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チタン酸ストロンチウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チタン酸ストロンチウム
IUPAC名 三酸化チタン(IV)ストロンチウム
組成式 SrTiO3
結晶構造 ペロブスカイト構造
CAS登録番号 12060-59-2
密度 5.13 g/cm3,
融点 2,080 °C
出典 安全衛生情報センター

チタン酸ストロンチウム(チタンさんストロンチウム、SrTiO3英語: strontium titanate)はストロンチウムチタンの複合酸化物で、ペロブスカイト構造をとる化合物である。三酸化チタン(IV)ストロンチウムともいい、天然鉱物として産出するものはタウソン石 (Tausonite) と呼ばれる。

誘電率が室温で300程度と高く、かつ常誘電体でありキュリー点を持たないために誘電率の温度変化が小さいことからセラミックコンデンサの材料に用いられる。また、バンド絶縁体だがニオブなどの添加物を加えることで容易に半導体化するためバリスタセンサ熱電素子などに用いられる。

単結晶屈折率が2.409とダイヤモンドに近く、ダイヤモンド類似石に用いられる。硬度が低く傷がつきやすいことからダイヤモンドと区別できる。

可視光線を照射することにより、水を還元し水素を発生する光触媒であることが発見され、同様に可視光で酸素を発生するバナジン酸ビスマスと組み合わせることにより、水の分解に成功している。太陽光エネルギーの変換効率は0.1%ほどであるが、この性質は人工光合成系の構築に役割を果たすと考えられている[1]

脚注

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  1. ^ 「水素を作る -ソーラー水素(工藤昭彦)」『光と界面がおりなす新しい化学の世界 -光触媒と光エネルギー変換』(初版)クバプロ、2008年1月30日、p20頁。ISBN 978-4-87805-090-9 

外部リンク

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