加藤渉 (建築学者)
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かとう わたる 加藤 渉 | |
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生誕 |
1915年8月15日 東京府東京市神田区(現・東京都千代田区) |
死没 |
1997年6月12日 東京 |
国籍 | 日本 |
職業 | 建築構造学者、海洋建築工学者、構造デザイナー |
受賞 |
1960年5月 日本建築学会賞(シェルに関する一連の研究) 1979年10月 土質工学会功労賞 1988年11月 勲三等旭日中綬章 1991年5月 日本建築学会大賞(建築学の海洋工学への参加,活動における長年の多大な功績) |
加藤 渉(かとう わたる、1915年8月15日 - 1997年6月12日)は、日本の建築構造学者、海洋建築工学者、構造デザイナー。
東京神田生まれ。大学卒業後満洲国大陸科学院に勤務。小野薫に師事[1]。 その後仲間の建築技師らと現地召集により、陸軍造船中隊凌水屯部隊でコンクリート船設計に関与[2][3][4]。
戦後は母校日本大学旧工学部、現理工学部で長く教鞭を執り、その後理工学部長を歴任。在任中海洋建築工学科を創設。大学外部では株式会社カトー設計事務所を主宰。シェル構造建築を1951年に「鶴見倉庫」を小野薫と試みる。こうしたシェル構造に関する一連の研究により、日本建築学会賞を受賞[5]。
主な設計
[編集]- 旧大宮市民会館 1969年
- 旧東京都体育館[6]
- 千葉県総合運動場体育館、零のガウス曲率、円錐形シェル
- 大田区体育館 1965年(昭和40年)竣工 4枚組合せ鉄骨HPシェル
- 日本大学生産工学部 円筒形シェル、零のガウス曲率、
- 旧与野市庁舎 1968年
- 厚生年金新潟市体育館 1961年 日本における DOCOMOMO150選 鉄骨HPシェル
- 国際文化会館[7]
著書
[編集]- 単著
- 応用弾性学の基礎 コロナ社 1974
- 共著
- 建築応用力学演習 (共立全書) 1952年、榎並 昭と共著
- 建築応用力学 (共立全書) 昭和24年初版、改訂版1982年、小野 薫と共著
- 建築実験 斎藤謙次と共監修 彰国社 1967年初版
- 曲板構造の設計 西村敏雄と共著 彰国社 1963
- 骨組・板・曲板の力学 ; 材料の力学 梅村魁ほか共著 彰国社 1959
- 共翻訳
- 円筒形シェルの設計 H.Lundgren 著 ; 寺崎恒正と共訳 コロナ社 1962
- 建築空間と構造デザイン 鳳山社、昭和47年 Heinrich Engel著
- 土質力学 テルツァギ, ペック 著 ; 星埜和 らと 丸善 1969
出典
[編集]- 本岡順二郎:追悼の辞
- 加藤渉、「2-8諸先輩に教えられたこと」 『工業教育』 1982年 30巻 1号 p.51-53, doi:10.4307/jsee1953.30.51, 日本工学教育協会
脚注
[編集]- ^ 満州国大陸科学院 (失われた昭和10年代) 前田 敏男 , 加藤 渉 , 河東 義之 建築雑誌 100(1229), p38-41, 1985年1月号
- ^ 田村富雄、「日本で最初の鉄筋コンクリート船」 『コンクリート工学』 1978年 16巻 5号 p.39-42, doi:10.3151/coj1975.16.5_39, 日本コンクリート工学会
- ^ 遠山 光一 ほか、「鐵筋コンクリート船の一設計」『造船協會會報』 1953年 75巻 p.7-21, NAID 110003864296
- ^ 戦時造船史 太平洋戦争と計画造船, 今日の話題社 1962, 建築界 30(13), P20-24, 1981年 理工図書 ISBN 978-4875652083
- ^ 建築学会大賞を受賞して(1991年日本建築学会大賞) 加藤 渉 建築雑誌 106(1316), 66-67, 1991年8月号
- ^ 東京都体育館曲版屋根のモデル実験に就いて 日本建築學會研究報告 (29-1), 193-194, 1954年10月
- ^ 構造について (国際文化会館について) 建築雑誌 71(839), 29-30, 1956年10月号
参考文献
[編集]- 渉 加藤渉先生古稀記念文集 加藤渉先生古稀記念出版会 1985年
- 追悼のことば(名誉会員・加藤渉先生ご逝去) 建築雑誌 112(1410), 136, 1997年8月号