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マカヴィティ賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

マカヴィティ賞(マカヴィティしょう、Macavity Awards)は、国際ミステリ愛好家クラブ[1]が主催する推理小説の賞。同団体のメンバーによって候補作・受賞作が決められる。賞の名はイギリスの詩人T・S・エリオットの著作『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法[2]に登場する猫にちなむ。

作品賞、新人(処女作)賞、ノンフィクション賞、短編賞の4部門があり、2006年に新たにスー・フェダー歴史ミステリ賞が新設された。

各年の結果

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長編賞

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受賞作 ノミネート作
1987年 P・D・ジェイムズ 『死の味』
1988年 ナンシー・ピカード 『結婚は命がけ』
1989年 トニイ・ヒラーマン 『時を盗む者』
1990年 キャロリン・G・ハート 『ミステリ講座の殺人』
1991年 シャーリン・マクラム 『いつか還るときは』
1992年 ナンシー・ピカード 『悲しみにさよなら』
1993年 マーガレット・マロン 『密造人の娘』
1994年 ミネット・ウォルターズ 『女彫刻家』
1995年 シャーリン・マクラム 『丘をさまよう女』
1996年 メアリー・ウィリス・ウォーカー英語版 『神の名のもとに』
1997年 ピーター・ラヴゼイ 『猟犬クラブ』
1998年 デボラ・クロンビー 『警視の死角』
1999年 マイクル・コナリー 『わが心臓の痛み』
2000年 スジャータ・マッシー英語版 "The Flower Master"
2001年 ヴァル・マクダーミド 『処刑の方程式』
2002年 ローリー・R・キング英語版 "Folly"
2003年 S・J・ローザン 『冬そして夜』
2004年 ピーター・ラヴゼイ 『漂う殺人鬼』
2005年 ケン・ブルーウン 『酔いどれ故郷にかえる』
2006年 マイクル・コナリーリンカーン弁護士
2007年 ナンシー・ピカード 『凍てついた墓碑銘』
2008年 ローラ・リップマン 『女たちの真実』
2009年 デボラ・クロンビー 『警視の偽装』
2010年 ケン・ブルーウンリード・ファレル・コールマン英語版 "The Tower"
2011年 ルイーズ・ペニー "Bury Your Dead"
2012年 サラ・グラン英語版 『探偵は壊れた街で』
2013年 ルイーズ・ペニー "The Beautiful Mystery"
2014年 ウィリアム・K・クルーガー 『ありふれた祈り』
2015年 アレックス・マーウッド "The Killer Next Door"
2016年 ルー・バーニー "The Long and Faraway"
2017年 ルイーズ・ペニー "A Great Reckoning"
2018年 アンソニー・ホロヴィッツカササギ殺人事件
2019年 ルー・バーニー "November Road"
2020年 エイドリアン・マッキンティー『ザ・チェーン 連鎖誘拐』
2021年 S・A・コスビー『黒き荒野の果て』
2022年 S・A・コスビー『哀しみを頬に刻め』

