcsir.2015.0_16、ISSN 1883-0870、NAID 130005482523。