VASP航空168便墜落事故
事故機と同型のVASP航空のボーイング727-2A1 | |
事故の概要 | |
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日付 | 1982年6月8日 |
概要 | CFIT(方向感覚の喪失?) |
現場 | ブラジル・セアラー州パカチュパ付近のセラ・ダ・アラタンハ (Serra da Aratanha) |
乗客数 | 128 |
乗員数 | 9 |
負傷者数 | 0 |
死者数 | 137(全員) |
生存者数 | 0 |
機種 | ボーイング727-212 |
運用者 | VASP航空 |
機体記号 | PP-SRK |
出発地 | コンゴーニャス空港 |
経由地 | ガレオン国際空港 |
目的地 | フォルタレザ空港 |
VASP航空168便墜落事故(葡: Voo VASP 168)とは、1982年6月8日にサンパウロ発ブラジル・フォルタレザ行き定期旅客便のVASP航空168便(機体:ボーイング727-212、製造番号:21347、機体記号:PP-SRK)が着陸のための降下操作中に墜落、搭乗していた137人全員が死亡した航空事故である[1]。
この事故はブラジルで発生した航空事故としては当時最悪の事故であり、2018年現在ではTAM航空3054便オーバーラン事故、ゴル航空1907便墜落事故に次ぐ大事故である[2]。
事故の概要
[編集]168便は事故当日、最初の行程をブラジル・サンパウロ発リオデジャネイロ行きの便として通常通りに飛行後、リオデジャネイロを出発しフォルタレザへ向かった。同機がフォルタレザに近づいた際、巡航高度のFL330(平均海水面から約33,000フィート (10,059m) )から5,000フィート (1,524m) へ降下するとの管制の許可を得た。夜間、前方にフォルタレザの町の明かりが見える中を飛行中、ボーイング727は管制からの承認限界の5,000フィート (1,524m) を過ぎても降下し続け、2,500フィート (762m) の山腹に激突し搭乗していた137人全員が死亡した[3][4]。
事故原因
[編集]調査により、高度警報装置が2回警告し、また副操縦士も前方の地表を警告したにもかかわらず、機長がクリアランス・リミットの5,000フィート (1,524m) を過ぎても降下操作を続けていたことが明らかになった。機長は前方にある町の明かりにより方向感覚を喪失した可能性がある。降下操作を続けたため、168便は高度2,500フィート (762m) の位置にあった樹木の茂った山腹に衝突し墜落した。
コックピットボイスレコーダーが最後に記録した音声を翻訳した謄本から引用[5][6]。
F/O = 副操縦士
CAPT = 機長
F/O: 前方にいくつか丘があるのが見えますか。 (Dà para ver que tem um monte aí na frente?)
CAPT: えっ。何があるんだ? (Hein? Tem o que?)
F/O: 丘ですよ、ありませんか。 (Uns morrotes aí, não?)
[高度警報音]
[衝突音,機長の悲鳴]
脚注
[編集]- ^ 事故詳細 - Aviation Safety Network
- ^ Ranter, Harro. “ASN Aircraft accident Boeing 727-212 PP-SRK Sierra de Pacatuba, CE”. aviation-safety.net. 2018年5月27日閲覧。
- ^ “VASP 168 – O ÚLTIMO VÔO DO PP-SRK (VASP 168 – Last flight of PP-SRK)” (Portuguese). 2006年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月3日閲覧。
- ^ Germano da Silva, Carlos Ari César (2008). “VASP 168” (Portuguese). O rastro da bruxa: história da aviação comercial brasileira no século XX através dos seus acidentes 1928–1996 (2 ed.). Porto Alegre: EDIPUCRS. pp. 318–326. ISBN 978-85-7430-760-2
- ^ Plane Crash Info accident record
- ^ Tragédia VASP 1982
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ボーイング727-21A PP-SRKの墜落前の写真・記事(ポルトガル語) – 事故の非常に詳細な分析・説明と多くの写真あり。
- 事故現場の写真