Windows プレインストール環境
開発者 | Microsoft |
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OSの系統 | Microsoft Windows |
ソースモデル | プロプライエタリ |
最新安定版 | 10.0.16299.0 / 2017年10月17日 |
プラットフォーム | x86, x64, IA-64(3.1まで), ARM(4.0から),ARM64(10.0.16299.0から) |
カーネル種別 | ハイブリッドカーネル |
ライセンス | マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項 |
ウェブサイト | http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=263961 |
Microsoft Windows プレインストール環境 (Windows Preinstallation Environment, Windows PE, WinPE) は、大手企業などが多数台のワークステーションやサーバへWindowsをインストールするための、軽量版Windowsである。またPCメーカーが製造過程で自社製PCにOEM版Windowsをプレインストールするためにも利用される。
軽量であるがゆえハードディスクドライブのみならずコンパクトディスクやUSBメモリからもブートでき、フロッピーディスクからブートできたMS-DOSに代わるOSの選択肢の1つとして利用可能である。
概要
[編集]WinPEは当初、Microsoft Windowsオペレーティングシステムをインストールするプラットフォームとしてのみ利用することを意図していた。後のバージョンは下記のような目的のためのプラットフォームに発展した。
- 大企業でのワークステーションやサーバへのWindowsインストール
- PCメーカーがエンドユーザーに販売するワークステーションやサーバへのOEM版Windowsプレインストール
- 大手PCメーカーの修理部門や、その他Windowsリカバリーを行いたい場面で使用される、リカバリープラットフォーム
- システム診断時や回復インストール時にユーザーが使用するユーティリティOSとして、MS-DOS(NTFSが扱えない)からの置き換え。
- 起動CD/DVDは、開発テスト技術者やシステム管理者のためのリカバリーCD/DVDとしてカスタマイズ可能である。インターネットを利用できるそれらの人々は目的に合わせ異なるサードパーティアプリケーションを含むWinPEの起動CD/DVDを作成することが多い。
- サードパーティー製Windowsユーティリティ(例えばsymantec ghost)のプラットフォーム
歴代バージョン
[編集]以下のバージョンの存在が知られている。最小必要メモリ容量が次第に大きくなり、バージョン2.0では512MBに近づいた。現行版のバージョンは5.1であり、Windows 8.1のカーネルをベースとしている。
Windows PE 1.0
[編集]Windows XP Professionalの初期バージョンを元にした構築作業を要する。
Windows PE 1.1
[編集]Windows XP Professional Service Pack 1 (SP1)を元にした構築作業を要する。
Windows PE 1.2
[編集]Windows Server 2003ファミリーを元にした構築作業を要する。
Windows PE 2004 (1.5)
[編集]Windows XP Professional Service Pack 2 (SP2)を元にした構築作業を要する。
Windows PE 2005 (1.6)
[編集]Windows Server 2003 Service Pack 1 (SP1)を元にした構築作業を要する。
Windows PE 2.0
[編集]Windows Vistaを元に構築された。
このバージョン以降と以前のバージョンに比して以下の特徴がある。
- ツールキットのインストーラ自体からファイルが生成されるため、ソースDVD(元となるWindowsのインストールディスク)をもはや要求してこない。代わりに、ダウンロードサイズが以前は60MB程であったが当版から900MBに増加した。
- WMIアクセス、Windows Scripting Host (WSH)、追加ドライバ、他の32ビットアプリケーション(または64ビット版のための64ビットのアプリ)といったような、様々なプラグインを含む起動イメージを作成するよう変更可能である。
- 当版から以降、マイクロソフトの製品であるBDD 2007を利用することにより、起動環境を生成する手順の全体に渡って、(古いシステムのユーザーになじみ深い)コマンドラインツールを排除した。
- 再書き込み可能なRAMディスクを利用可能(WinPE 1.xバージョンは書き込みできないRAMディスクを利用していた)であり、USBメモリのような追加の周辺機器をホットプラグで利用可能である。
Windows PE 2.1
[編集]Windows Server 2008を元に構築され、Windows Vista SP1と同じコードを基盤としている。
Windows PE 3.0
[編集]Windows Server 2008 R2ないしWindows 7と同じコードを基盤として構築されている。
Windows PE 3.1
[編集]Windows 7 Service Pack 1 (SP1)を元に構築された。
3.0に対する更新としてリリースされておりインストーラーは含まれておらず、手動で上書きして使用する[1]。
Windows PE 4.0
[編集]Windows Server 2012ないしWindows 8と同じコードを基盤として構築されている。
Windows PE 5.0
[編集]Windows Server 2012 R2ないしWindows 8.1と同じコードを基盤として構築されている。このバージョンよりWindows VistaとWindows Server 2008の展開をサポートしない。
Windows PE 5.1
[編集]Windows PE 5.0にWindows 8.1 Updateを適用したもの[2]。Windows ADK 8.1 Updateには引き続きWindows PE 5.0が含まれている。
Windows PE for Windows 10
[編集]Windows 10と同じコードを基盤として構築されている。Windows as a Serviceに基づくWindows 10のリリースと同時期に相当する更新がリリースされる。
- 10.0.10240.16384
バージョン1507相当。
- 10.0.10586.0
バージョン1511相当。
- 10.0.14393.0
バージョン1607相当。
- 10.0.15063.0
バージョン1703相当。
- 10.0.16299.0
バージョン1709相当。
関連項目
[編集]- プラットフォーム (コンピューティング)
- BartPE - WinPEのサードパーティー版と言える。
- Windows 回復環境 (WinRE) - Windows PEをベースにした、回復用のオペレーティングシステム
脚注
[編集]- ^ Windows 7 用自動インストール キット Readme
- ^ “Update WinPE 5.0 to WinPE 5.1”. 2014年4月6日閲覧。