新人賞

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受賞作 ノミネート作
1987年 フェイ・ケラーマン水の戒律
マリリン・ウォレス "A Case of Loyalties"
1988年 ロバート・クレイス 『モンキーズ・レインコート』
1989年 キャロライン・グレアム 『蘭の告発』
1990年 ジル・チャーチル 『ゴミと罰』
1991年 パトリシア・コーンウェル 『検屍官』
1992年 スー・ヘンリー英語版 『犬橇レースの殺人』
メアリー・ウィリス・ウォーカー英語版 『凍りつく骨』
1993年 バーバラ・ニーリイ英語版 『怯える屋敷』
1994年 シャラン・ニューマン英語版 "Death Comes as Epiphany"
1995年 ジェフ・アボット 『図書館の死体』
1996年 ダイアン・デイ 『フリモント嬢と奇妙な依頼人』
1997年 デイル・フルタニ英語版 『ミステリー・クラブ事件簿』
1998年 ペニー・ワーナー英語版 『死体は訴える』
1999年 ジェリリン・ファーマー英語版 『死人主催晩餐会』
  • ジャクリーン・フィールダー "Tiger's Palette"
  • ロビン・ハサウェイ 『フェニモア先生、墓を掘る』
2000年 ポーラ・L・ウッズ英語版 『エンジェル・シティ・ブルース』
2001年 デイヴィッド・リス 『紙の迷宮』
  • ケイト・グライリー "Death Dances to a Reggae Beat"
  • ジュリー・レイ・ハーマン "Three Dirty Women and the Garden of Death"
  • マーシャ・シンプスン 『裏切りの色』
2002年 C・J・ボックス 『沈黙の森』
2003年 ジュリア・スペンサー=フレミング英語版 "In the Bleak Midwinter"
  • ラディネ・トリーズ・ネーリング "A Valley To Die For"
  • ジョナサン・キング 『真夜中の青い彼方』
  • エディー・ミューラー英語版 『拳よ、闇を払え』
2004年 ジャクリーン・ウィンスピア英語版 『夜明けのメイジー』
2005年 ハーレイ・ジェーン・コザック 『誘惑は殺意の香り』
2006年 ブライアン・フリーマン英語版 『インモラル』
  • マイク・ハリソン 『揺さぶり』
  • ランドール・ヒックス "Baby Game"
2007年 ニック・ストーン英語版 『ミスター・クラリネット』
2008年 タナ・フレンチ 『悪意の森』
2009年 スティーグ・ラーソンミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
2010年 アラン・ブラッドリー 『パイは小さな秘密を運ぶ』
2011年 ブルース・ダシルヴァ英語版 『記者魂』
2012年 レナード・ローゼン 『捜査官ポアンカレ―叫びのカオス』
  • サラ・J・ヘンリー "Learning to Swim"
  • ダレル・ジェームス "Nazareth Child"
  • アリス・ラプラント 『忘却の声』
  • テイラー・スティーヴンス 『インフォメーショニスト』
  • S・J・ワトソン 『わたしが眠りにつく前に』
2013年 ダニエル・フリードマン 『もう年はとれない』
2014年 テリー・シェイムズ "A Killing at Cotton Hill"
2015年 ジュリア・ダール "Invisible City"
  • クリスティ・ベルカミーノ "Blessed Are the Dead"
  • トム・ボウマン 『ドライ・ボーンズ』
  • サラ・ヒラリー英語版 "Someone Else's Skin"
  • エリザベス・リトル "Dear Daughter"
  • ローリー・レーダー=デイ "The Black Hour"
2016年 グレン・エリク・ハミルトン "Past Crimes"
  • パトリシア・アボット "Concrete Angel"
  • クリス・ホルム "The Killing Kind"
  • デヴィッド・ジョイ "Where All Light Tends to Go"
  • アウスマ・ゼハナット・カーン "The Unquiet Dead"
  • アート・テイラー英語版 "On the Road with Del and Louise"

