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つのしま (掃海艇)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つのしま
基本情報
建造所 日立造船神奈川工場
運用者  海上自衛隊
艦種 掃海艇(中型掃海艇)
級名 すがしま型
艦歴
発注 1996年
起工 1997年8月7日
進水 1998年10月22日
就役 2000年3月13日
除籍 2024年3月12日
要目
排水量 基準 510トン
満載 590トン
長さ 54.0m
9.4m
深さ 4.2m
吃水 3.0m
機関 CODOE方式
主機 三菱6NM-TA(B)Iディーゼル × 2基
電動機 × 2基
出力 1,800PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
速力 最大速 14ノット
乗員 45人
兵装 JM61-M 20mm多銃身機銃 × 1門
搭載艇 4.9m型複合作業艇 × 1隻
ジェミニ・ディンギー処分艇 × 1隻
C4ISTAR NAUTIS-M 情報処理装置
レーダー OPS-39-Y 対水上捜索用
ソナー TYPE-2093 可変深度式
その他 PAP-104 Mk.5機雷処分具 × 2機
53式普通掃海具(O型)改6
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つのしまローマ字JS Tsunoshima, MSC-683)は、海上自衛隊掃海艇すがしま型掃海艇の3番艇。艇名は角島に由来する。

本記事は、本艇の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはすがしま型掃海艇を参照されたい。

艦歴

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除籍前の「つのしま」
自衛艦旗返納行事の様子

「つのしま」は、平成8年度計画掃海艇383号艇として、日立造船神奈川工場で1997年8月7日に起工され、1998年10月22日に進水、2000年3月13日に就役し、掃海隊群第3掃海隊(横須賀)に編入された。

2004年2月16日、第3掃海隊が廃止となり、横須賀地方隊第41掃海隊に編入。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、災害派遣のため横須賀から緊急出港する。3月20日午後4時45分、補給艦「とわだ」からガソリン200リットル、粘着テープ10個、60枚入りゴミ袋1個、洗剤、防護衣、ポリタンク6個、ブルーシート6個、給油ポンプ2個などが運び込まれた。4月1日午後12時50分、艦載艇により気仙沼沖で遺体1体を収容。4月25日から4月26日宮城県沿岸部の行方不明者集中捜索に参加。

2014年5月16日呉地方隊阪神基地隊第42掃海隊に編成替え。

同年11月20日から11月30日日向灘掃海特別訓練に参加。

2015年6月19日から6月28日硫黄島周辺海域で平成27年度実機雷処分訓練に参加。

2017年2月1日から2月10日伊勢湾で平成28年度機雷戦訓練に参加。同年6月16日から6月25日、硫黄島沖で実機雷処分訓練に参加。

2017年6月16日から6月25日までの間、掃海母艦ぶんご」、掃海艇「ちちじま」、「はつしま」、「ししじま」、「あいしま」、「くろしま」、SH-60Jと共に平成29年度実機雷処分訓練に参加し、硫黄島周辺海域にて機雷掃海、機雷掃討、水中処分員による機雷処分訓練を実施[1]

2018年8月6日17時頃、種子島の東約50 kmの海域を北西進する中国海軍ジャンカイII級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻による艦隊を発見した。その後、当該艦隊が大隅海峡を西進し東シナ海に出たことを確認するまでの間、所要の情報収集・警戒監視を行った[2]

2018年8月8日朝5時頃、口永良部島の西約40 kmの海域を東進する中国海軍のジャンカイII級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻による艦隊を発見した。その後、当該艦隊が大隅海峡を東進し太平洋に出たことを確認するまでの間、海上自衛隊第43掃海隊「うくしま」、第1航空群所属のP-3C哨戒機と共に所要の情報収集・警戒監視を行った[3]

2019年6月15日から6月24日までの間、掃海母艦「うらが」、掃海艦あわじ」、「ひらど」、掃海艇「はつしま」、「なおしま」、「とよしま」、「あおしま」と共に令和元年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練(日米共同訓練)に参加し、硫黄島周辺海域にてアメリカ海軍水中処分隊と共同して機雷掃海、機雷掃討、水中処分員による機雷処分訓練を実施[4]

2021年5月27日来島海峡西方海域で発生した貨物船「白虎」沈没に伴う捜索支援のため災害派遣。同年5月29日から6月1日までの間、潜水艦隊第2潜水隊群潜水艦救難艦ちよだ」、第3掃海隊の掃海母艦ぶんご」、掃海艇みやじま」及び海上自衛隊第24航空隊(小松島)のSH-60J×1機と共に捜索活動を実施[5][6]

2023年6月20日から6月29日までの間、掃海母艦「うらが」、輸送艦おおすみ」、掃海艇「ひらしま」、「みやじま」、「ししじま」、「なおしま」と共に令和5年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練(日米共同訓練)に参加し、硫黄島にてアメリカ海軍の水中処分隊と共同して対機雷戦(機雷掃討)及び水中処分訓練を実施[7]

2024年1月22日、除籍準備のため、呉基地に向けて定係港の阪神基地を出港した[8][9]

同年3月12日、除籍。24年間で地球10周分以上にあたる45万km余りを航海した[10][11]

脚注

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  1. ^ 平成29年度実機雷処分訓練について (PDF)
  2. ^ 中国海軍艦艇の動向について 統合幕僚監部(平成30年8月7日) (PDF)
  3. ^ 中国海軍艦艇の動向について 統合幕僚監部(平成30年8月8日) (PDF)
  4. ^ 令和元年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練(日米共同訓練)の実施について (PDF)
  5. ^ 愛媛県今治市来島海峡における行方不明者捜索に係る災害派遣(最終報) (PDF)
  6. ^ 愛媛県今治市来島海峡における行方不明者捜索に係る災害派遣(第2報) (PDF)
  7. ^ 令和5年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練(日米共同訓練)について (PDF)
  8. ^ 海上自衛隊 阪神基地隊【公式】 [@jmsdf_hanki_pr] (2024年1月30日). "掃海艇「つのしま」が除籍準備のため、呉に向けて阪神基地隊を出港しました". X(旧Twitter)より2024年3月1日閲覧
  9. ^ 「ニュースフラッシュ」『世界の艦船』第1015号、海人社、2024年4月、127頁。 
  10. ^ 掃海艇「つのしま」が退役 24年の任期終える”. NHK広島 NEWS WEB (2024年3月12日). 2024年3月12日閲覧。
  11. ^ 海上自衛隊 呉地方総監部【公式】 [@jmsdf_krh] (2024年3月13日). "令和6年3月12日(火)、呉基地において掃海艇「つのしま」の自衛艦旗返納行事を行いました。". X(旧Twitter)より2024年3月13日閲覧

参考文献

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  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 海上自衛隊木造掃海艇建造史』(海人社、2010年)

関連項目

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