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![]() 熱帯低気圧(ねったいていきあつ)とは、温度が比較的一様な熱帯地方や亜熱帯地方の海洋上に発生・発達する低気圧である。熱帯性低気圧ともいう。温帯地方における温帯低気圧(熱帯外低気圧、中緯度低気圧)と対比される。 日本語の「熱帯低気圧」には、次の2つの意味合いがある。
熱帯低気圧は、低気圧中心、閉じた下層部の大気循環、強風、および大雨やスコールをもたらす渦巻き状の雷雨を伴う、急速に回転する激しい暴風雨系である。発達したものは、その発生域と強さに応じて、北西太平洋では台風/タイフーン、大西洋および北東太平洋ではハリケーン、インド洋および南太平洋ではサイクロンと、それぞれ異なる呼称でよばれるが、これらは発生域が異なるだけで、本質的には同じ気象現象である。世界中で平均して年間80個から85個ほど、名前の付いた熱帯低気圧が発生しており、そのうちの過半数はハリケーン級の風力(32.7 m/s、64ノット、風力12)にまで発達する。発達した熱帯低気圧が最も多く存在するのは9月の北西太平洋域で、常に1つ以上の熱帯低気圧が存在している。 典型的には比較的水温が高く広い海域で発生し、海水面から蒸発した水を通してエネルギーを得て、最終的に再び凝結して雲となり、湿った空気が上昇して冷却され、飽和状態になると雨を降らせる。このエネルギー源は、北米のノーイースターや欧州のウィンドストームのような、中緯度の温帯低気圧のそれ(水平方向の温度差を主なエネルギー源とするの)とは異なる。典型的な熱帯低気圧は直径が100 kmから2000 kmにもなる。……もっと読む
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