短編賞

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受賞作 ノミネート作
1987年 スー・グラフトン 「パーカー・ショットガン」
1988年 ロバート・バーナード英語版 「衣裳箪笥の中の女」
1989年 ダグ・アリン 「二度死んだ男」
1990年 ナンシー・ピカード 「いつもこわくて」
1991年 ジョーン・ヘス 「とても我慢できない」
1992年 マーガレット・マロン 「デボラの裁き」
1993年 キャロリン・G・ハート 「ヘンリー・Oの休日」
1994年 スーザン・ダンラップ 「レジにてお並びください」
1995年 デボラ・アダムス "Cast Your Fate to the Wind"
ジャン・バーク英語版 「パートナー」
1996年 コリン・デクスター 「エバンズ、初級ドイツ語を試みる」
1997年 キャロリン・ウィート 「重すぎる判決」
1998年 ピーター・ロビンスン 「ローズ・コテージの二人の婦人」
1999年 バーバラ・ダマート "Of Course You Know That Chocolate Is a Vegetable"
2000年 ケイト・グライリー "Maubi and the Jumbies"
2001年 レジナルド・ヒル 「クリスマスのキャンドル」
2002年 ジャン・バーク英語版 「修道院の幽霊」
2003年 ジャネット・ドーソン "Voice Mail"
2004年 サンディ・バルゾー "The Grass Is Always Greener"
2005年 テレンス・ファハティ 「スレインの未亡人」
  • サンディ・バルゾー "Viscery"
  • アラナ・ホワイト "The Lady's Not for Dying"
2006年 ナンシー・ピカード "There is No Crime on Easter Island"
2007年 ティム・マリーニー 「死が二人を別つまで」
2008年 リース・ボウエン "Please Watch Your Step"
2009年 ダナ・キャメロン英語版 "The Night Things Changed"
2010年 ハンク・フィリッピ・ライアン英語版 "On the House"
2011年 ダナ・キャメロン英語版 "Swing Shift"
  • ダグ・アリン "The Scent of Lilacs"
  • キース・ギルマン "Devil's Pocket"
  • リチャード・ヘルムス "The Gods for Vengeance Cry"
  • G・M・マリエット英語版 "Bookworm"
2012年 ダナ・キャメロン英語版 "Disarming"
  • トリーナ・コリー "Facts Exhibiting Wantonness"
  • ダリル・ウッド・ガーバー "Palace by the Lake"
  • バーブ・ガフマン "Truth and Consequences"
  • キャスリーン・ライアン "Heat of Passion"
  • ピーター・ターンブル英語版 「鉄道運転士に帽子を掲げた男」
2013年 バーブ・ガフマン "The Lord Is My Shamus"
2014年 アート・テイラー英語版 "The Care and Feeding of Houseplants"
2015年 クレイグ・フォースタス・バック "Honeymoon Sweet"
  • バーブ・ゴフマン "The Shadow Knows"
  • ポール・D・マークス "Howling at the Moon"
  • トラヴィス・リチャードソン "The Proxy"
  • アート・テイラー英語版 "The Odds Are Against Us"
2016年 ミーガン・アボット "The Little Men"
  • マット・カワード "On Borrowed Time"
  • ローレン・D・エスルマン "Sob Sister"
  • バーブ・ゴフマン "A Year Without Santa Claus"
  • トラヴィス・リチャードソン "Quack and Dwight"
  • B・K・スティーヴンス "A Joy Forever"

スー・フェダー歴史ミステリ賞

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受賞作 ノミネート作
2006年 ジャクリーン・ウィンスピア英語版 "Pardonable Lies"
2007年 リース・ボウエン "Oh Danny Boy"
2008年 アリアナ・フランクリン 『エルサレムから来た悪魔』
2009年 リース・ボウエン 『貧乏お嬢さま、古書店へ行く』
2010年 レベッカ・キャントレル 『レクイエムの夜』
2011年 ケリー・スタンリー英語版 "City of Dragons"
2012年 カトリーナ・マクファーソン "Dandy Gilver and the Proper Treatment of Bloodstains"
2013年 チャールズ・トッド英語版 "An Unmarked Grave"
2014年 ディヴィッド・マレル "Murder as a Fine Art"
  • スザンナ・カルキンズ "A Murder at Rosamund's Gate"
  • ロバート・クレージュ "Saving Lincoln"
  • カトリーナ・マクファーソン "Dandy Gilver and a Bothersome Number of Corpses"
  • スチュアート・ネヴィル "Ratlines"
2015年 カトリーナ・マクファーソン "A Deadly Measure of Brimstone"
2016年 スザンナ・カルキンズ "The Masque of a Murderer"

脚注・出典

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  1. ^ Mystery Readers International:1987年、ジャネット・A・ルドルフによってカリフォルニア州バークレーに設立された、推理小説愛好者の団体。会員には読者だけでなく批評家・出版関係者・作家なども含まれる。同団体は季刊誌『Mystery Readers Journal』を発行している。
  2. ^ ミュージカル『キャッツ』の原作。マカヴィティは『キャッツ』にも登場する。

外部リンク

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